This One は

Paul McCartney が89年に発表した

「Flowers In The Dirt」の収録曲で

同アルバムからの2ndシングルとなっている(全英18位)



ざっくり、意訳



きみのこと

両手で抱きしめ

ひとみをのぞきこんで

大切にしてるって

いままで

告白したことあったかな

いままで

自分の心をひらいて

きみと打ち解けたことあったかな


もし

してなかったなら

ずっと待ってたんだ

なかなか訪れなかったけど

これ以上のタイミングはなかったかも

いま、このとき

いまがそのとき


白鳥が

海のうえを滑るようにして飛翔していく

うしろには

神さまが見守っている

海は穏やかで

虹が鮮やか

そして白鳥は遠くへ消えてゆく


きみのほおに触れ

きみを愛してると

打ち明けたっけ

きみの微笑みに感謝しているんだ

きみの心の扉をノックして

入ろうとしたことあったかな


もし

してなかったなら

ずっと待ってたんだ

なかなか訪れなかったけど

これ以上のタイミングはなかったかも

いま、このとき

いまがそのとき


白鳥が

海のうえを滑るようにして飛翔していく

うしろには

神さまが見守っている

海は穏やかで

虹が鮮やか

そして白鳥は遠くへ消えてゆく


なかなか機会がなくって

いい機会ってのもわからないんだ

じっと待っていたら

マジックが起きてくれるのだろうか

きみに

もっと素敵な人生を贈ること

できるのかな


きみのこと

両手で抱きしめて

ひとみをのぞきこんで

大切にしてるって

いままで

告白したことあったかな

いままで

自分の心をひらいて

きみと打ち解けたことあったかな


もし

してなかったなら

ずっと待ってたんだ

なかなか訪れなかったけど

これ以上のタイミングはなかったかも

いま、このとき

いまがそのとき


白鳥が

海のうえを滑るようにして飛翔していく

うしろには

神さまが見守っている

海は穏やかで

虹が鮮やか

そして白鳥は遠くへ消えてゆく



PV

http://www.youtube.com/watch?v=9pb-8bdhogs



こちらがシングル・ジャケット







白鳥に乗っている

青白い顔のお方は

ヒンズー教の神さまのクリシュナ


そう

ジョージ・ハリスンが

マイ・スウィート・ロードなどで

たびたび

謳ってきた神さま


My Sweet Lord / George Harrison

http://www.youtube.com/watch?v=jfYIj1lJt8k

http://ameblo.jp/boomooo/entry-11295780732.html



なぜにして

ヒンドゥー教に

帰依しているわけでもない

ポールが

PVやらシングル・ジャケットで

クリシュナを取り上げるのか


そう

このディス・ワンは

ポール・マッカートニーが

ジョージに対しての

想いをつづった作品だから


たぶん

謝罪ソング(笑


前回の

ワウ・ワウにあるように

ジョージ・ハリスンのなかにある

自分へのわだかまりを知りつつも

それを放置してきたこと

関係を修復してこなかったことに対する

もろもろを清算したいという

気持ちを歌ったもの



ポール談


 基本的にはラブ・ソング


 This One は The Swan (白鳥) でもあるんだ


 インドで

 ハレ・クリシュナのポスターを何回か見た


 小さく青白いクリシュナが

 ピンクのユリの花をもって

 白鳥にのって

 澄んだ池のうえを渡っていくんだ


 ぼくは幸運だった

 ジョンの生前に関係を修復して

 友だちに戻ることができたからね


 でも

 ジョージとは

 きちんと話をしてこなかった

 このままで終わったら

 とても後悔することになると思うんだ


 だから

 この曲をつくったんだ


 いま伝えないと

 きみのことを愛してるんだと




ポールは

マルチ・プレイヤーなので

ほんとうにいろんな楽器を

プレイしているんですが

このディス・ワンでは

シタール(インド風ギター)も

演奏しています


これも

ポールなりの

ジョージへの歩み寄りなのかもしれません


前回の

ワウ・ワウで触れたように

ポールとジョージのあいだには

冷えた空気があったようです


実際

ジョージは

ポールとは友人だけど

音楽ではそうではない…的な

コメントも残しています


本当かどうかは

分かりませんが

ジョンの生前

ポールとジョンは和解し

ビートルズ再結成という話も

持ち上がったこともあるそうですが

ジョージが首を縦にふらなかったのだとか…


そういう

頑ななジョージの心に

ポールがいまさらながらに

歩み寄ったのかもしれません



このジス・ワンが収録された

アルバム「フラワーズ・イン・ザ・ダート」は

80年代のポールの名盤のひとつとして

挙げられることも多いのですが


このアルバム以降

ビートルズであったことを

肯定的に認めるような

言動が増えてきたように思います


ちなみに

このアルバム後に

ひさびさに行われたワールドツアーでは

かつてないくらい

ビートルズ・ナンバーが取り上げられて

大きな話題になったのを覚えています


このアルバムが発売された

89年前後に

ジョージの活動も活発になります


87年 ビートルズCD化による見直し

87年 ジョージ 「クラウド・ナイン」

88年 ジョージ 「トラベリング・ウィルベリーズ vol.1」

89年 ポール 「フラワーズ・イン・ザ・ダート」

90年 ジョージ 「トラベリング・ウィルベリーズ vol.3」

93年 ポール 「オフ・ザ・グラウンド」

95-96年 ビートルズ・アンソロジー




ビートルズ解散後、

ジョンの死や

ビートルズCD化などを経て


なんとなく

ビートルズに対して好意的な風が吹いくるなか


最後に残ったわだかまりである

ジョージとポールの関係が改善されたことで


95年末の

ビートルズ・アンソロジー・プロジェクトとなり


ポール、ジョージ、リンゴの面々にとっても

ビートルズ清算ができたのかな

めでたし、めでたし…などと思ってしまうわけです



これも

ハレ・クリシュナのお導きかもしれません




Live in Japan

http://www.youtube.com/watch?v=BcrcAEHXZgA







追記


個人的に

かなり好きなポールのソロ作品


でも

いま聴くと

80年代の恥ずかしいサウンドが

微妙に感じたりもします


アルバム・タイトル

「フラワーズ・イン・ザ・ダート」から

蓮の花の逸話

泥沼にあっても

その環境に染まることなく

美しい花を咲かせる…という

故事に関係あるのかな…

過去の暗い思い出にとらわれるのでなく

きれいな花を咲かせようという

メッセージではないか…と考えましたが

それは

ヒンズー教ではなく仏教の説話みたいだし

そもそも論で

タイトルはアルバム収録曲の歌詞からきているので

勘違いとして却下しました