2005-10-06 09:34:43

賃貸牧場の因果応報

テーマ:ブラジルでの牧場経営

kaji


かなり前に記事を書いて放置状態だった「賃貸牧場」のその後について書きたいと思う。


どうして、尻切れトンボになっていたかというと、あまりに理不尽だったので自分の中で浄化されるのを待っていた。


まず、賃貸牧場を手放す発端は、隣の牧場主でわたし達に賃貸している女性の伯父にあたる人物が、大豆を植えるために国で決められている準備を怠って土地に火を放って野焼きをしたから賃貸牧場にまで火が寄せて来て、こちらの囲いが焼けてしまったりしたにもかかわらず、修理をするどころか



「火は付けてない」



としらばっくれて、終いにはうちの牧場管理人に再三の嫌がらせをしたのだ。


そして、うちの人がフランスに住む貸主に相談しても、彼女は知らん顔で、メールにも返信しないわ、電話も留守電。。。


そんなこんなで契約を破棄した賃貸牧場だったのだ。



話しは変わって、いつもわたし達がお世話になっている占い師「ドナポリシダ」が先日興味深い事をいった。



「あなたに悪い事をした人達は、必ずした事以上のひどい目に合う事になっているよ。」



ここで、興味深いのは



「そう決まっているということである」



日本語の「因果応報」の世界だ。


そういえば、確かに過去にもいろいろなことがあったが、どう考えても理不尽だと思った相手は何かしら後からひどいことになっている。うちの人が何をした訳でもないが「自業自得」だと思う状況に陥る人が多い。



話は戻って、近所の牧場主の嫌がらせがあまりにひどいため、かんかんに怒ったうちの人と牧場管理人が「やつの牧場に火をつけてやる!」といった事があったが、「あなたが手を下さなくても必ず何かが罰してくれるはずだよ」となだめたものだった。


そして、あれから1年ほどが経過しようとして風の噂で彼の牧場から高価な乳牛が18頭も盗まれたと聞いた。風の噂というより、もう、この辺では有名な嫌なヤツな訳だからみんな楽しみながらその話題に耽っていた。



でも、個人的にはこれくらいでは足りないと思った。。。



そして、先日たまたま牧場に行った帰り道久しぶりに遅くなり、賃貸牧場の辺りを通った頃は、辺りは真っ暗になっていた。そして、チラチラと野焼きの火が見える。あぁ、今年も雨季に入る前の去年と同じ時期に火を放ったんだなぁと眺めていると、何かがおかしい。。。


だんだん火が近くなってよくよく見ると、放牧地だけでなく牛のワクチンや運搬の時に利用する「コハウ」という囲いも燃えているのが遠くからでもはっきりと見えた。


そして、もちろん、牧場の辺りには消火を手伝ってくれるような消防署など存在しないから、去年うちの人達がやったように自分達の手で消火作業をしないといけないのだ。



因果応報



この言葉が頭をよぎって、悪いけれど清清しい気持ちになった。

悪い事はそうそう見逃されるものではない。


ちなみに、対応の悪かったフランスに住む賃貸牧場の貸主は、誰も彼女の賃貸を手伝ってくれるわけもなく、結局、この伯父に無償で管理してもらっているらしい。。。

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2005-05-07 02:48:35

賃貸牧場の行方

テーマ:ブラジルでの牧場経営

賃貸牧場から帰って来て、「野焼き」を管理している国の機関に訴えるかどうか考えていた。もしも、訴えると、彼らが届出なしに法律で決められた除草の処理もせずに「野焼き」したのは確実だったから、うちへの被害の代金と罰金の支払いを指示されるのは間違いなかった。けれど、一応、賃貸牧場なので、フランスに住む貸主の女性へ事前に報告しておこうとメールを送った。


