日本ではあまり聞きませんがアメリカではポピュラーな気象用語、ボンボジェネシス。
ボンボジェネシスとはどのようなものか?
まずは昨日のCNNニュースをお読みください。
このようなニュースを語る時に「爆弾低気圧で・・・・・」と言うよりも「ボンボジェネシスで・・・・・」と語った方がなんとなくハナタカかも知れません。
米北東部では今週、一帯の気圧が急速に低下する「ボンボジェネシス」と呼ばれる現象が大きな被害をもたらしそうだ。ハリケーン並みの強風や豪雪を伴う可能性もある。
ボンボジェネシスはいわゆる「爆弾低気圧」の発生につながる見通し。爆弾低気圧は4日に一帯を襲う見込みで、ニューイングランドでは約15~30センチの降雪や、約18~27メートルの強風をもたらす可能性がある。
北東部の一部は今週末、火星よりも寒くなるとみられる。
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そして今日はご覧のとおり。
米東部は4日、急速に発達した低気圧の影響で記録的な暴風雪に見舞われた。空の便は軒並み欠航となり、道路上で車が動けなくなるなど、一帯がまひ状態に陥っている。
ボストン港の高潮は、1978年に記録した過去最高に並ぶ4.6メートルを観測。ボストンの国立測候所は住民に対し、海岸に近付かないよう呼びかけている。
気象専門家によると、沿岸部では35メートルを超すハリケーン並みの暴風雪が予想される。
メーン州からバージニア州までの一帯には暴風雪警報が出された。ニューヨーク、ボストン、フィラデルフィアなど主要都市の学校は休校となり、食品店の棚は空になっている。
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それではボンボジェネシスとはどのようなものか?
アメリカ海洋大気庁(NOAA: National Oceanic and Atmospheric Administration )の説明を見てみます。
Bombogenesis is a popular term that describes a midlatitude cyclone that rapidly intensifies.Fourteen of 20 hurricane-force wind events underwent bombogenesis in the North Atlantic during the first two months of 2014. This unusual activity can be seen in wind speed data from the period. In this image, blues indicate areas with wind speeds that are faster than the 30-year historical average (1981-2010).Bombogenesis, a popular term used by meteorologists, occurs when a midlatitude cyclone rapidly intensifies, dropping at least 24 millibars over 24 hours. A millibar measures atmospheric pressure. This can happen when a cold air mass collides with a warm air mass, such as air over warm ocean waters. The formation of this rapidly strengthening weather system is a process called bombogenesis, which creates what is known as a bomb cyclone.
これを見るとボンボジェネシスは急激に激化する中緯度のサイクロンを説明する俗語のようで、寒気団が海洋上の温かい空気とぶつかって発生し、24時間に24ミリバール以上気圧が低下します。
このプロセスをボンベジェネシスといい、 bomb cyclone(爆弾サイクロン?、爆弾低気圧?)を作ります。
この図がイメージ的には分かりやすいと思います。
サイクロンには低気圧や暴風全体をさす意味もありますので、日本の爆弾低気圧にも使えそうな気もします。気象図を見て「ボンボジェネシスが発生しそうだな」なんて知ったかぶりをするのもいいかも知れません。
という事でもう少し詳しくYoutubeでご覧ください。
追記
昨年11月にNOAAはこの冬ラニーニャ傾向であると予測しました。(La Nina moves in for the winterご参照)
この予測によると冷たいPolar Jet Streamは米東部で南下し、その北側では平年よりも低温で湿度が高い傾向のようです。
また海水温を見るとメキシコ湾流は平年寄りも高めのようですので、ボンボジェネシスが発生しやすい条件ではないでしょうか。