Meanwhile, fiction writer Haruki Murakami ―― whose work has been translated into about forty languages ―― is adamant that he has not gained any release or relief through writing books:
'adamant'は形容詞だが、that節を取り、「(that以下を)断固として主張する」。


(通釈)一方、作家の村上春樹--彼の作品は約40カ国語に翻訳されている--は、本を書くことによって何の解放も救済も得てないと主張している。

I do not write and publish sketches like this to make myself feel better …
ここからは村上氏の文章。当然、日本語が元であるが(私はその本を読んだこともあるが)、ここではあえてそれにはとらわれず訳してみる。ちなみに、村上氏の文章は英語に翻訳しやすい(英語を翻訳したような日本語である)と言われるが、確かにそんな気がしなくもない。


(通釈)私は自分自身が楽になるためにこのようなスケッチを書いて出版しているのではない。


At least so far, I see no sign that writing has been at all liberating to my spirit …


(通釈)少なくとも今のところ、書くことが私の魂を自由にしてくれる徴候はまったく見えない。


People write because they can't help themselves.
'can't help oneself'は文字通り「自分を助けることができない」だが、「自分を抑えきれない」といった意味で使われるらしい。ちなみに'can't help ~ing'で「~せずにいられない」は有名な構文。


(通釈)人々はどうすることもできないから書くのである。


The act of writing is of no use in itself, and provides no attendant salvation.


(通釈)書く行為自体は何の役にも立たないし、付属の救済も与えてくれない。