【学生戦争】SS「近付く」 | 54分室 B館

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○月×日、夢と現実の間にて。


連続で【学生戦争】関係すいません…!
ちょっと小説というか何と言うか…文字をダラダラと。
時間軸としては、尤がゲス山に襲われた後の療養中で、もう数日で退院、くらいです。
口調等おかしなところあったらすいません、遠慮なくご指摘下さい;
では、OKという方から続けてどうぞ!



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「…ですから、2時になったら大講堂に…」
先ほどから透き通るような声が聞こえてくる。
それはのどかな昼下がりのこと。
病室のベットに起き上がり、ただ1人何をするともなく過ごしていると、樹先輩が訪ねてきた。
何でも、出席出来なかった指令塔会議の内容を伝えに来た、という。
ありがたいというか申し訳ないというか…複雑な気持ちを抱きつつ、淡々と続く先輩の話を聞いていた。

彼女のサラサラと流れるような声に必死に耳を傾けながら、僕は一つのことがずっと引っかかっていた。
「あの…先輩」
次の議題に移ろうとする先輩の声をそっと遮る。
「なにか?」
「すいません、お話中に。一つ、お願いしても良いですか?」
「ええ、どうぞ」
突き放すようにも聞こえた「どうぞ」に一瞬戸惑った。しかし、このままではかえってまずいとも思う。
大きく息を吸うと、意を決して向き直って言った。
「えっと、も、もうちょっと近く、座ってもらって良いですか?」
「…はい?」
直後の沈黙。先輩が怪訝そうに深く眉を寄せたのがすぐにわかった。
言葉にこそ出さないが、コイツ何言っているんだ、と目が言っている。
予想通りとは言え、そんな彼女の様子にはさすがに慌てざるをえなかった。
僕は顔を真っ赤にしながら、とっさに違うんですすいませんなどと付け足した。
いや、一体何が違うのか。正直自分でもよくわからないのだが、とにかく謝る以外どうしようもなかった。
「変なお願いしてごめんなさい!ただ、その…さっきから声、よく聞こえてなくて…」
「……」
またも沈黙。先輩の様子を恐る恐る窺おうとする。が、その直後。
「…、聞こえなかったのはどちら?」
「え?あ、えっと…」
先輩の質問に、僕はバタバタと手元の資料をめくった。
「は、8ページ、の、部隊進行計画、のあたりです…すいません…」
申し訳なさのあまり先輩の顔を見ることもできず、俯いてぼそぼそと情けなく答えると、
はぁと深いため息の音がした。

そして――

「!」
「これでよろしくて?」
細かな振動と軋むような音に顔を上げると、ベットの端、足の辺りに腰かける先輩の姿があった。
手を伸ばせば届く距離、って表現がまさに正しいかも…などと、よくわからないことすら考えてしまう。
すぐ目の前の、端正な横顔、長いまつげ、ふわりと揺れたその髪にまごつかずにはいられなかった。
「あ、あの…」
「資料は用意出来ましたの?樹は忙しいんです、早くして下さらない?」
「!す、すいません…っ」
先輩が顔をこちらに向けることもなくぴしゃりと言い放つ。
何事も無かったように凛と佇む先輩の姿に、慌てている自分がひどく恥ずかしくなった。
すぐに資料に目を落とすと、またその澄んだ声が聞こえるのを静かに待った・・・


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御粗末さまでした…!(><〃)
樹先輩って、歌上手かったです、よね?(キャラシ参照)
てことは、とっても綺麗な声だと思うのですよね…

尤と樹先輩はいつくっつくんだ、というありがたいお言葉を頂戴しまして…w
今回は尤視点。彼は恋心も下心もなく純粋に、聞こえなかったのでお願いをしました←

せ、先輩!こんなでよろしいでしょうk(ダメだろ)