中川明美の南関あらうんど

中川明美の南関あらうんど

南関東競馬の話題を追いかけます!

キタサンミカヅキが引退。
11月7日には船橋に移籍以来、2年5ヶ月ほど過ごしていた馬房を離れ、種牡馬になるべく北海道へ出立しました。
静内地区のカタオカステーブルへと向かうと聞いていたのですが、繋養先が優駿スタリオンステーションに決まったと佐藤賢二調教師が連絡をくださいました。

 

ミカヅキと高橋栄喜厩務員

高橋栄喜厩務員と

 

地方競馬を代表するスプリンターであり、昨年の年度代表馬としては突然すぎるニュースでしたよね。
10月初めに発行された南関東情報誌POCOPOCOにキタサンミカヅキのサイドストーリーを書かせてもらったばかりだったんですが、夏にアフター5スター賞を3連覇したあとには東京盃、JBCスプリントそして来春から種牡馬入りする青写真。


ところが腰や脚元の状態が思わしくなく、東京盃は森泰斗騎手の進言もあって自重。JBC出走も微妙とのことでした。
良くなればカペラステークスを使う話もありましたが、結局JBCの登録馬にもその名はなく、来春からの種牡馬入りを考えると無理はさせられないと引退が決まったそうです。


キタサンミカヅキにはお気に入りの馬がいました。
隣の馬房にいた6歳牝馬のネイルアンドリングです。
普段の朝も洗い場から戻ってくるのをじっと待って、馬房に帰ってくるといななき、それに応えるようにネイルアンドリングも泣くのが日課だったくらいの相思相愛。
半年くらい前に彼女(高橋厩務員はお嬢と呼んでいます)が休養に行ってしまうと泣くこともなくなり、隣に別の牝馬が入って来ても見向きもしなかったそう。
好みのハッキリした一途さもキタサンミカヅキらしいといいましょうか。

 

しかし運命は残酷なもの。
キタサンミカヅキが北海道に向かったその日、入れ替わるように帰厩したのがなんとネイルアンドリング。
出発して2時間後のことでした。
最後にひと目だけでも会えることなく入れ違い。

 

佐藤調教師に話したら笑われましたが、もし叶うことなら、いつかネイルアンドリングをお嫁さん迎えることはできないものでしょうか。

キタサンミカヅキの恋が成就するかどうかは、種牡馬となってからの頑張り次第。
競走生活を終えて待っているのは恋のレースというわけです。


キタサンミカヅキの種牡馬としての可能性をサラブレッド血統センターの藤井正弘さんに聞いてみました。

「種牡馬として活躍できるかはどれだけ繁殖牝馬を確保できるかでしょうが、父はキングヘイローで、ダートの短距離という自分のかたちを確立した馬。ダンシングブレーヴ系は何が出てくるかわからないびっくり箱のような面白さを秘めています」。

 

生涯成績は60戦13勝。
重賞は7勝。
東京盃(JPNⅡ)は2017年、2018年と2連覇。
アフター5スター賞(SⅢ)は2017、2018、2019年と3連覇。
9歳になった今年も東京スプリント(JPNⅢ)、アフター5スター賞(SⅢ)を勝ち、昨年は不得手とされた左回りのプラチナカップ(SⅢ)でも優勝しています。

 

〝重戦車のような走り〟と森泰斗騎手が例えていたのが印象的でした。
キタサンミカヅキ、おつかれさまでした。