同じメールを数回送ってもいっこうに返事がないので、国際電話をしてみたが、留守電でいつもいない。しょうがないので、簡単にメールと同じ内容を留守電に残した。


そうして、数日が過ぎて、ようやく貸主の女性から電話があった。彼女は、できることなら訴えるのは止めて欲しいといい、この状況の中で賃貸牧場の契約をこのまま続けたいかと聞いてきた。わたし達は、今回の火事の原因になった牧場主にもうんざりしていたが、何かにつけて賃貸牧場に様子を伺いに来る他の彼女の親類達にもうんざりしていたので、これはいいチャンスだと「賃貸契約は賃料先払い済みのあと3ヶ月で満了したい」旨伝えた。また、今回は、彼女の親戚関係が問題になっての契約終了なので、牧場から家畜などを移動させる準備のためにプラス1ヶ月ほど時間をくれるように頼んだ。そして、彼女も快く引き受けた。

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2005-05-04 03:08:46

賃貸牧場の隣の牧場主

テーマ:ブラジルでの牧場経営

kaji


珍しくわたしも牧場に同行した日に、いっこうにバックレテ居る賃貸牧場の火事の原因となった牧場主の所をとうとう訪ねることにした。


この牧場主は、わたし達が賃貸している牧場主の叔父にあたる。牧場主の女性がいうには、以前、彼らに牧場を賃貸していて、全く賃料を払ってくれなかったらしい。そういう訳で、この女性は、所有の牧場を全く知らない人に貸すことを好んでいるようだった。また、この牧場主は雇用人にきちんと給料を払わなかったり、事故に見せかけて雇用人を数人殺したというような悪名高き輩でもあった。


問題の牧場に入る前にうちの人は、「危険だから喧嘩腰にならないように」とわたしに一言アドバイスした。(注:決してわたしは喧嘩っ早かったり、短気な人間ではありませんが、曲がったことが嫌いなのです)牧場の入り口を入っていくと、お手伝いさんらしき黒人の女性が家のテラスの掃除をしていたが、見かけぬ訪問者に興味津々で寄って来た。うちの人が「ここの主人はいられますか?」と丁寧に聞くと、家の中に入って行った。


数分ほど外で待っている間に、女中の子供達が日本人のわたしを珍しそうにジロジロみながら、変な事を言っていた。別に子供には悪気がないのかもしれないが、嫌いな場所に居る子供というだけで、憎たらしく見えたりした。そんな子供も、ここの女主人のお目見えにさっとどこかにいなくなってしまった。


女主人は、牧場には似つかわしくない花柄のワンピースをまとい、ゆるりゆるりと髪を直しながらやってきた。どうやら、昼寝をしていたようだった。この最初の瞬間に、わたしはたいていの人の人となりを読み取ることができる。ちょっとした特技である。


彼女は、「もう、全くこんな時間にいったい誰よ?」と不機嫌な表情で表われたが、一見して労働者レベルでない男性とアジア人女性のカップルに少し「お金の臭い」をかいで、すかさず作り笑顔で挨拶することにした。うちの人が、彼らの姪の牧場を賃貸している者ですがと挨拶すると、作り笑顔がいきなり消えてわたし達に椅子を勧めるでもなく、自分はどっかりと大きなお尻を背もたれの傾斜が深い椅子におろした。


この時点で、彼女はわたし達が何をしに来たのか検討がついたようで、「主人は出掛けてるわよ」と言った。


うちの人が彼女の横暴な態度にもめげず丁寧に「先日、お宅の牧場の野焼きから飛び火した火事の件で伺ったんですが」というなり彼女は「うちは、野焼きなんかしてません」と言い放ち、その一点張りを通そうとした。うちの人が何を言っても聞く耳を持たず、しまいには、わたし達の前にこの賃貸牧場を借りていて、わたし達を紹介してくれた男性の悪口まで言い出す始末。


「あんたは、彼と同じね!」


これには、わたしもカチンときた。いったい、この女は何を言ってるのか?!未だに、彼らの世界にはブラジルの奴隷時代が続いてるようだった。そして、奴隷扱いされている従業員達がこっそりとわたし達と女主人とのやりとりを面白そうに伺っているのが分かった。で、わたしはこの何を言っても馬に念仏状態の女主人に恥でもかかせてここを去ることを思いついた。


