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血と骨

私はこの作品でオダギリジョーを知りました。


ビートたけし 新井浩文

田畑智子 オダギリジョー

松重豊 中村優子

唯野未歩子 濱田マリ

柏原収史 塩見三省

北村一樹 國村隼

鈴木京香 主演

雀洋一 監督

2004年 日本映画

「血と骨」


1923年、金俊平(ビートたけし)は

済州島からの出稼ぎ労働者として、

大阪へとやってきます。

凶暴で傲慢な彼ですが、徐々に頭角を現し、

朝鮮移民の街で蒲鉾工場を経営します。

やがて彼は李英姫(鈴木京香)と結婚しますが、

その凶暴さは工場が繁盛し、子どもが出来ても

エスカレートするばかりなのでした。


凶暴な主人公、金俊平と、

可哀相としか言いようの無い、その家族。

壮絶な家族の物語を

物凄いスピード感で、暴力、性欲を綴った作品でした。

オダギリジョーは主人公の息子役での出演で、

貧しい風景の中に咲く一輪の花のようでした。



転々

三木聡とオダギリジョーのコンビによる

脱力系コメディー映画です。


オダギリジョー 三浦友和

小泉今日子 吉高由里子 

岩松了 ふせえり 松重豊

岸部一徳 笹野高史

石原良純 鷲尾真知子

広田レオナ 主演

三木聡 監督

2007年 日本映画

「転々」


大学生の文哉(オダギリジョー)のアパートに、

借金取りの福原(三浦友和)が突然やってきて、

借金84万円の返済を迫ります。

返す当ての無い文哉ですが、

その後、福原から

「散歩に付き合えば100万円やる」

と提案され、渋々散歩に付き合うことにしたのでした。


前回の「図鑑に載ってない虫」は

映画館の中で爆笑の連発でしたが、

こちらはニヤニヤしながらも、

時々、胸がじんわりしました。

コメディなのに、切ない感じ。

それにしても、三浦友和がこんなにいい役者だとは

知りませんでした…









タロットカード殺人事件

ウッディ・アレンの最新作品です。


スカーレット・ヨハンソン ヒュー・ジャックマン

ウッディ・アレン イアン・マクシェーン 主演

ウッディ・アレン 監督

2006年 イギリス映画

「タロットカード殺人事件」


ジャーナリズムを専攻している、

アメリカ人大学生サンドラ(スカーレット・ヨハンソン)は

夏休みを利用してロンドンの友人宅へと遊びに来ています。

ある日、友人達とマジシャン、スプレンディーニ(ウッディ・アレン)の

マジック・ショーを見に行き、なんとそこで

新聞記者(イアン・マクシェーン)の幽霊に遭遇し、

「タロットカード殺人事件」の真犯人を明かされるのでした。


ウッディ・アレンの前作、「マッチ・ポイント」も

舞台はロンドンでした。

よっぽど気に入ったんでしょうね、ロンドン。

そして、今回のヒロインもまた、スカーレット・ヨハンソン。

マッチ・ポイントがシリアスな作品だったのに比べ、

今回はアレン自身も主演しているということもあり、

コメディ色の強い作品になっています。



エイリアンVSプレデター2

SF映画史上に残る

凶悪怪物達の戦いです!


レイコ・エイルワース ジョン・オーティス

スティーブン・バスクール 主演

コリン・ストラウス グレッグ・ストラウス 監督

2007年 アメリカ映画

「エイリアンVSプレデター2」


プレデターの操縦する宇宙船の中で、

彼らに寄生したエイリアンは、

新たな怪物プレデリアンが誕生します。

そんな中、宇宙船はアメリカ・コロラド州の森に墜落し、

怪物達が人類の前に姿を現すのでした。


近未来の怪物、エイリアンと

高い知能を持つプレデターの

2度目の夢の共演は、

現代の地球で実現しました。

エイリアンの寄生っぷりは見ものです。

普通の映画に見飽きた方におススメです。





犯人に告ぐ

ハードボイルド!

