オートマチックトランスミッションを労る | パーソナルトレーナーMr.Sのひとりゴト

オートマチックトランスミッションを労る

質問

トルコン式のオートマチックトランスミッションの各ギアのクラッチ盤の摩耗を最小限にして長持ちさするには急加速は避け、クリープ現象から動力が伝わるまではゆっくりアクセルを開けて繋がったら加速するようにすることが正解ですか。一般的にどのくらいの距離で交換になりますか?


トルコン式オートマチックトランスミッション(AT)を長持ちさせる運転方法について、ご認識の通り「急加速を避けること」は非常に効果的ですが、発進時の操作については少しの誤解と、現代のATならではの注意点があります。
また、AT内部のクラッチ盤の寿命(交換距離)は一般的に10万km〜15万km以上とされています。
詳細な理由と、さらにATを長持ちさせるポイントを解説します。


発進時の操作:正解と少しの誤解
「クリープ現象で動き出し、動力が伝わるのを待ってからアクセルを開ける」という意識は、駆動系への衝撃(ショック)を減らすという意味で半分は正解です。しかし、トルコン式ATの仕組み上、以下の点を理解しておく必要があります。

発進時はトルコンが滑るのが正常
  • トルコン式ATは、発進時に「トルクコンバーター(流体クラッチ)」というオイルの渦を利用して動力を伝えています。そのため、発進の瞬間に削れるような摩擦クラッチ(変速用クラッチ盤)は滑っていません。
  • ジワジワ開けすぎると逆に摩耗を増やすケースも
    現代のATは燃費向上のため、発進後すぐに「ロックアップクラッチ」という直結クラッチを繋いだり、わずかに滑らせながら繋ぐ「スリップロックアップ制御」を行います。
    あまりにも長時間をかけてジワジワと加速し続けると、この直結クラッチ(ロックアップ)が「半クラッチ」の状態に長く留まることになり、かえって摩耗を増やす原因になることがあります。

 💡 おすすめの正しい発進方法 

 ブレーキを離し、クリープ現象で車が完全に動き出すのを確認する(約1〜2秒)。 

 車が動き出したら、躊躇せずにスムーズかつ一定の踏み込み量でアクセルを開け、速やかに巡航速度まで加速させる。