ポルトガル語がしゃべれないわたしなので、もちろん、今まで黙っていたが、ここで、英語でわざとうちの人に「ねぇ、いったいどうなってるの?この人は何をしらばっくれてるの?」と聞いた。すると、この女性は、英語で会話をするわたし達に少し目を丸くして、嫉妬心を露にするのがわかった。「(ワナにはまった)」とわたしは思い、思いっきり英語で彼女に文句を言い始めた。もちろん、彼女はわたしが何を言ってるのかわからないが、英語がしゃべれるわたし達への嫉妬心はむき出しである。目を吊り上げて「キィーーーーーーーーーーー」と訳の分からないことをしゃべりだした。で、わたしは、それを英語でバカにする。従業員達が含み笑いをしながらこっちを見ているのを確認したところで、うちの人が「もうお話にならないようですので、しかるべき所に訴え出ることにします」と述べておいとました。


この手の中途半端なお金持ちの田舎者は、英語に対してなぜか異常にコンプレックスを持っている。今回は、それを利用したのだけれど、ブラジルに来て、ここまでヒネタ人間に遭遇したのは初めてであった。


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2005-04-30 04:38:30

二つの牧場火災

テーマ:ブラジルでの牧場経営

kaji


珍しく平穏な日々が続いていたある日のこと、賃貸牧場からの「牧場に火がついた」と非常事態連絡。牧場自体には電話もないし、管理人は携帯も持ってなかったから伝言の伝言で近くの町から知り合いが電話をしてくれたのだ。


乾季の牧場は非常に危険である。この辺りの乾季は、約半年の間めったに雨が降らない。舗装していない道路はからからに乾いて、車が通るとすごい土煙をあげる。牧草は黄色に乾燥して火のついたタバコをポイ捨てしようものなら簡単に火がつくような状態である。


うちの人は、取り急ぎに準備をして賃貸牧場に向かった。


日本だったら、牧場火事?に消防車なんかが消火の手伝いに出掛けるものなのだろうか???ちょっと分からないけれど、ブラジルの場合は牧場主が中心になって消火作業をするのが普通のようだ。だいたい、牧場近くの町で消防署や消防車を見たこともない。


次の日に帰って来たうちの人が言うには、賃貸牧場の火が少しおさまってきた頃、今度は所有の牧場から彼の携帯に電話があって、そっちも火災が発生していると聞き、ある程度落ち着いた賃貸牧場の方は管理人と手伝いの人に頼んで、賃貸牧場から約30キロほど離れた所有の牧場へと向かったとか。そして、賃貸牧場でしたと同じようにに火が広がるのを防ぐために乾燥した牧草を取り除いたり、火のついてる辺りの消火のために燃え辛い雑草を切り倒したりと火がおさまるのに日が傾くまでかかったらしい。


二つの牧場火災の原因は同じで近所の牧場主が準備をしっかりせずにやった「野焼き」の飛び火であった。日本でも良く見られる「野焼き」は、この辺りでも乾季の終わり頃によく見かける。野焼き後の雨季直前に大豆などの種をまくと、育ちがぐっといいからだ。


しかし、法律で野焼きをするためには、しかるべき所にその旨届けを出して野焼き予定地の周りは飛び火を防ぐために除草を義務付けられている。この二つの牧場主達は、この届けも除草もきちんと行っていなかった。こちら側では、直接火にのまれて牛がどうこうなるということはなかったが、火に追われて出てきた毒蛇に3頭もの子牛が噛まれて死んでしまった。大損害だ。


後日、所有の牧場の方の近所の牧場主はきちんと謝罪に表われ、壊れてしまった柵などの修理を全てやると申し出てきた。まぁ、当然である。


一方、賃貸牧場の方は、管理人が何度訪問しても留守を装って相手にしない。そう、前回の教会を所有する村の住人の1人である。そして、この火災が原因で、結局は賃貸牧場を嫌な後味とともに手放すことになる。


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2005-03-04 02:03:11

賃貸牧場のその後

テーマ:ブラジルでの牧場経営
賃貸牧場をお祓いしてもらったものの、管理人のジューシはこの牧場では働けないということで、次の管理人が見つかるまで管理を続けるということになったが、気味悪がって賃貸牧場の家で寝泊りできず、以前から仲良くしていた隣の小さな牧場主の家に寝泊りさせてもらっていた。

わたし達は、次の牧場管理人を探さねばと思っていた矢先に、以前この賃貸牧場を借りていたご近所さんの牧場管理人だったロロから電話がかかって来た。実は、移って行ったご近所さんの牧場で折り合いがよくなく、今月いっぱいで辞める予定だから、できればわたし達の賃貸牧場で働きたいということだった。

