新年から何気なく見ていた、商品を専門家が試食して合格、不合格を判定するテレビ番組。
実のところ、この番組で「合格」を獲得した商品を店舗で消費者が手に取るのか否か疑心暗鬼でした。
しかし、先日コンビニ「ローソン」に寄ったときの事です。
店内には「テレビで合格!」のステッカーがベタベタと貼られています。
私はスィーツコーナーで満場一致合格を出した○○を探しました。
確かに他のスィーツよりも少なくなっています。
と、同じスィーツコーナーにいた男性がススッと横に来たかと思いきや、私が見つけた「合格の品」を素早く籠に入れました。
私にチラッと視線を向けて、「もらっていいですか?」とひと言。
「どうぞ、どうぞ」と私。
男性は照れ臭そうに、「これ、テレビで見て、全員合格だったので」とボソッと。
(コンビニで知らない方と言葉を交わす事など、まずありません。)
その方は嬉しそうに手にしたスィーツを持って、いそいそとレジに並びました。
帰り際に振り返り、私にペコリとお辞儀を。
新年の想定外の経験。
それにしても、テレビの影響もさることながら、コンビニの力を改めて感じさせられました。
果たしてこれが、全国どこにでもあるコンビニという身近な存在で売られていなかったら、あちらこちら探し回ってまで、男性は手に取ったでしょうか?
勿論、男性がスィーツ好きで、それ目当てのファンなら別ですが。
少なくともこの男性は、コンビニというどこにでもあるお店だから、寄った時にチョッと買ってみようと思ったはずです。
そして、これを切っ掛けに「スィーツならローソン」を改めて思ったに違いありません。
此処数年、コンビニ3社の競争は激化し、それぞれの強みをより一層押し出したバトルを繰り広げています。
○○ならローソン、△△ならセブンイレブン…。
コンビニで買い物をするペルソナがどのようなライフスタイルを持っているのかを徹底的にフォーカスしての商品戦略ですね。
かつてはコンビニはちょっと寄るだけのお店だったでしょう。
しかし、今やスーパーにも負けず劣らずの自社ブランドでの品作りで消費者を捉えています。
そのような視点でコンビニを見ると、これまで気が付かなかったリアルな市場が見えてきます。
ブランドとは、消費者から「○○なら●●」と想起して貰えるか否かがスタートです。
そして、必ず選び続けて貰うこと。
それでこそ、ブランドたる所以です。
ブランドに大小はありません。
顧客から○○なら、と選び続け貰うこと、それのみです。