2020年にロマチェンコを倒す選手は現れるのか

大注目のライト級戦線

 

さて、前回に引き続き激戦区“ライト級”に焦点を当て、注目選手を紹介していこうと思う。


ティオフィモ·ロペス
14戦全勝11KO


12月14日、前回の記事で紹介したIBF世界王者リチャード·コミーを相手に世界初挑戦を控える22歳の超トッププロスペクト、ホンジュラス系アメリカ人のティオフィモ・ロペス。筆者のイチオシボクサーでもある。

 


今年の7月に行われた日本人ボクサー中谷正義との試合は記憶に新しい。試合前にはロペスの楽勝ムードが漂っていた中、あの試合での中谷は素晴らしかった。公式採点はかなり差が開いていたが、アメリカでの試合ということで地元判定があったことは否めない。実際の試合を見てみれば接戦であったことは明白である。

世界的には無名な中谷相手(ちなみに中谷はロペス戦前まで18戦全勝を誇り、東洋太平洋のタイトルを11度も防衛していたアジア圏最強の選手である)に苦戦を強いられたことで、勝利はしたもののアメリカ国内での評価を落としたロペス。次戦のコミー戦も危ういと言った声が多い。

しかし中谷戦以前は、ディエゴ·マクダレノ戦で見せたド派手なKO勝利や、試合後の無礼とも言えるパフォーマンスによって確かな評価と話題性を手にしていた。

個人的にファンということもあり少し贔屓目になってしまうが、筆者としてはロペスの評価は全くもって下がっていない。

そもそも中谷がいかに強いかを理解していない日本国外ファンの意見は特に気にしておらず、どちらかと言えば、身長差に苦しみ自分のしたい展開に持ち込めずとも、あの中谷を相手にしっかりと勝ちきったロペスの底力を改めて評価した次第である。

次戦のコミー戦は現地観戦する予定なので、中谷戦後ロペスがどれほど成長しているのかに注目して試合を楽しもうと思う。この試合の勝者が次戦にてロマチェンコを相手に、全タイトルをかけた統一戦を行うとのことなので、ロペスファンとしては応援あるのみである。



ライアン·ガルシア
19戦全勝16KO


続いてはボクシング界きってのイケメンボクサー、ライアン・ガルシアを紹介したい。

 


とてつもないハンドスピードとパワーで快進撃を続けるガルシア。

 

21歳の若さながら既に世界的な評価はかなり高く、整った顔立ちのメキシコ系アメリカ人という共通点から6階級制覇のレジェンド、オスカー・デ・ラ・ホーヤと比較されることも多い。直近の試合であるロメロ・デュノ戦で見せた圧巻の1ラウンドKO劇には筆者もかなり驚かされた。

しかし一方で、一発一発かなり力を入れてパンチを打つため、打ち終わりに重心が一点に残りすぎる癖がある上に、状態は常にアップライト気味でパンチを打つ際のガードもかなり甘い。筆者としては、ガルシアと同程度のスピードを持った優秀なカウンターパンチャーであれば崩すチャンスがあるのではと思っている。

とはいえ、まだまだこれから伸び代のある若手ホープ。2020年には世界タイトルへの挑戦も囁かれるが、今後の成長を考えると末恐ろしい選手である。同世代のヘイニーやロペスと共に今後のボクシング界を盛り上げてくれること間違いなしの注目選手だ。



ガーボンタ·デイビス
22戦全勝21KO


最後に紹介させて頂くのは、元WBA, IBFスーパーフェザー級世界王者のガーボンタ・デイビス。

 


ライト級の選手として紹介するのは時期尚早な気もするのだが、一つ下のスーパーフェザー級にて無類の強さを誇り、あのロマチェンコが判定までもつれ込んだホセ・ペドラザを相手に、ほぼ何もさせず7回TKOで圧勝している。

以前から減量苦を口にしており、今年の7月に行われた試合を最後にライト級への転向を表明。12月28日には、オリンピック金メダリストでもあり、暫定王者も含めれば世界三階級を制覇しているキューバの天才ボクサー、ユリオルキス・ガンボアを相手に、ライト級での初試合が決定している。

フロイド・メイウェザーが代表を務めるメイウェザー・プロモーションと契約しており、あのメイウェザーから「次代のボクシング界を背負って立つ男となる」と期待を受けるデイビス。アメリカ国内にはすでに熱烈なファン層を抱えており「この男なら間違いなくロマチェンコを打ち負かす」と言った声も多く聞こえてくる。

一方で、慎重に慎重を重ねるメイウェザーの政治方針と、メイウェザー・プロモーションの稼ぎ頭として負けて名前に傷をつけることを許されない立場によって、ロマチェンコのような強豪選手との試合は実現困難との意見も多い。

ガンボアとの試合結果次第ではあるが、デイビスがライト級戦線にていかに上記の選手たちと絡んでいくのかは2020年の大きな見どころのひとつになるだろう。



と、まあ長くなってしまったが、2回に渡りライト級注目の6選手を紹介してみた。

 

井上尚弥で盛り上がる日本のボクシング界だが、これを機に、是非世界の強豪たちにも注目してもらい、よりボクシングを楽しんで頂ければ幸いである。