文在寅政権の命運を握るチョ・グク氏の強制捜査 | KHのアメーバブログ

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テキトーなタイミングで、テキトーにコメントします。

昨日8月28日のハンギョレ新聞の記事です。

         

一部抜粋・編集して紹介します。

        

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チョ・グク法務長官候補者、聴聞会前に異例の強制捜査…「検察による政治介入」論議に

登録:2019-08-28 08:27 修正:2019-08-28 11:53

            

                

チョ・グク法務部長官候補者が今月27日午後、人事聴聞会準備団の事務所が設けられたソウル鍾路区積善現代ビルに出勤し、立場を明らかにしている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/34213.htmlより

           

            

 検察がチョ・グク法務部長官候補者に関する各種疑惑について、釜山大学や檀国大学、ソウル大学、私募ファンド運用会社、熊東学院など10カ所を電撃的に家宅捜索するなど強制捜査に突入した。

                

 チョ候補者は「検察の捜査ですべての疑惑が明らかになることを希望する」と明らかにした。

                       

 権力型不正事件担当のソウル中央地検特殊2部が家宅捜索   

        

 ソウル中央地検特殊2部(部長コ・ヒョンゴン)は27日、

       

「本日、入試、私募ファンド、不動産、学院財団など関連事件の捜査のため、関連する医学専門大学院や大学、私募ファンド、学院財団などを家宅捜索した」

        

と明らかにした。

       

 家宅捜索した所は釜山大学医学専門大学院やソウル大学環境大学院、私学財団熊東学院、私募ファンドのコリンク・プライベート・エクイティなど10カ所余りで、チョ候補者の自宅は家宅捜索の対象に含まれていないことが分かった。

           

 検察は強制捜査に関し、

         

「この事件は国民的な関心が高い公的事案であり、客観的な資料を通じて事実関係を究明する必要が大きく、もし資料確保が遅れた場合、客観的な事実関係の確認が困難になるという点を考慮した措置」

         

だと明らかにした。

       

 検察はこの事件を(当初)ソウル中央地検刑事1部に割り当てたが、最近、権力型不正事件や企業捜査などを担当する特殊2部に改めて割り当てた。

                   

 家宅捜索について検察は事前に大統領府に知らせず   

          

 検察の家宅捜索は、大統領府や法務部に事前に報告されず、ユン・ソギョル検察総長にだけ報告されたという。

        

 検察関係者は、

         

「法務部に対する報告は通常の手続きに従い、家宅捜索に着手した後、最高検察庁から法務部に報告した」

        

と明らかにした。

          

 チョ候補者はもちろん、大統領府と法務部もこの日の朝、事後に強制捜査の事実を把握し、かなり当惑したという。

                

 チョ氏の疑惑11件すべてが検察捜査の対象   

          

 検察に告訴・告発されたチョ候補者の関連事件は11件に上る。

             

 検察の捜査は、チョ候補者の娘の入試関連疑惑やチョ候補者の家族の私募ファンド投資関連疑惑、チョ候補者一家が運営する熊東学院に関する疑惑などすべてに狙いを定めた様相だ。

                 

 検察は押収物の分析が終わり次第、容疑の有無を究明し関係者を呼んで取り調べる方針だ。

        

 公州大学のK教授など国外に滞在している事件関係者には「帰国して捜査に協力してほしい」と要請した。

           

イム・ジェウ、シン・ジミン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/907405.html

韓国語原文入力:2019-08-27 23:01

訳C.M

                                               

引用:ハンギョレ新聞 登録:2019-08-28 08:27 

修正:2019-08-28 11:53

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/34213.html

             

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 ついに韓国の検察がチョ・ググ氏の疑惑を強制調査

 

 ついに、韓国検察が、チョ・グク氏の疑惑について強制捜査に乗り出しました。

           

 ハンギョレ新聞によれば、捜査案件は全部11件。

          

 それも、当初は通常事件を捜査するソウル中央地検刑事1部に割り当てていたのに、あらたに権力型不正事件を担当する特殊2部に割り当て直したという熱の入れよう。

             

 さらに重要なポイントは、今回のソウル中央地検特殊2部による家宅捜索は、大統領府や法務部に事前に報告されず、尹錫悦(ユン・ソギョル)検察総長にだけ報告されていたこと。

        

 たしか現在の検察総長は、前職のソウル中央地検検事正時代に、李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)両政権時代の不正捜査を指揮し、

      

その功績を評価した文在寅大統領が、尹錫悦(ユン・ソギョル)氏より上のクラスの検事らをごぼう抜きさせ、任命したと報じられていました。

https://www.sankei.com/world/news/190617/wor1906170017-n1.html

        

 文政権が掲げる「積弊清算」に貢献したので、異例の抜擢(ばってき)人事というわけです。

               

 文在寅大統領が任命した検事総長は文字通りの鬼検事

 

