静岡県島田市の大井川を渡る「蓬莱橋」
 
世界最長の木造歩道橋として、ギネス認定されています。
 
 
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ギネスに記録されているものの中には、ユニークであったり、笑えたりするものもあったりしますが、蓬莱橋は辺りの景観と橋の構造、そして実際に体で体験できて、ちょっとした運動にもなるということで、まともなギネス認定建造物だと思います。
 
 
 
ウィキペディアなどで検索してみますと、旧東海道のうち、大井川は難所中の難所でした。川を越える手段は「川越し」という専門の人夫が、通行人を乗せたみこしを担いだり、肩車をしていたそうで、大名とて例外ではありませんでした。橋を架ける技術は昔からあったはずですが、今と違って昔の大井川は水深が深く、橋を架けたとしても、増水するとあっという間に崩壊してしまうため、川越しという方法がとられていたそうです。
 
 
 
そんな方法なので、川が増水すると当然通行止めとなります。足止めを食らった通行人は、付近の宿に滞留することとなり、大井川界隈は宿場町として栄えましたが、仕事で行き来する大名ら役人はのんびりできる訳がなく、足止めを回避するため、江戸への往復は遠回りでも「中仙道」を使っていたと言われています。
 
 
 
私は街道歩きが好きになり、定期的に旧東海道も歩くようにしているのですが、そんな中で大井川は聖地と呼べる場所の一つでしょう。昨年、箱根を歩いて超えましたが、大井川の難所度を「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」と江戸時代に唄われていたと知りますと、「あの箱根に勝るくらいの難所だったのか!」と感慨深くなります。
 
 
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今回訪れた時の大井川は穏やかで、昔の面影は薄れていますが、全長897.4メートルの蓬莱橋を歩きますと、距離感は体感できます。のんびり歩くだけでも結構な時間がかかるのに、この距離を水に浸かりながら通行人を運ぶなんて、改めて「川越し」の大変さを思ったのでした。
 
 
 
ゴールデンウィークでもありますし、ギネス認定記録という場所なので人は多めでしたが、それぞれ思い思いに歩いている姿が印象的でした。川を渡るだけですが、とても癒しになります。
 
 
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今回、車の旅だった私ですが、ずっと車中だと案外疲れるものです。蓬莱橋では良い気分転換になったのでした。