F・W・クロフツ No.10◇マギル卿最後の旅◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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マギル卿最後の旅行は死への旅ーーー

 
 
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◇マギル卿最後の旅◇ -Sir John Magili's Last Journey-
F・W・クロフツ 橋本福夫 訳 
 
 
新発明の設計図を構えて、息子の元に旅立ったロンドンの富豪、ジョン・マギル卿が北アイルランドで消息を絶った。しばらくして、彼の遺体が息子の家の庭から発見されるが、息子にも他の容疑者たちにもアリバイがあった。失踪直前のマギル卿の不可解な行動、謎の男、アリバイの秘密などのもつれた謎をフレンチ警部は着実に解きほぐしていく。著者の作品の中でも一、ニを争う名作。    
 
 
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北アイルランドの名士マギル卿が行方不明になった。マギル卿の姿は度々目撃されていたものの、本人の姿はどこにもない。やがて血のついた帽子が見つかり、調査をしていたアルスター警察署はフレンチ警部に助けを請う。
 
 
五里霧中のフレンチ警部らの元に「X・Y・Z」という謎の人物から手紙が届く。マギル卿の息子マルカムの邸の庭で不審人物を見たという内容だった。果たして庭に行くと明らかに掘った後があり、穴の中からマギル卿の遺体が発見される!
 
 
遺体には殴られた後があり、殺人であるのは確実。犯人はマルカムか? 従兄弟のヴィクターか? どちらも金に困っていたが、どちらにもアリバイがーーー
 
 
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「マギル卿最後の旅」です(・∀・)
 
 
フレンチ警部in 北アイルランド事件簿です。北アイルランドのアルスター警察署の要請で北アイルランドへ。ロンドン警視庁ってそんな簡単に地方警察に首突っ込んでいいんかいって感じですが、結果的に正しかったことになります。
 
 
わたしの意見ですが、この話、なかなか上級向けだと思うんですよね。なにしろ、行方不明者の足取りは簡単に掴める、死体はあっさりと見つかる、しかし決定的証拠が皆無と最初がかなり退屈なんですよ。聞き込みばっかりやっていますし。中盤から話の流れがガラリと変わって面白くなりますが、そのためには序盤での知識が不可欠なわけで。
 
 
この話の真の面白いところは中盤から後半です。「あー、なんで決定的証拠が掴めないんだ!」と地団駄踏むところから「これだ!」と一直線に猛進する瞬間を目撃した時の気分は最高です。なので中盤からはいい勢いで読めました。スピード満点です。あと一緒に調査するアルスター警察署のマクラング警部が時々フレンチ警部におちょくられつつも、ひらめきを見せたりといい働きをします。さすがは親しみやすいフレンチ警部です。
 
 
「マギル卿最後の旅」でした(・∀・)/
次はクラークのジュヴナイルもの、行きます(*^o^*)/~