「Blues Driver」っていう名前が先に決まっていて開発が開始したそうで(第一開発部 山田康之氏 The BOSS Book参照)、

前年度1994年発売済みの「BOSS TM-7 Guitar Monitor」の G.Amp Simulator 部分の回路を参考に開発されたそうです。

(実際にBD-2とTM-7の回路図を見比べてみると確かに似ています。)

(The OverDrive Bookの開発者インタビューより。)

「BD-2はオーバードライブでもディストーションでもないという所が大前提。」(第一開発部長 高橋政雄氏)

「開発の時、ツイードのフェンダー・アンプを社内に持ち込んで研究しました。

音色というよりは、歪み方を研究したんです。」(第二開発部 酒井義文氏)

との事。

 

 

Op-Ampは

初期型は2005年ぐらいまで[三菱 M5218AL]
後期型は2006年ぐらいから[JRC NJM4558LD]
現行型は2017年4月から表面実装基板になって[JRC 4580]
 
 
MITSUBISHI M5218ALは90年代のBOSSエフェクター御用達のオペアンプでしたが、
三菱がIC製造から撤退してしまった為に生産終了に。
M5218ALを使っていたBOSS歪みエフェクターは
HM-2:初期型はM5218L 後期型がM5218AL
HM-3:M5218AL
SD-2:M5218AL 
PW-2:M5218AL
XT-2:M5218AL
OS-2:前期型がM5218ALとJRC 1458D 後期型はNJM14558LとNEC C1458C
MT-2:初期型がM5218ALが4個 中期型がM5218ALが3個とNJM4558LDが1個 後期型はNJM14558Lが3個とNJM4558LDが1個
MD-2:前期型がM5218AL 後期型はNJM4558LD
OD-3:前期型がM5218AL 後期型はNJM4558LD
2006年ぐらいから段階的にJRC NJM4558LDに置き換わって行きます。
 
BOSS BD-2 Blues Driver Op-Amp and Serial Number
 
 
2個のタンタルコンデンサー(C22とC24)が両方とも青いのが初期型BD-2の特徴。
(1998年の3月のBD-2は両方とも青いタンタルコンデンサなのを確認しています。)
中期型(おそらく1998年の4月か5月から)は青(C22)と黄色(C24)のタンタルになって、
後期型は2個とも黄色のタンタルになります。
 
2005年1月製のBD-2はM5218ALで2008年11月製のBD-2はJRC NJM4558LDでしたので、
2005年から2007年頃にかけて、三菱のオペアンプが枯渇して行ったのではないかと予想しております。
 
余談ですが、2000年中頃のBD-2は黄色の文字が薄いです。
これは塗料に含まれる鉛やクロム等の発色成分の規制のせいだそう。
2003年制定2006年施行のRoHS指令ってやつです。
例えば、MT-2のオレンジ文字は赤っぽくなりガンメタル塗料は廃止となりました。
現行BD-2の黄色文字は鉛成分が無くても濃い黄色が出せる新塗料になっているみたいです。
 
2017年4月に表面実装基板(SMD SMT)になってからはバッファ部分が「技バッファ」になり、BD-2(B)という品番に生まれ変わります
(箱と保証書にBD-2(B)って書いてある。)
2020年9月ごろ、マレーシア製になってBD-2(C)になりました。
 

シリアルナンバーは台湾製のアルファベット2桁+数字5桁のシリアルナンバーの時期から販売開始です。

最初のアルファベットは百の位以上のロット数を表します。

Z→0

A→100

B→200

C→300

D→400

E→500

F→600

G→700

H→800

I→900

J→1000

K→1100

L→1200

のように続きます。

次のアルファベットと数字の組み合わせで製造年月を表します。

最後の4桁数字の最初の2桁はロット数の十の位と一の位、

最後の2桁はそのロットでの製造番号です。

 

例えばAH41234のシリアルナンバーがあったとしたら、最初のAは100ロット目を表し、次のH4は製造年月の1995年5月。中の2桁は12ロットで最初のAと合わせて112ロット、最後の2桁の数字でそのロットでの34個目。

#AH41234は1995年5月生産。通算112ロットの34個目の生産っていう意味になります。

 

そして、例えばZH45678のシリアルナンバーがあったとしたら、最初のZは百の位0ロット、次のH4は製造年月の1995年5月。中の2桁は56ロットで最初のZと合わせて考えると、56ロット目、最後の2桁の数字はそのロットでの78個目。

