高橋ナオトVSマーク堀越について | らんぶるライフ

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元ボクサー&トレーナーの日常&ボクシングについて書いてます。

 

 1月22日に伝説の試合から32年という事でUPしようと思ってたんですがかなり遅くなっちゃいました…

 今からから32年前、伝説の試合が行われました。

 日本ジュニア・フェザー級(現スーパーバンタム級)タイトルマッチ、王者マーク堀越VS高橋ナオト戦!

 ボクシングの試合で色々伝説の名試合って言われてる様な試合がありますが日本、海外、白黒の時代から現在のデジタルの時代を含めてこの試合程凄い試合はまずないと言える様な試合です。

 ボクシングファンには有名な話ですがあの長期連載ボクシング漫画「はじめの一歩」連載もこの試合があったからなのです。

 そのエピソードでも。

 漫画家、森川ジョージ先生は実力がある漫画家ながら描いた漫画が打ち切りなどで低迷していたらしい。

 森川先生はちばてつやを崇拝しあしたのジョーをバイブルとあがめているような漫画家だったらしいんですが自身もボクシングマニアなのに”聖域”であるボクシングを題材にした漫画にはそれまで手を出していなかった。

 漫画家を続けるか否か?その決断を迫られる時期に来たことを感じ、それならばと大好きなボクシングを題材にした漫画を描くことを決心、編集者に相談するのだった。

 構想として主人公が倒し倒され、逆転劇を魅せるストーリーを担当者に話してみると…

 現実主義者❓の編集者は

 「そんなのリアリティがないから駄目だよ」

 と却下…

 そこで、森川先生がマーク堀越VS高橋ナオト戦のビデオを見せて担当も感動させて連載の企画にGOサインが出るのだった!

 という感じらしいです、自分が森川先生のインタビューとか読んだりしての話なんで細かい所はわかりませんが大体こんな話だったと思います。

 昔、辰吉が自分の試合の事を”作品”と呼んでいた時期があったんですよね。(正直、その言い回しは当時はあまり好きではなかったんですが)

 その言い方をつかわせてもらうならこの作品は史上最高の”作品”名作中の名作というわけです。

 ボクシングの歴史が始まって映像記録が残ってる試合の中でもこんなにエキサイティングな試合はなかなかないと思う。

 試合のサイドストーリーとしても最強の王者VSかつての天才少年というドラマチックな要素。

 筋骨隆々の黒人ボクサーマークと細面の美少年、ナオトさんという対比も良いです。

 マークは米軍兵士、青森という地方のジムながら防衛戦をすべてKOで下しこの試合に勝てば世界か?という言われていた日本王者にして世界ランカー。

 構図としてはやっぱりマークが悪役的な位置になっちゃうんですがマークはマークでよく観ると優しそうな少し悲し気な目をした人なんですけど。

 で、ナオトさんは高校生の頃デビューして新人王を獲得、ボクシング冬の時代に現れたボクシングファンが待ち望んだベビーフェイスニューヒーローだったんですが日本タイトル獲得後、二度の挫折をえて階級をあげ復活の兆しを見せボクシングファンの期待を背に受けての挑戦!

 この試合は日本タイトルにも関わらず日曜日のお昼に生放送されたんですよ。

 自分は当時、まだ高校生でボクシングマニアってほどではなかったんですがテレビで観た、ハグラーVSハーンズ戦に影響されてリアルボクシングに興味を持ち始め、書店でボクシングマガジンを立ち読みするような高校生になってました。

 ただ、まだまだ世界タイトルマッチにしか興味もなく日本王者の名前も誰一人知りませんでした。

 当時、自分は全寮制の高校に行ってたんですが友人で一人だけ同好の士がいたんですよ。

 彼は毎月ワールドボクシングを買ってたんで彼の部屋に行ってワールドボクシングを読んでいると…

 このマークVSナオト戦の展望記事が載ってた。

 それまで日本タイトルとか意識したことなかったんですがめちゃくちゃ面白そうで観たかったんやよなぁ~

 自分の高校は山梨県にあったんですがこの試合が山梨で放送されたかどうか知らないんですが例え放送されてたとしても自分らの寮にはテレビなんてなくどうせ見れませんでしたが…

 次の月のワールドを読むまで内容も知らず、記事を読んで更に観たくなりました。

 でも、当時は周りにボクシング好きな友人は一人、ビデオなんて入手の仕方も思いつかないんでずっと見れませんでした。

 で、高校を卒業後、大阪に戻りグリーンツダに入門、ボクシングを始めるわけなんですがやっぱりボクシングジムにはボクシングが好きな人がたくさん!

 先輩がこの試合のビデオを持ってるという事で借りて何年越しかでやっと映像を観れたのでした。

 この試合、結果知ってて観たのに本当に泣けました。

 物凄く興奮しました、実をいう観る度に興奮して疲れるんでハグラーVSハーンズ戦の様に頻繁には観ません、疲れるから(笑)

 この試合の事は色々な人が語ってるだろうし記事にもなってると思いますがここで自分が仕入れたエピソードを一つ。(ボクシングコミュニティのコメント欄で書いたことあるんですが)

 自分のツダジムの先輩、長嶺さんに聞いた話です。

 韓国からの輸入選手で日本王者になったグレート金山さん、沖縄から出てきたばかりの長嶺さんは韓国から来て間もない金山さんと凄く仲良くなったらしいんですが、長嶺さんがこの試合のビデオを金山さんに見せたらしいんですよ。

 金山さんはまだ日本語もよくわからないんで解説とかも何言ってるかとか理解してなかったみたいですがこの試合を見て大興奮!

 「この試合、世界タイトルマッチでしょ!」

  と長嶺さんに聞いたらしいですが日本タイトルと聞いて本当にびっくりしていたようです。

 金山さんは日本に来る前に韓国のジム所属で二度も世界タイトルマッチを戦ってる様な選手なんですよ。

 その一流ボクサーも世界レベルとみなす物凄い日本タイトルマッチがこの試合なんです。

 この試合はマニアが観ても一流選手が観てもボクシング専門家が観てもそしてボクシング始めてみる様な人が見ても楽しめる試合なんですよね。

 ただ、完璧ともいえるこの試合には唯一の欠点があるのです…

 ラストの試合を決めるダウンシーンが映ってないんですよ(涙)

 だから、試合会場で観ていたという人の話を聞くと羨ましいくて羨ましくてしょうがないんですよ。

 自分、辰吉VSシリモンコン戦、会場で観てたこと結構な自慢なんですけど、この試合を生で観てた人の方が凄いし自慢になるでしょうね。

 ボクシング界の周辺をちょろちょろして生きてきたんでこの試合を生で見ていたという人にちょこちょこ出会うんですが本当に羨ましい。

 まぁ、テレビ放送の画面切り替えの担当者は切腹ものの大失敗をしたことを心に銘じて生きていて欲しいものですが(苦笑)