認知症の人が怒りっぽいのは、感情の抑制ができなくなるからです。

その背景には、将来の予測ができない、つまり、適切な判断ができなくなり、状況への適応ができなくなるといった「認知機能障害」があるからです。

殆どの初期の認知症の人は、家族からの指摘などで、今までできていたことができなくなったこと、会話をしている相手の言っていることが理解できなくなったことを薄々感じています。

ただそういう時、多くの人は、自分の失敗やできなくなったことを認めるのではなく、自分の失敗やできないことを隠そうとします。そして、自分の威厳を守ろうとします。

そのために使われる手段が、誰かのせいにすることです。「誰かが、私の財布を持って行った」とか、「私は触ってもいないのに、テレビがつかなくなっている」・・・。

また、相手の言っていることが理解できない時は、分かったふりをしてごまかします。

この時に自分の非を指摘されると、指摘した人に攻撃が向き、怒りを露わにします。自分の立場が悪くなるので怒り出すのです。なぜなら、自分の威厳を守る最大限の抵抗なのですから。

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また、認知機能が低下してくると自信を喪失したり、不安や恐怖から被害感が頭の中に浮かんでくることもあります。それが、「そうだろうか？」から「そうに決まっている」という確信になり妄想に発展していきます。

こうなると、家族にとっては為す術がない気持ちになってしまいます。妄想を真実だと思い込み先制攻撃をかけられても、

家族は認知症の人の誤った考えを決して否定して訂正しようとしてはいけません。

それをすればするほど本人はますます興奮し、怒りを助長してしまいます。

怒りの対応は、怒りの理由によってケースバイケースでしょうが、大切なことは、認知症の人の今の不安や恐怖、他人への怒りや失望などの感情に共感することです。共感することができれば、あなたは怒りの対象ではなくなります。

家族としては、こんなにいろいろとお世話をしているのにと腹立たしくなりますが、怒りが収まる方向に努力してみましょう。

キャリア＆心の相談室　CORE　

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　💕　平均寿命が延びる中で認知症患者が増えています。厚生

　　　　労働省の発表によると、2025年には65歳以上の5人に1人に

　　　達するとの推計もあります。認知症の症状は人それぞれ異なるため、

　　　介護をする人とのコミュニケーションが上手くいかなくなり、お互

　　　いにストレスを抱えてしまうことが多くみられます。
　　　「認知症の人の発言や行動は、その言動をする理由を知れば、介護

　　　はラクになる」（大阪大学名誉教授・佐藤眞一先生の言葉）　　　💕

認知症の人が怒りっぽいのは・・・