わたし達にとっては願ったり叶ったりで、一安心した。というのも、ロロは、この賃貸牧場で4年間も働いていたし、心霊現象のことも全くお構いなしだからだ。そして、次の月にはロロ家族が元の鞘に納まった形となり、お祓いの効果があったのかロロ家族が気にも留めないからか、悪霊の悪戯はぱったりと納まった。

ところで、ロロ家族が移った先の牧場管理を辞めた理由を後日聞いた。実は聞くまでもなく、わたし達は彼らがそう長くは新しい牧場で過ごせないだろうなと予感していたのだが。。。

前にも書いたように、ご近所さんは、所有の牧場が賃貸牧場と全く逆の方角にあったために月に1度訪問すればいい方で、訪問しても簡単な指示をして数時間で帰っていたようだ。それが、今度の牧場では牧場主の家族が月の半分以上をそこで過ごしている。ロロにとっては、やる仕事は同じだから土地がかわっただけでたいした差はないと思うが、ロロの奥さんはたまったものではなかったようだ。今までマイペースで赤ちゃんの世話だけをしていたのが、給料を払うからと、掃除や洗濯を頼まれるようになったらしい。牧場は町から離れているから牧場内だけでの世界で、ご主人に頼まれたら断る訳にもいかない。いくらお金をもらったとしても息の詰まること間違いなしである。

このご近所の夫妻は、うちの人にさんざんロロの奥さんの悪口を言ったらしいが、わたしから見たら当然の結果だったと思う。生活に困るほどお金がないのならまだしも、ロロのお給料で十分なのだ。生後間もない初めての赤ちゃんを抱えて、お手伝いさんまがいの仕事をしたいとは思わないだろう。

ブラジルのお金持ちは、自分の社会の人間と労働者階級の人間とをしっかりと線を引いて接する。彼らに取ったらロロ家族は、労働階級の人間であってお金を払えば働いてもらって当然だという考えだろう。

以前、週に一度お掃除の手伝いに来てくれていたおばさんなんか、「わたしはどのおトイレを使えばいいのかしら?」と聞くから、「わたし達が使っているところを使っていいよ。」と答えると、「そんな、パトロン(ご主人達)と同じところを使うなんて滅相もない!」と返事が返ってきてこっちが驚いた。

ブラジルの階級社会を思わせる一件だった。

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2005-02-19 04:39:33

牧場のお祓い

テーマ:ブラジルでの牧場経営
タロット占いのおばさんの名前はドナポリシダという。彼女は、70近い年齢にもかかわらず栗色の髪に白い肌がつやつやしていて50代くらいにしか見えない。アメリカにいる時から、なにか大きな判断が必要な時には姉を通して見てもらっていた。

ドナポリシダは、特に悪い予感に強いようで知り合いが死ぬ予感はかなり的中するそうだ。彼女が悪い予感を感じて、当事者宅に電話を入れて「外出しないように」と忠告したにもかかわらず、酔っ払って忠告を忘れ出掛けてしまい交通事故で亡くなった人もいた。

とはいえ、占い師の性で自分自身のことは予言できないと言っていた。

うちの人がジューシを伴ってドナポリシダを尋ね、賃貸牧場の様子を見てもらったところ、この世に大変未練を残した女性の霊が居座っていると分かった。恐らく、亡くなった賃貸牧場の女主人の霊だろうとわたし達は推測した。けれど、一方ではこの賃貸牧場で小人の霊を見たことがあるという人も多かった。けれど、この小人は日中に現れる事が多く、人に危害を加えたりはしなかったようだ。前に住んでいた牧場管理人のロロなんかは、逆に小人を脅かして楽しんでいたらしい。

よくよく考えてみると、「悪霊の悪戯」は、わたし達が4年以上も誰も使用していなかった元経営者の住居を開け放ってから始まったように思える。しかも、4年以上というのはわたし達が知っている限りでの年数で、もしかしたら、女主人が亡くなって誰も住まなくなって以来、一度も誰も開かなかったのかも知れなかった。だとしたら、女主人の霊がこの世に未練を残しつつ密かに自分の住んでいた家に隠れていたのに、見ず知らずのわたし達がどかどかと入って来て彼女の物を使用することを快く思うわけがない。

