世の中は壮大な繰り返しかもしれない。
人は、自分と違うもの異質なものを受け入れ難く感じると同時に、自分に酷似しているものにも心を穏やかならざる感じを覚える。
それは、かつての自分かもしれない。自らが捨て去った、変えてきた自分かもしれない。それが不意に目の前に現れると、心は波立ち、気は乱れる。
あるいはまた、かつて経験したことが、今度は立場を逆転させて生起する。かつて対面していた相手の気持ち、当時は思い至らなかった気持ちを、今まさに感じる。
天の配剤。神の采配。
私の周りに展開される様々な場面や状況の中に、その背後に感じることがある。
文盲のムハンマドは、ある日、「読め‼︎」と啓示を受ける。
読むことの不可能性の只中に身を置く。
私はある程度の文字については、読むことも書くこともできる(と思っている)。
でも本当の「読み」を未だに知らないのかもしれない。
ただ一つ、心の波立ちは確かに感じることが出来る。穏やかでない自分を知っている。そこに込められた意味を考えてみる。その繰り返し。そんな気がする。