今日は思いっきり地味なバンドを紹介。

第二期カクタスからオリジナルメンバーのティム・ボガートとカーマイン・アピスがジェフ・ベックとバンドを結成するために脱退。残されたメンバーのうち、デュアン・ヒッチングスが昔のバンドメンバーとかを集めて結成されたバンド。レコードにはザ・ニュー・カクタス・バンドというバンド名になってます。さすがにカクタスとは名乗れなかったんでしょうね。

そのバンドの1stアルバムにして唯一の作品で、1973年にリリースされました。

ちなみに同じ残されたカクタスのメンバー、ピーター・フレンチはこのバンド結成時に声をかけられたそうですが、断ったようですね。インタビューで語っていました。

メンバーは

Duane Hitchings・・・Keyboard, Vocals

Roland Robinson・・・Bass, Vocals (A-②, ④, B-③, ⑤)

Mike Pinera・・・Guitar, Vocals (A-①, ③, ⑤, B-①, ②, ④, ⑥)

Jerry Norris・・・Drums, Vocals (B-①)

このアルバム発表後ツアーに出て、その後、バンドは自然消滅したようです。

 

 

A-①It's Getting Better (Mike Pinera, Maicolm Jones)

エレクトリック・ピアノとメロトロンのイントロが印象的なアメリカンン・ハードロック。でもカクタスじゃないなあ。マイクのヴォーカルに魅力が足りないです。破天荒なラスティ・デイやいなせなピーター・フレンチが凄かったからね、かわいそいうだとは思うけど。

 

A-②I Can't Wait (Roland Robinson)

このバンドはこの曲のようにハードロックというよりアメリカンロックど真ん中的な作品のほうが魅力的。この曲でもキーボードが大活躍。さすがデュアン様。僕はローランド・ロビンソンのヴォーカルの方が好みですね。

 

A-③Hook Like And Sinker (Robinson)

ささやくように歌うマイク・ピネラは悪くない。要するにカクタスだと思って聴いちゃうとワイルドさが足りないんです。1973年としてはなかなかの出来のアメリカンロックなんですよ。カクタスには無かったソウル・フィーリングがあるんだよね。バンド名を間違えたバンドのひとつですね。

 

 

A-④It's Just A Feelin' (Robinson)

同じようなテンポの曲が続きます。可もなく不可もなしといった感じ。まあ、アメリカンB級ハードロックなんです。やっぱヴォーカルが弱いっす。

 

A-⑤Lady (Duane Hitchings)

この当時のデュアンらしいメロトロン入りのロックバラード。よいメロディしてます。オルガンソロもいいですね。この人、ロッド・ステュワートのヒット曲“I'm Sexy”も書いてます。なかなかのソングライターなんです。

 

 

B-①Ragtime Suzy (Pinera, R. Neep Johnson, Robinson, Jerry Norris)

ほとんどの曲が同じ感じに聞こえちゃうのが欠点かも。それぞれの曲は悪くないんですがね。センスの問題でしょうか。

 

B-②Blue Gypsy Woman (Hitchings)

この曲もデュアンの作品。ややブルースっぽいかな。

 

B-③Senseless Rebel (Robinson)

この前後の曲ではトーキング・モジュレーターを多用してます。聴く方としてはあんまり面白くないサウンドですが。これを上手く使ったのはジェフ・ベック、ピーター・フランプトン、エアロスミスといったところではないでしょうか。ドタバタしたサウンドは好みですが。

 

B-④Man Is A Boy (Pinera)

マイク・ピネラはハードロック・ギタリストじゃないなあ。リフの音が軽い。

 

B-⑤Hold On To My Love (Robinson)

A-②と似た感じの作品ですが僕は好きです。ローランド・ロビンソンの作品はなかなか良いです。

 

B-⑥Daddy Ain't Gone (Pinera)

スリー・ドッグ・ナイトがやったら受けたんじゃないかと思う曲。アメリカンで適度にポップ。エレクトリック・ピアノがいい感じです。ギターもいいメロディ弾いてるじゃん。

 

 

このアルバム、高校生の時買ったんですが、あんまり好きじゃなかったです。決めのハードロックがないんですよ。これ大事な要素だと思いますよ、ハードロックの場合。演奏してみたい曲がないんです。今聴いてもあんまり印象変わらないかなあ。

 

新生カクタスはこのアルバム発表後ツアーに出て、その後、バンドは自然消滅したようです。カクタスというイメージとはかけ離れてるしね。

個人的にはマイク・ピネラというギタリスト、あんまり評価してないんです。ラマタムやアイアン・バタフライでもいい仕事してないよね。なんとなくレコード会社の都合で作られた感があるバンドだったのではないでしょうか。

これでカクタスの活動は完全に幕を閉じるわけです。まさか、21世紀になって再結成されるとは思わなかったっすね、オリジナルメンバーでなんて。