とはいえ、できれば「悪霊」に立ち去って頂きたいと次の日にドナポリシダを伴って賃貸牧場のお払いをすることにした。

次の日の朝、ドナポリシダの指示で「コットン」「砂糖」「ポウブラ(弱い火薬)」を準備してわたし達、ジューシ、ドナポリシダで賃貸牧場へと出掛けて行った。

賃貸牧場に到着すると、ドナポリシダは準備した「コットン」で少量ずつの「砂糖」と「ポウブラ(弱い火薬)」を包んだものをたくさん作った。そして、うちの人の案内で悪霊のついていると思われる元経営者の家の至る所にそれを一つずつ置いていく。その作業はジューシの家の中や牧場のいくつかのポイントにも続けられた。

水を入れたコップを用意して全ての準備は整ったようだった。一方、わたし達がいろいろと準備をしている間、ジューシはというとこの牧場に居る事が大変居心地悪そうに常に離れたところにいた。彼の心はすっかり牧場から離れているようだった。

まずは、全員揃ってドナポリシダがなにやら唱えてからお払いは始まった。わたしは西洋流のお祓いがどういうものなのか興味津々で後に続いた。彼女は、例のコットンを置いた一番近い場所に進み、マッチでコットンに火をつけるとコットンにボワァ~と火がついたかと思うと「ポン!」とはじけて忍者の雲隠れの術のような煙が上がる。ちょうど、煙が上がったのに合わせて

ドナポリシダ 「火を消すものは何か?」

うちの人   「水だ。」


煙の出ているコットンに彼が少量の水をかける

ドナポリシダ 「この世に神より強いものがあるか?」

うちの人   「あるはずない。」


これをコットンを置いた全ての場所で繰り返した。
全てのコットンが煙に化した後、離れた所に立っていたジューシを呼んで、彼の家の戸口に彼を中心に火薬をぐるりとまいてそれに火を灯し煙で彼が見えなくなると、ドナポリシダは何かお祓いの言葉を短く発した。

その後、家の近くの小川のほとりに米粉で作った団子状のものをお皿いっぱいに盛り、お水と一緒に供え、蝋燭に火を灯してブツブツとお祓いの言葉を1分くらいの間続けて牧場のお祓いは終わった。

わたし達は、ほっとしたがジューシの顔色は相変わらず冴えず、「新しい牧場管理人を探さないと」と考えるのであった。

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2005-02-18 01:15:17

心霊現象2

テーマ:ブラジルでの牧場経営
前回の事件が起きて以来、賃貸牧場の管理人家族は大丈夫だろうかと密かに心配していた。そして、ある日曜日の朝に珍しく電話が鳴った。ちょっと嫌な予感を感じつつ電話に出たうちの人だった。

予感は的中して、電話の相手は牧場管理人のジューシだった。ジューシの奥さんが足をくじいて今ゴイアニアの病院に居るそうで、後でうちを訪問したいと言ったらしい。

私たちは敢えて口には出さなかったが、お互いあの「悪霊」が関係しているかもしれないと考えていた。

間もなくジューシが我が家に到着した。牧場で働いている時のジューシとは別人のように小奇麗な洋服を着ていて、なんだか不思議な感じがした。そして、彼の様子も牧場で会う時と違っていた。人懐っこい笑顔は同じなのだが、ふっと影を落とす。そして彼は、うちの人に昨夜の出来事を淡々と話した。

いつもと変わらない夜を迎え、奥さんとベッドで寝ていると何者かが彼の上にのしかかって首を絞めてきたのだと言う。うちの人と同じパターンであった。違ったのは彼の横に奥さんが寝ていたということ。ジューシはその「誰か」を振りほどき、いつも携帯していて、眠る時は枕元に置いておくナイフを咄嗟に手に取り、自分を襲った「誰か」を切りつけようと飛び起きた。その「誰か」が外に逃げ出したので追い掛け回して豚の囲いのぬかるみでようやく捕まえて、ふと我に帰るとその「誰か」は「ジューシの奥さん」だったという。ここで彼のナイフについて補足しておく。牧場に住む人達は、邪魔な木の枝を切ったり、なっている果物の皮をむいて食べたり、急に表われた蛇を殺したりするのにナイフを持ち歩く人が多い。また、最近では牧場を専門とする泥棒も多いので自己防衛のために枕元にナイフを置いておくのも普通である。

