話題の男ナバレッテは井上尚弥の将来のライバル!?

 

数ヶ月前から、Twitterや世界中のオンラインメディアで盛り上がっている話題がある。


『エマヌエル・ナバレッテは日本のモンスター井上尚弥に勝てるのか?』


ボクシングの聖書と言われる老舗マガジン『ザ・リング』の編集長であるダグラス・フィッシャーや、米大手スポーツチャンネルESPNのボクシングライターであるスティーブ・キムなど、筆者が尊敬してやまない賢明なボクシング識者たちも、ファン垂涎間違いなし勝敗予想困難なカードであると認めている。


筆者にとっても現時点で考えられる最高のカードのうちの一つだが、日本のボクシングファンの間ではまだ知名度が高いとは言えないナバレッテ、果たしてどんな選手なのだろうか。





井上尚弥よりも高いKO率
メキシコ出身の若きチャンピオン


井上が現在戦っている“バンタム級”よりも1つ上の階級である“スーパーバンタム級”で戦うメキシコ出身のナバレッテは、現WBO世界スーパーバンタム王者。1995年1月生まれの24歳で‘93年生まれの井上よりも2つ年下だ。

戦績は30戦29勝25KO1敗

井上よりも高いKO率を誇るハードパンチャーであるが、無敗の井上(19戦全勝16KO)と比べプロキャリアで一度の敗戦を喫していることが分かる。

 

しかしこの敗戦はプロデビュー間もない6戦目、彼がまだ4回戦(プロに成り立てのビギナークラスが戦う4ラウンドマッチ。世界戦は12ラウンドマッチ)で戦っていた“17歳”の頃に喫したものだ。その後の戦績が24戦全勝20KOであることを考えれば取るに足らないものである。


世界王者クラスのプロ戦績を見る時、特に注目して見たいのが『世界戦のみの戦績』だ。


プロキャリアが浅い若手時代に喫した敗戦は、その後の成長などを考慮するとあまり着目すべき項目とは言えない。あのマニー・パッキャオやノニト・ドネアも若手時代に敗戦を喫していることからも分かるだろう。

しかし、 “世界タイトルマッチでの戦績”は高確率で対戦相手のレベルが保証される上、必ず12ラウンドマッチでの試合となる(と言うのも、そもそも4回戦と12回戦では戦い方がまったく異なる)。

そのため世界王者同士(あるいは王者レベルの選手)の実力を比べる時、世界戦のみの戦績に焦点を当てると評価査定をしやすくなることが多い。


6戦目で世界タイトルを取得し、それ以降は世界戦で戦い続けている井上尚弥の場合、全プロ戦績が19戦全勝16KOなのに対し、世界戦の戦績は14戦全勝12KOとなる。

ナバレッテの場合、全プロ戦績が30戦29勝25KO1敗なのに対し、4戦全勝3KOとまだ世界戦のキャリアは浅い。


ここから分かるように、プロでの試合数では劣る井上が世界戦の経験では圧倒的に優っている。ではなぜ、ナバレッテが井上のライバル論争に加わってくるほどに評価を高めているのだろうか。


次回の記事ではナバレッテのキャリアに迫り、彼が評価を高めた試合を紹介したいと思う。