自分の名前を変える。                    あのときのあなたが名付けた名前、わたしたちだけの言語に。

 

 あなたは突然、

 

 「被害者」として扱われるようになったらどうしますか?

 

 あなたが当たり前だと思っていたことは周りにとっては当たり前ではなかった

 

 あなたが被害者として見られるあの時の出来事で

 

 世間にとっての「闇」

 

 しかしあなたにとって、苦しく、思い悩み

 

 たった一人の人とその苦しさを共有し

 

 歯がゆく、つらく、それでもかけがえのない時間で

 

 誰にも穢されたくない思い出だった

 

 そうして、周りによって剥がされた世界で

 

 あなたに呼んでほしい『##NAME##』があるー

 

 

芥川賞候補の作品

 

##NAME##

 

 

 今回紹介する本は、芥川賞候補の作品で、

 

 児玉雨子さんの「##NAME##(ネイム)」です

 

 この作品は私の言葉では言語化が難しいのですが、

 

 それでも紹介したく何とか頑張って言語化していきます

 

 まず、この本のあらすじ

 

 

とある事務所に所属し、

芸能活動をする石田雪那(いしだ せつな)、

芸名は石田せつな、はとある漫画の夢小説にハマる。

『あなたの名前は何ですか、

入力しない場合は##NAME##と表示されます』

このとき、せつなは名前を入力しなかった。

それから数年の時が流れ、大学生に。

大学生になったせつなはあることに悩まされていた。

いや、大学生になるずっと前から悩まされていたことだ。

それはかつてやっていた芸能活動のこと。

せつながやっていた芸能活動。

それはCM、役のオーディション、そして水着を着た写真撮影。

この時撮った水着の写真がせつなを苦しめていた。

幼い頃は分からなかった児童ポルノに該当する写真。

せつなはずっと普通だと自分に言い聞かせていたあの時の写真。

このときの芸名が、名前がせつなを苦しめやがて…。

 この小説を読んで私は、言葉にならない苦しさを感じました

 

 幼い頃は分からなかった犯罪被害

 

 自分には普通と言い聞かせてきた日常

 

 周りの人々は自分のことかわいそうと思い、好き勝手言われる。

 

 私は幼い頃のことって自分に与えられた最小の世界で、

 

 周りも同じだと思ってしまうと思います

 

 苦しくても必死で普通だと私だったら思います

 

 それを大人になってから

 

 「普通じゃない、洗脳されている」って言われて気が付く。

 

 絶望というより愕然とするという言葉が思い浮かびます。

 

 周りの人がかわいそうとおもっても、自分にとっては「普通」

 

 でもこの普通は自分の中の普通で周りと比べたときとは違う普通

 

 自分の中では完結した過去の記憶の一部

 

 それを周りに否定され続けたら

 

 私だったら心が持たないというか言葉が出てこないです

 

 主人公はこの物語の中で最終的にはある決心をします

 

 この決心も私にはすごく刺さりました。

 

 言語化するのが難しく、伝えられたかどうかは分かりませんが

 

 すれ違っていく気持ちに心が刺さる作品です

 

 主人公の決心はぜひ読んで確かめてみてください