話は戻って、ジューシの首を絞めたのはもちろん奥さんではなかった。ジューシが飛び起きてナイフを振りかざしたので、びっくりした奥さんは逃げ出して、我を失って「悪霊」を追いかけようとした彼が「悪霊」と「奥さん」を取り違えて追い掛け回してしまったのだ。

奥さんは外に逃げ出したが、この賃貸牧場は家から裏の豚の囲いに向かってかなり坂になっていて、雨季のこの時期は足元が滑りやすい。そして、とうとうぬかるみにはまって転んでしまい足をくじいたということだった。

かなり強く足をひねって、奥さんは当分ゴイアニアの実家で療養すると言っていた。わたしは、彼女のお腹の赤ちゃんに別状はなかったと聞いてほっとした。

そして、ジューシはわたし達が予測したとおり、牧場管理の仕事を辞めたいと言い出した。ジューシが賃貸牧場で働くようになって、まだ2ヶ月余りしか経っておらず、ようやく慣れてきた頃だったから、わたし達としては今辞められると大変困った。なんとか引き止められないかと思い、いつも何かある時にはお世話になっているタロット占いのおばさんに助けを求めることにした。

それにしても、誰もいない真っ暗な牧場の中で、たった一人頼りになるはずの夫が何かにとり付かれてナイフ片手に追い掛け回してきたら、それはもう、映画のジェイソンの世界である。奥さんの恐怖はただ事ではなかっただろうと心配するわたしだった。

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2005-02-17 01:36:43

賃貸牧場3

テーマ:ブラジルでの牧場経営
賃貸牧場には、いろいろと文句を言う弟もいないから、前からやりたいと思っていた養豚を始めるべく種豚を探すことにした。メスの豚は既に数匹持っていたのだ。わたし達が養殖しようと思った豚は、普通の豚よりも脂肪が少なく大型のイタリア製の豚の置物によく見られる耳の大きなやつだった。

いろいろな人に尋ねていると、格好の種豚を持っている人がいると聞いたので教えてもらった牧場を訪ねていった。訪問した牧場は、それほど遠くではなかったが、国道からかなり入ったところにあったので雨季ということもあり、舗装していない道を尋ねていくのはなかなか骨が折れた。

牧場主の家に近づくにつれて、サトウキビやとうもろこしが整然と植えてあり、立派なトラクターもあったので、なかなかお金持ちの牧場だと分かる。古くはあるが、しっかりとした牧場主の家の前は広く、きれいに手入れがされてあり、呼び鈴代わりに大きく「パンパンッ」と手を叩くと奥の方から花柄のワンピースを着た牧場には似つかわしくない中年のきれいな女性がゆったりと現れた。一目でここの女主人とわかる。

種豚を探しに来たと説明しているところに、ここの当主らしき50代くらいの恰幅のいい男性がにこやかに現れた。今まで畑に出ていたらしく、多少汚れているが、きちんとした格好をしている。雇い人に口早に指示を出すとわたし達に挨拶してきた。牧場に住んでいると、そうそう他人との接点がないので訪問者は常に大歓迎なのだ。

うちの人が、自己紹介の時に「この近くの牧場をデボラという女性から賃貸した者で。。。」と言った瞬間に、男性の顔が固くなり奥さんが「あっ」と小さな声を発して旦那の脇を突付いて一瞬ではあったが顔をしかめた。そして、ここの主人が「デボラは、わたしの姪でして」と説明したが、この様子を見ただけで、たいていのことが憶測できた。主人は、それ以上のことには言及せずに、豚の話になりわたし達の探している豚は彼の弟が持っていると言ってすぐ近くの弟の牧場に案内してくれた。

