少子高齢化や晩婚化の影響で、近年では離婚率の上昇や出生率の低下により、母子家庭の数は増加しています。母子家庭にとって、経済的な負担は大きな課題であり、就労は生活を支える重要な手段となります。
そこで、母子家庭の就労を支援するために、国や自治体では様々な制度が設けられています。その中でも、再就職を後押しする助成金制度について詳しくご紹介します。
1. 母子家庭向け再就職支援助成金の種類
母子家庭向け再就職支援助成金には、主に以下の3種類があります。
- 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
この助成金は、母子家庭の母等や、児童扶養手当を受給している父子家庭の父等の就職を促進するために設けられています。ハローワーク等の紹介により、特定求職者雇用開発助成金制度の対象となる事業主に継続して雇用された場合に、助成金が支給されます。
- トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
この助成金は、就職が困難な求職者をトライアル雇用で採用し、その後の定着を促進するために設けられています。ハローワーク等の紹介により、トライアル雇用求人に応募し、採用された場合に、一定期間の賃金の一部が助成されます。
- キャリアアップ助成金(正社員化コース)
この助成金は、トライアル雇用を経て正社員として雇用された求職者を支援するために設けられています。トライアル雇用期間終了後、正社員として雇用された場合に、助成金が支給されます。
2. 助成金の対象要件
助成金の対象となる要件は、制度によって異なりますが、共通する主な要件は以下の通りです。
- 母子家庭の母等または、児童扶養手当を受給している父子家庭の父であること
- ハローワーク等の紹介により就職すること
- 一定期間以上継続して雇用されること
- その他、各制度ごとに定められた要件を満たすこと
3. 助成金の支給額
助成金の支給額は、制度や雇用期間、賃金などによって異なりますが、一般的には以下の通りです。
- 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース): 月額最大20万円
- トライアル雇用助成金(一般トライアルコース): 月額最大5万円
- キャリアアップ助成金(正社員化コース): 月額最大10万円
4. 助成金の申請方法
助成金の申請方法は、制度によって異なりますが、基本的には以下の手順となります。
- ハローワーク等に相談し、求職活動を始める
- 対象となる求人に応募し、採用される
- ハローワーク等に助成金申請書を提出する
- 必要書類を提出する
- 助成金が支給される
5. 助成金の活用にあたっての注意点
助成金の活用にあたっては、以下の点に注意する必要があります。
- 対象要件を満たしていることを確認する
- 必要な書類を準備する
- 申請期限内に申請する
- 不正受給に注意する
6. 母子家庭の就労支援に関する情報
母子家庭の就労支援に関する情報は、以下の機関で提供されています。
- 厚生労働省
- 都道府県労働局
- ハローワーク
- 子育て支援センター
- NPO法人