■企業が日本から逃げてゆく - 池田信夫
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タイヤ大手のミシュランと燃料電池大手のバラードが日本から撤退するそうだ。すでにCATV大手のリバティ、大型店のカルフール、保険のプルーデンシャル、高級ブランドのヴェルサーチ、事務用品のオフィス・デポが撤退を決めており、国際収支統計によると、昨年の対日直接投資は118億ドルと前年の半分以下になり、GDPのわずか0.2%である。
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日本は1980年代以降の租税競争に乗り遅れて、世界的にみて異常に高い法人税が残っており、これが外資や日本の大企業が日本から逃げる大きな原因だ。特に注意を要するのは、このように海外法人を移せるのは大規模な製造業だけで、サービス業は高い税率の国内に残るということだ。このため日本企業の国際競争力は落ち、投資は減り、長期停滞はさらに続く。
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外資系企業の日本への進出と撤退は、日本人からすると「いくら海外で成功した外資系企業でも、日本企業が相手では苦戦をするんだよ。そして敗者は撤退するんだ。さすがニッポン企業様だぜ。」と思う人がいるのかも知れませんが、実のところは、
「日本国内の需要は思ったより低いな・・・。今後も低下し続ける。」
⇒振興国で、重要が右肩上がりの将来性の高い国に移転しよう。
「何より税金が異常に高い。」
⇒シンガポールは13%、日本は40%
戦略的に他国の方が十分に儲かる算段と言う訳です。この荒れた大地(日本)を必死に耕して苦労して農業するより、他国の農業に適した肥えた広大な大地で生産する方が最終的に何倍も儲かる、ってことですね。起業は利益を出すことが使命ですから、当然の選択。
世界の一流企業が「日本市場」にそっぽを向け始めています。日本は儲からない。そんな日本国内の魅力の薄い市場でしのぎを削りあっている日本企業。そんなアホらしい戦いに参戦しても利は無いと早々に撤退していく賢い世界の一流企業。
国外のもっと儲かる見込みのある市場にガンガン行きましょうよ、ニッポン企業さん。その為にも国内企業は吸収合併をしましょうよ。キリン・サントリーみたいな経営統合話をもっと盛んにしましょうよ。
うーーーん。
がんばろうっと。