骨太邦画です。


豊川悦司 石橋凌

小澤征悦 笹野高史 

片岡礼子 井川遥

松田美由紀 雀洋一

石橋蓮司 主演

瀧本智行 監督

2007年 日本映画

「犯人に告ぐ」


2000年の大晦日の新宿で、

神奈川県警の警視、巻島史彦(豊川悦司)は

身代金の受け渡しの現場を押さえるため、

張り込んでいました。

ところが犯人から身代金の受け渡し場所を

変更するというメッセージを受け取ります。

21世紀へのカウントダウン・イベントで人々が

ごった返す横浜展示広場で、

捜査員達の緊張は限界に達していました…


日本発のハードボイルドな刑事もの。

主人公・巻島演ずる豊川悦司の

影のある感もよかったし、

キングオブ親の七光り・植草役の

小澤征悦の若いのに若さが感じられないところも

この老成したような作品にピッタリでした。

まさに手に汗握り、

固唾を呑んで見入ってしまいました。





ショートバス

舞台はニューヨーク、性がテーマの作品です。


スックイン・リー ポール・ドーソン

P・J・デボーイ リンゼイ・ビーミッシュ

ラファエル・パーカー ジェイ・ブラナン

ピーター・スティクルス 主演

ジョン・キャメロン・ミッチェル 監督

2006年 アメリカ映画

「ショートバス」


カップルカウンセラーのソフィア(スックイン・リー)は

カップル達の悩みに耳を傾ける一方で、

実生活では一度もオーガズムを感じたことがありません。

ある日、ゲイカップルのジェイムズ(ポール・ドーソン)と

ジェイミー(P・J・デボーイ)が

カウンセリングにやってきたことから、

ソフィアはサロン「ショートバス」の存在を知ります。


「ショートバス」とは

アメリカでは、

特別ケアが必要な生徒用のスクールバスだそうです。

そこから名前をとった実在するサロンが

ショートバスだとか。

官能映画では無いにも係わらず、

性描写の多いこの作品ですが…

性を超えて愛し合う彼らの姿に

思わず涙がこぼれてしまいました。

ポップな映像とポップなサウンドトラックもよかったです。





プロヴァンスの贈り物

オスカー俳優、オスカー監督の最新作です。


ラッセル・クロウ アルバート・フィニー

フレディ・ハイモア マリオン・コティヤール

アビー・コーニッシュ トム・ホランダー 主演

リドリー・スコット 監督

2006年 アメリカ映画

「プロヴァンスの贈り物」



マックス(ラッセル・クロウ)は

ロンドンの金融界でトレーダーとして

超多忙な日々を送っています。

そこへ叔父ヘンリー(アルバート・フィニー)の訃報が入ります。

遺産を相続するため、

マックスは少年時代に休暇で過ごした

ヘンリーのシャトーがあるプロヴァンスを訪れることに。

そこで彼はファニー(マリオン・コティヤール)と出会い、

惹かれていきます。


2000年に公開された作品

「グラディエーター」のリドリー・スコット監督と

ラッセル・クロウ主演の最新作は

今までの彼らの作品と比べると地味な恋愛映画で、

CGや近未来や派手なアクションなんてありませんが、

こんなほんわかした恋愛映画もいいものです。

ラッセル・クロウの子ども時代を演じるのが

「チャーリーとチョコレート工場」に主演していた男の子、

フレディ・ハイモア。

「チャーリー~」の頃よりちょっぴり成長した彼も

なかなか可愛いかったです。

プロヴァンスのシャトーが舞台なので、

ワインが飲みたくなる作品でした。


ミリキタニの猫

ニューヨーク在住の

日系人画家を追うドキュメンタリー作品です。


リンダ・ハッテンドーフ 監督・製作

2006年 アメリカ映画

「ミリキタニの猫」


ジミー・ツトム・ミリキタニは

ニューヨークの路上で絵を描き、

それを売って路上で生活をしています。