#ZH45678は1995年5月生産で、通算56ロットの78個目っていう事ですね。

 

最初Aより最初Zのシリアルナンバーの方が数字が大きくても古い個体って事です。

Zから生産始まってますし。

 

じゃあMT-2とかOD-3とかも発売開始時はZ始まりのシリアルナンバーなんですか?って言われると、

その通りです。

MT-2の発売開始のシリアルはZC~始まりで、

OD-3の発売開始のシリアルはZK~始まりです。

バックパネルが交換されていてもバレバレなんですが、例外はあります。

DS-1とかSD-1とか。シリアルの始まりにZの概念が無い時期の機種もあります。

あと、表面実装基板になった月からとか、マレーシア製になった月から等、モデルチェンジした時は、

Z~始まりのシリアルにリセットされます。

シリアルナンバーだけ分かれば基板タイプの判断が出来るわけです。

中古で、中身入れ換え(英語圏ではリハウスって言うそうです)とかされていなければ。

 

2010年の11月から現行のシリアルナンバーの付け方に変わります。

現行BOSSのシリアルナンバーの付け方は、アルファベット1桁+数字1桁+アルファベット1桁+数字4桁です。

 

A0A1234ですと、最初のアルファベットは百の位以上のロット数。次の数字とアルファベットで製造年月。(0Aですと2010年11月ですね。0Aの次の月は1Aと続きます。) 中の2桁は12ロットで最初のAと合わせて112ロット目。最後の数字2桁はそのロットでの生産個数です。

旧シリアルナンバーと読み方は基本的に変わりませんし、頭のアルファベット(百の位以上のロット数)は旧シリアルナンバーから引き継いで使用されています。

 

そして、マレーシア製になってから、未来にズレ込んでいるシリアルナンバーを持ったBOSSコンパクトエフェクターが散見されます。

これは製造工程やアフターサービス等において、シリアルナンバーの「アルファベットのO」と「数字の0」を混同しないようにとの措置なので、以下のように置き換えて考えて下さい。

 

?8N????(May,2022)→?8N????(May,2022)

?9N????(Jun,2022)→?9N????(Jun,2022) ここまで訂正なし

?0O????(Jul,2022)→?0P????(Jul,2022) ここからずっと訂正

?1O????(Aug,2022)→?1P????(Aug,2022)

?2O????(Sep,2022)→?2P????(Sep,2022)

?3O????(Oct,2022)→?3P????(Oct,2022)

?4O????(Nov,2022)→?4P????(Nov,2022)

?5O????(Dec,2022)→?5P????(Dec,2022)

?6O????(Jan,2023)→?6P????(Jan,2023)

?7O????(Feb,2023)→?7P????(Feb,2023)

?8O????(Mar,2023)→?8P????(Mar,2023)

?9O????(Apr,2023)→?9P????(Apr,2023)

?0P????(May,2023)→?0Q????(May,2023)

?1P????(Jun,2023)→?1Q????(Jun,2023)

 

要するに??O????が無くなって次の??P????が前倒しで使われているんですね。

その証拠に??O????のシリアルナンバーを持つBOSS/Roland製品が見つかりません。

10ヶ月分シリアルナンバーが前倒しになっております。

「BOSS Pedal Serial Decoder」はまだ未対応ですので、シリアルナンバーが未来に行ってしまったという事ですね。

BOSSやRolandはシリアルナンバーの読み方の詳細は社外秘ですので、あくまでもユーザー側の予想に過ぎませんが。

(くれぐれも、RolandやBOSSに問い合わせしないようにして下さい。)

 

私の説を裏付けるように、

シリアルナンバー「Z4P9588」に「11/2022」ステッカーが貼ってあります。

 

未来に製造された?謎のBOSSエフェクターが入荷しました / TC楽器 TCGAKKI 

(BD-2W)BOSSシリアルナンバーデコーダーだと2023年5月製造(#C0P0318)

本当は2022年7月製造

 

これとか。デジマート

2023年3月31日に出品登録

#E3P4919(デコーダーだと2023年8月製)中古BD-2(マレーシア製)

本当は2022年10月製造

 

これとか。デジマート

2023年5月22日に出品登録

#G4P6132(デコーダーだと2023年9月製)中古SD-1(マレーシア製)

本当は2022年11月製造

 

これとか。デジマート

2023年6月4日に出品登録

#A6P1868(デコーダーだと2023年11月製)中古SD-1W(日本製)

本当は2023年1月製造