先日も書いたが春分の後の満月の次の日曜日は、ゴルゴタの丘で処刑されたイエス(キリストは救世主の意味で名前ではありません)が蘇ったとされる復活祭(Easter)。
そしてその前の一週間がイエスがエルサレムに入り、腐敗した宮中を正し処刑され墓に葬られたホーリーウィーク(聖週間・受難週)である。
日曜日にイエスはエルサレムに入城しますが、この日は「パームサンデー」(枝の主日、しゅろの主日)といわれます。
- これはイエスがロバに乗って入城したとき、群衆が手に手になつめやしの枝を持ってイエスを歓迎した聖書の記述にちなんでいるとされますが、民衆がヤシの葉を道に敷いてイエスを迎えたからパームサンデーという記述もあり、どちらが正しいかは存じません。
- ちなみにフィリピンではパラスパスデーといいますが、「Palaspas」はタガログ語の椰子の意味で、皆が手に持っているのがパラスパスです。
子供たちも頑張って作っています。
イエスがエルサレムに入ったのは紀元30年4月とされますが、イエスが生まれる前からユダヤはローマの統治下にあり混乱し、紀元6年ローマの属州となりましたが、このエルサレムの出来事が後の世界情勢に大きく影響することとなります。
■紀元の小ネタ
- 蛇足ですが西暦の紀元は紀元前をBC(Before Christ)というようにイエス・キリストに由来します。
- 日本(皇紀)はというと、紀元前は神武天皇即位(古事記、日本書記から西暦紀元前660年を紀元元年とする)以前を言います。
- 戦記マンガで育った私の世代が大好きなゼロ戦の名前の由来は、当時の日本の軍用機の名称には採用年次の「皇紀」の下2桁を冠する規定があり、零戦が制式採用された1940年(昭和15年)は神武天皇即位紀元(略称・皇紀)2600年にあたるので、その下2桁の「00」から「零式」とされ、「零戦」と略されました。
■ユダヤ教とキリスト教
この時代はまだキリスト教は生まれておらず、イエスはユダヤ教のラビ(宗教的指導者)でした。
ユダヤ教では神によってユダヤ人のみが救われるとされますが、イエスは神を信じる者は誰でも救われるとしました。
そしてイエスの死後、弟子たちにより生まれたのがキリスト教です。
日曜日にエルサレムに入ったイエスは月曜日から腐敗した宮中を正し、木曜日に最後の晩餐をします。
- 月曜日「宮清めの日」:堕落し、商人たちが金儲けをしているエルサレムの神殿から商人たちを追い出した。
- 火曜日「論争の日」:宮中で悪意に満ちた司祭や律法語学者たちと論争し、彼らを負かした。
- 水曜日「香油の日」:マグダラ(またはベニタヤ)のマリアがイエスに香油を注ぐ。
- 木曜日「聖木曜日、洗足木曜日」:イエス・キリストと使途たちの最後の晩餐が行われた。
■聖なる三日間
木曜の日没の主の晩餐の夕べのミサから日曜の日没までは聖なる三日間とされます。
※4暦日のように見えますが、教会歴では一日の終わりと始まりは日没なので3暦日です。
- 金曜日「聖金曜日、主の受難(Good Friday)」:イエスがゴルゴの丘で十字架に架けらる。 ※GoodはGod'sを意味する古語のGodesが変じたもの。
- 土曜日「Black Saturday(聖土曜日)」:キリストが墓に葬られた後の大安息日であり、キリストの受難と死をしのぶ日。
- 日曜日「Easter Sunday(復活の主日)」:十字架に架けられたイエスが蘇った日。
復活際(イースター)が行われる。
Easterは春の女神「エオストレ(Eostre)」の名前に由来する。
なおキリスト教国フィリピンでは木・金・土は祝日で4連休となりますので、早めに用をすまし必要なものを買い込んでおいた方が良いかと思います。
満月の次の日曜日がイースターですから、当然ホーリーウィークは満月の週ですが、満月は明後日、25日です。
農業や狩猟で暮らし、月の満ち欠けとともに生活していたネイティブアメリカンは、満月に名前をつけていたそうですが、明後日はWorm Moonとなります。
Worm Moon という名前は土が温まり凍っていた地面が溶けると出てくるミミズにちなんでつけられたものですが、Wormは鳥や他の動物に食料を提供し、冬が終わり自然界の再生が始まることを告げます。
要するに春を付ける満月といえそうです。
1月:ウルフムーンWolf Moon(狼月)
2月:スノームーンSnow Moon(雪月)
3月:ワームムーンWorm Moon(芋虫月)
4月:ピンクムーンPink Moon(桃色月)
5月:フラワームーンFlower Moon(花月)
6月:ストロベリームーンStrawberry Moon(苺月)
7月:バックムーンBuck Moon(雄鹿月)
8月:スタジェンムーンSturgeon Moon(チョウザメ月)
9月:ハーベストムーンHarvest Moon(収穫月)
10月:ハンターズムーンHunter’s Moon(狩猟月)
11月:ビーバームーンBeaver Moon(ビーバー月)
12月:コールドムーンCold Moon(寒月)
色々と悪いことが続き戦禍に苦しむ人たち、被災に苦しんでいる人たちがたくさんいますが、暖かい春、再生を告げる満月となって欲しいと祈ります。