彼の弟の牧場も整然として豊かな印象であったが、弟自身はこの牧場には住んでいないようであった。たまたまその日は、牧場を訪れていて商談することができた。

種豚を探す一連のやり取りで分かったのは、この一帯の広々とした放牧地は、現在ではいくつもの境界線で仕切られているが、一世代前は一つの巨大牧場だったこと。大牧場主が亡くなった後に子供達に分け与えられて、その中の一部を両親が亡くなったわたし達の賃貸主のデボラという女性が受け継いだのだ。

牧場を賃貸する時に聞いた、親族との揉め事は、訪問した牧場夫婦のやり取りで察することができたし、お互いあまりよく思っていないのが手に取るように感じられた。

それにしても、親類縁者の牧場の豊かな印象に比べて、わたし達の賃貸牧場からは牧場自体の豊かさに対して、人間生活の部分で荒んだ印象を受けるのがやはり不思議でならなかった。

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2005-02-16 01:53:40

心霊現象1

テーマ:ブラジルでの牧場経営
賃貸牧場には、小さな掘っ立て小屋のような家が2軒並んでいた。ロロ夫婦はその1軒に4年ほど住んでいた。もう1軒はもともと貸主の家族が住んでいたらしいのだが4年以上も開かずの状態だった。

貸主の女性が、この家の備品などを自由に使用していいと申し出てくれたので、少ししかないのだが、わたし達の牧場用の炊事道具などを運び込むことにした。4年かそれ以上も誰も使わなかった家のドアの鍵を開けて、うちの人と中をそーっと覗き込んでみた。というのも、人間の出入りがない家に、よく大蛇が住み着くことがあるからだ。

家の中はひんやりとして、埃をかぶっているもののゴキブリやネズミ以外の小動物以外はいなさそうで安心した。ただ、わたしが思ったのは、ゴイアニア近郊でも高値をつけるこの牧場の経営者家族が生活していたという家が、あまりに質素で貧弱な上に家財道具に至っては牧場管理の貧しい人達と変わらないような内容だった。少ない家財道具の中でひときわわたしの目を奪ったのは、小さな居間に掛けられた一枚の絵だった。油絵を飾るくらいの余裕はあったのかと、少し安心しながら絵をよく見ると、それは「山火事の絵」だった。その絵を見て、なんだかここの元住人の心の歪みのようなものを感じた。

ガラスの入っていない木でできた窓を開け放つと、昼間でも薄暗闇の家の中が生き返ったように明るくなってほっとしたが、間違ってもくつろいで家の中のソファに座る気にはなれなかったし、どうがんばってもここには泊まれないと思った。なんだか不気味な印象だったのだ。

前に書いたように、牧場として最も重要な部分、牛の放牧地や湧き水の確保は完璧だといえる牧場なのだが、人間の生活の豊かさは感じられなかった。というのも、我が家の牧場に比べると、家の周りにフルーツの木など皆無なのだ。あるのは、マンゴーとバナナくらい。パパイヤやコーヒーの木さえなかった。

ブラジルは、水のあるところには一度植えてしまえばたいした手入れをしなくても植物はぐんぐん大きくなるし、フルーツは食生活に彩りを与えてくれるのにそれをしていないのが不思議でならなかった。いずれにしても、わたし達にとっては賃貸牧場だから、フルーツの木を植えても仕方がないことだった。

この賃貸牧場は、ゴイアニアから車で1時間ほどの距離に位置して居たので、わたしはもとよりうちの人も宿泊することはなかったのだが、ある日のこと帰りの遅くなった彼は、初めて賃貸牧場の家に宿泊した。牧場に泊まったら、たいてい次の日の夕方くらいにしか帰ってこない彼が、朝方6時くらいに帰って来た。「珍しいこともあるもんだ」と、眠い目をこすりながら出迎えると彼の表情はこわばっていた。

「今朝、誰かに首を絞められて目が覚めたから急いで帰って来た。」

一体何が起こったのかよくよく尋ねると、彼は昨夜、元経営者の家のベッドで寝たらしいのだが、明け方誰かが彼の上にのしかかって首を絞めてきたから、それを振りほどいてそのまま帰って来たというのだ。そして、誰かというのは、元経営者の家に住みついている「悪霊」なのだとか。