 しかし、ハンギョレ新聞が伝えたところによれば、ソウル中央地検から家宅捜索実施を報告された尹錫悦(ユン・ソギョル)検察総長は、事前に大統領府と韓国政府法務部(法務省)に知らせていなかったようです。

           

 これが、朝鮮日報や中央日報などの保守系新聞の情報であったなら、<まゆつば>を疑うところですが、文政権を支持しているハンギョレ新聞の報道だからこそ真実味があります。

        

 検察総長から大統領府への事前連絡がなかったことが事実ならば、「積弊清算」を政権の主目標に掲げる文在寅大統領は、検察トップの検事総長の人選を誤ったのかもしれませんね。

         

 つまり、尹錫悦(ユン・ソギョル)氏の本当の姿は、権力の不正・巨悪は絶対に許さないという文字通りの「鬼検事」であり、文政権が掲げる「積弊清算」の信奉者ではなかった可能性があります。

        

(あるいは、<裏>では、実は韓国最高検察庁と韓国大統領府の間では既に密約がかわされ、怒り狂っている韓国国民の手前、強制捜査はしたけど嫌疑不十分で不起訴とか、いちおう起訴まではするけど公判では検察が敗訴するように仕向けるとか、そういう筋書きが準備されているのかもしれませんが)

               

 おそらくソウル中央地検はチョ・グク氏を「ほぼ黒」認定

 

 ソウル中央地検は、

         

「この事件は国民的な関心が高い公的事案であり、客観的な資料を通じて事実関係を究明する必要が大きく、もし資料確保が遅れた場合、客観的な事実関係の確認が困難になるという点を考慮した措置」

         

と説明しています。

        

 これは要するに、

        

「家宅捜査を遅らせた場合、チョ・グク氏ら関係者が証拠隠滅を図るおそれがある」

        

と言っているのに等しいと思います。

         

 捜査担当のソウル中央地検が現段階でこのような「もの言い」をするということは、まだ家宅捜索に着手したばかりですが、検察の事前の内定によって、チョ・グク氏ら関係者は「ほぼ黒」という印象を持っているということに他なりません。

               

 ハンギョレ新聞はチョ・グク氏を擁護

 

 いつも「感情的」なハンギョレ新聞にしてはやや控えめではありますが、進歩派(左派)新聞らしく、文在寅政権を擁護する姿勢を見せています。

       

 上述した記事紹介では省きましたが、ハンギョレ新聞の記事には、

           

「国会の人事聴聞会の日程が決まっている状況で検察が捜査に乗り出したのは、人事聴聞会制度が導入された2000年以来初めてだ」

      

「国会の人事聴聞会という政治日程を目前に検察が公開捜査に乗り出したことで、検察の「政治介入」に対する指摘も提起されている」
       
という説明のほか、ある匿名の法学専門大学院教授の
        
「異例のことだ。聴聞会の日程が決まっている状況で、検察はもう少し待つべきではなかったかと思う」
      
や、「議題と戦略グループ・トモア」のユン・テゴン政治分析室長の
         
「人事聴聞会の日付まで合意したのに、検察が裁判官を買って出て捜査に着手したのは、政治の領域で解決すべき問題を司法領域に持ち込んだもの」
        
とする批判的なコメントを紹介しています。
        
 ほかに、検察の捜査を攪乱するのが目的なのか、今回の検察の強制捜査の背景について
       
 「検察が手遅れ捜査という非難を避けるために先制捜査に乗り出したのではないか」
      
という解釈とともに
       
「検察改革に対する反撃」
           
「チョ候補者の疑惑を解消するための手順」
      
など、様々な解釈が出ていることを紹介したりもしています。

               

 文在寅政権の命運を握るチョ・グク氏の強制捜査

    

 文在寅大統領としてはたいへん頭が痛いはずです。
              
 権力不正を許さない国民の怒りの「ろうそく革命」によって誕生した文政権としては、チョ・グク氏をこのまま法務部長官に任命したら国民の反感を買い続ける可能性があるし、
         
 チョ・グク氏をいまさら法務部長官候補から外しても、疑惑の発覚後も彼を長官候補者から下ろさず、むしろかばい立てしたとして、政権が批判される事態を招くことでしょう。
         
 そしてなにより、文政権が「積弊清算」とともに目指す(保守派の検事を追放するという)「検察改革」が頓挫する恐れがあります。
       
 これが失敗すれば、今までの韓国で繰り返し起きてきたことと同様に、次に政権が変われば、今度は自分たち(文在寅氏、大統領府高官、裁判所や検察内の進歩派(左派)、中央省庁・地方公務員にいる進歩派(左派))が検察に訴追され、裁判にかけられ有罪判決を受け、社会的に「抹殺」される危険性があります。
     
 文在寅大統領や大統領府高官らは、下手をすると、社会的に「抹殺」どころか、本当に処刑されてしまうかもしれません。
              

           

 今後、勃発するかもしれない(チョ氏を次期法務部長官候補に指名している)文在寅大統領および大統領府高官と、ソウル中央地検および韓国検察庁の闘いから目が離せません。