昔お付き合いした人でね、
どーーーーしても受け入れられない考え方があったのさ。


たいしたことないって言えばそうなんだけど、
いや、どーにもしっくりこない。

どんなんかっていうと、
例えば赤がいいって思ったとき、
青は赤より価値が低いんだよ、っていう考え方。

いや、ただ単に赤がいいでよくない?
青を引っ張り出す意味ある?

赤も青も紫も好きの博愛主義な私は、
そういういちいち比較することに疲れちゃってね。


広告の仕事で、美容業会が馴染めなかった。
そこにはビフォーアフターみたいなんがつきもので、
こんなに汚いお肌がこんなに綺麗になりましたーーーーっていう表現。

それは説得力があるのかもしれないけど、
なんかなーーーって思ってた。


汚いものと比較して美しさを際立たせる方法は、
差異があってわかりやすいかもしれないけど、
シミがあったらダメとか、
そんな生活習慣じゃ肌が綺麗になるわけないとか、
言ってみればジャッジてんこ盛りの世界でね。

一見汚いものの中にある美しさってのもあってさ。
それを汚いのはダメーーーってのは、馴染めんなぁと。

単独で「これいいっすよ」でよくない?


廃墟っていいですやん。

マニアなんかもいますやん。


わざわざ錆をつけたり、使い古した感を出す手法もありますやん。
そういうのって味があるっていいますやん。

でもだからって、磨き抜かれた宝石はそれはそれでやっぱりいいですやん。



個性っていうのは、比べていい悪いの世界じゃなくていいと思います。

赤と青は優劣はなく、ただ個性があるだけだと思うんです。

刻み込まれた顔のシワにも、美しさはある。


個性というのは、そういうもんだと思うんです。


スミレとひまわりどっちが美しいかなんて論議、
ナンセンスでしょ?



でもこれが「比べたらアカン」になると、
これまたジャッジですわな。

ジャッジしたらいかん、これもジャッジ。


比べてもいい。

でも、私は比べないことを選ぶってスタンス、かなと思う。

そのとき、「私」という軸が、まっすぐ立つっていうかな。