わたしは知らなかったが、彼が昨夜眠ったベッドは、貸主の女性の母親が交通事故の後病んで亡くなったベッドだった。そして、この牧場に幽霊が出ることは、牧場周辺の人達にとって暗黙の了解で、うちの人もその話しは知っていたのだとか。ただ、わたしが恐がると思って言わなかったらしい。けれど、過去にこうした悪さをしたという話しは聞いてなかった。

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2005-02-12 02:08:43

牧場の生活

テーマ:ブラジルでの牧場経営
賃貸牧場の管理人となったジューシには、若い妊娠中の奥さんが居た。引っ越しの荷物はたいしてなかったから、まだ乳牛と交換する前のトラックに積み込んでロロ家族の去った家に運び込んだ。

荷物は少ないとはいえ、ゴイアニアに住んでいただけあって、ロロの家財道具に比べると文化的な印象を受けた。ジューシの奥さんは町の生まれのようで、牧場は好きだとは言っても、牧場に住むのは初めてということで親類の女性が手伝いに来ていた。

数日後、うちの牧場からわたし達所有の家畜を移す時に、雨季ということもありトラックがぬかるみにはまってどうにも動けなくなったりして、完全に移し終わるのに深夜までかかった。牧場の仕事はいつも時間が読めない。簡単に終わりそうな事に一日潰してしまうのはしょっちゅうである。そして、誰のせいでもない。

それでも最近は携帯電話が普及したので、連絡も取り易くなったが、牧場では電波の届かない所も多いから、人づてという古来からの方法を取らざるを得ないが、連絡不能はありえない。というのも、小さな町だからお互いの事をよく知っている。そう考えると、現代社会では電話の普及が隣近所との付き合いを疎遠にして行ったのかもしれない。携帯電話の普及などは、知っている者同士のつながりは強くしたかもしれないが、それ以外のつながりをどんどん希薄にしている割りに、プライベートを侵食しているのではないかと思ったりする。

話が逸れてしまったが、家畜の移動が終了したのが夜中の11時を回って、わたし達がジューシを伴い賃貸牧場に戻って来ると、ジューシの若い奥さんは手伝いの女性とこっちがびっくりするくらい恐れおののいていて、これからの牧場生活を無事に送れるだろうかと少し心配になった。

町で生まれ育った者が牧場の生活に溶け込むためには、それなりの覚悟がないとできないと思う。それでも、最近のブラジルの牧場はほとんど電気が通っているから昔に比べるとかなり文化的な生活ができると思うが、やはり町とは雲泥の差である。お隣さんは少なくとも1キロは離れているし、静寂の中に動物の声しかしない。日中にはのどかに聞こえる動物の声が夜中になると何か恐ろしいもののように聞こえたりする。実際、未だに野生の豹が現れたりもするから仕方がないのだが。

わたしが牧場に数日滞在して、最も慣れなかったのは、「ダニの攻撃」である。たまたま飼ったばかりの子犬を連れて行ったので、最初にこのダニが犬について、抱っこするわたしのお腹に吸い付いたのである。シャワーを浴びる時に「お腹にぽつぽつとゴマ粒大のかさぶたのようなものができてるなぁ」と気づき、「なんで怪我もしてないのにかさぶたができるんだろう??」と不思議に思いつつ、別に痛くも痒くもなかったから、かさぶたなら自然にはがれるのを待とうと放っていた。

ところが、そのかさぶたのようなものは、次の日には二倍くらいに膨らんでちょっとした摩擦でポロリと落ちるようになった。で、よ~く観察すると。。。それはかさぶたなんかではなく「虫。。。ダニ。。。」だと発覚した。

そして、ダニに血を吸われた後は、やたらと痒くて痒くて、かきむしったからかもしれないが痒みが消えるのに1ヶ月くらい、痕が消えるのに半年もかかったのだった。

その事があって以来、牧場に宿泊する機会も減ったが、異常なくらいに注意を払うようになったからか二度とさされることはなくなった。うちの人が上半身裸で働いてると、たまにわたしについたのよりも小さいのが背中に吸い付いていたりする。奴らは命懸けで吸い付いているだけあってお腹一杯になるまでは、ちょっとくらい爪で引っかいても取れない。たまに毛抜きが必要なくらいである。

こんな虫には、日本に住んでいる限り出会う事はなかっただろう。貴重な経験であった。(笑)

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