彼は1920年にカリフォルニアで生まれ、

その後、日本に戻り、18歳まで広島で育ちます。

しかし、軍国主義の濃くなる日本で

彼は徴兵を拒否し、アメリカに戻ります。

第二次世界大戦中、アメリカ政府により

日系人強制収容所に送られたことから、

人生の歯車は狂い始めるのでした。


アメリカに暮らしながら、

アメリカの援助(=社会保険や年金)を

拒否し続けるミリキタニ氏。

それはやはり、三年半収容されていた

強制収容所での苦渋の生活からくる

反発でした。

いつも厳しい表情を見せていた

ミリキタニ画伯ですが、

監督であるリンダに会い、

彼女を通じて画伯が段々と

柔和になってゆく姿がとても印象的でした。

観終わった後は、心がじんわりしました。






パンズ・ラビリンス

スペイン発の

ダークなファンタジー映画です。


セルジ・ロペス マリベル・ベルドゥ

イバナ・バケロ ダグ・ジョーンズ

アリアドナ・ビル 主演

ギレルモ・デルトロ 監督

2006年 スペイン・メキシコ映画

「パンズ・ラビリンス」


1944年スペイン

内戦終結後もゲリラ達は山奥で

フランコ政権と戦っていました。

オフィリア(イバナ・バケロ)は

母カルメン(マリベル・ベルドゥ)と共に

母の再婚相手、フランコ軍のビダル大尉(セルジ・ロペス)の

駐屯する山奥に向かっていました。

ビダルの子を妊娠している母は、

日に日に弱っていきます。

そばにいるオフィリアは心配で仕方がありません。

もう一つの心配事は、好きになれない新しい父親のビダルでした。

目を背けたくなる現実の中、

オフィリアの前に現れたのは妖精でした。

妖精に導かれて彼女は牧神・パン(ダグ・ジョーンズ)と

出会います。


ファンタジーといばディズニーで、

そのファンシーさに慣れている私たちには、

いい意味で衝撃!を与えてくれる作品だと思います。

グロテスクな妖精と妖怪。

その上現実でもゲリラ達との攻防で

バタバタと人が死んでいきます。

幻想と現実の板ばさみのオフィリア。

観ていて彼女を応援していました。


インランド・エンパイア

鬼才デヴィッド・リンチの

5年振りの最新作です!


ローラ・ダーン ジェレミー・アイアンズ

ジャスティン・セロー ハリー・ディーン・スタントン

ジュリア・オーモンド ウィリアム・H・メイシー

ローラ・ハリング 主演

ディヴィッド・リンチ 監督

2006年 アメリカ映画

「インランド・エンパイア」


女優ニッキー・グレイス(ローラ・ダーン)は

町の実力者である夫(ピーター・J・ルーカス)と

侍従のいるお屋敷に住んでいます。

ある日、近くに引っ越してきたという

初老の婦人(グレイス・サブリスキー)が

引越しの挨拶にやってきます。

その後、ニッキーは映画監督

キングスリー・スチュワート(ジェレミー・アイアンズ)の

「暗い明日の空の上で」に出演が決まります。

助監督はフレディー・ハワード(ハーリー・ディーン・スタントン)、

共演者は俳優デヴォン・バーク(ジャスティン・セロー)。

オリジナルの脚本であると思い込んでいた

ニッキーとデヴォンが監督に打ち明けられたのは、

実は脚本は未完のポーランド映画「47」のリメイクということでした。


前作「マルホランド・ドライブ」以来、

5年振りのリンチ・ワールド!

訳のわからなさは健在でした!

核となる世界は、

主人公であり女優のニッキーの住む世界なのですが、

彼女の演じている世界、

ポーランド映画「47」であろう世界、

劇中劇であろう、ウサギの着ぐるみ達。

テレビを通してそれらの映像を見る少女。

それらが交錯し、現実と映画、現在と過去、

時空までもが絡み合っています。

絡まったものを、紐解かないのが、

リンチ流です。