いつも 変わらず
愛情は感じられた

けれど
常に不倫の影



それでもなお 
誰よりも信頼できる夫

誰もが真面目で誠実と言う夫の
知られざる事実



信じられなかった

夫の気持ちが分からなかった

家族への責任感と
女への愛情の
せめぎ合いなのかと
夫の心を想像した



私さえ
目を瞑り 口を噤めば

何の問題もなく過ぎ去る日々



全てを詳らかにしてほしい
嘘が必要な行動はやめてほしい
という気持ちを
半ばあきらめ

幻にも思える女の存在は
現実なのか
妄想なのか と
疑心暗鬼になりながら

彷徨い…


いつしか

夫の顔を直視できなくなっていった







今、夫は


取り返しのつかない日々を

全ては自分の弱さ

自分勝手で

思いやりがなかった

人間的に未成熟であった

後悔しかない と言う


不倫は性欲

責められ口をついた言葉は
正当化と意地


女については

良い印象を持ち
関係を持ってしまったが
思っていたような人ではなかった

体の関係

女から責められることもあり
罪悪感がつのった

そして
女と会うことはルーティンになり
日常を変えることが難しかった と







嘘が伴う不倫は
明らかに不誠実であるのに


どうして妻も女も
美しく解釈してしまうんだろう



妻は
夫の心変わりを悲しみ
夫を責め
自分を責め


女は
運命の人
出会ったのが遅かっただけ
自分を一番に分かってくれる
自分にだけは本当の姿を見せてくれる
こんなに人に愛されたのははじめて
はじめて心から人を愛することを知った

何があっても離れることはない
他の人の不倫とは違う
二人の愛は永遠…








結婚式で
夫が言った

「病める時も
 健やかなる時も
 今日から二人は
 共に歩んで行きます 」

という言葉を思い出した。



時というには

長すぎたけど


あれは
病める時だった 
ということか…