◇Chateau Lafite Rothschild 1982 | レストランおいしんぼ  Petit Bon

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2017年9月19日に行われた「Bon Vin Club Special」の第5弾には・・・

Chateau Lafite Rothschild 1982(パーカーポイント100点)が登場しました。

・・・・・・・・・Wine Lists・・・・・・・・・

①Pol Roger Brut Reserve
②Chateau de Fieuzal Blanc 2009
③Chateau Lynch Moussas 2009
④Chateau Duhart Milon 1996 
⑤Carruades de Lafite 1996
⑥Chateau Lafite Rothschild 1982

 

Pol Roger

ポル・ロジェ社は1849年に設立された家族経営のシャンパン・ハウスであり、約5,200社とも言われるシャンパーニュメーカーの中で、僅か9社しか認められていない「三ツ星生産者」に名を連ねています
 ポル・ロジェで注目すべき点は、エペルネで最も深い地下セラーの存在です。全長は7キロにもおよび、最も深いところで地下33メートルです。温度約9度と、他のメゾンよりも1-2度低く、よりゆっくりと熟成が進むため、泡のきめが細かく、口当たりもやわらかさを増します。

 また、ストックは約6年分とも言われ、シャンパーニュメーカーでは随一と言われる、安定した品質を誇っています。
シャンパン愛好家だった当時のイギリス首相チャーチルをも虜にし、2004年にはエリザベス女王二世から英国王室御用達の証である「ロイヤル・ワラント」を授り、ポル・ロジェはより格式高い存在となりました。

 

①ポル・ロジェのスタンダード・キュヴェでありながら、ローラン・ダルクール社長が「最も労力がかかるキュヴェ」と発言しています。
毎年同じスタイル、味わいを追求するためのブレンディング(アッサンブラージュ=ワインの調合)は非常に誇り高く複雑な仕事であり、伝統的にポル・ロジェ家とセラーマスターだけがその作業に携わります。
 外観は淡いイエローであり、繊細で豊かな泡が立ち、洋ナシ、マンゴー、ジャスミンの花、後からブリオッシュやヴァニラの香りも広がります。ピノ・ノワールの骨格や深み、ピノ・ムニエの豊かな果実味、そしてシャルドネの繊細さやフィネスが見事に融合しており、アフターには滑らかでエレガントな余韻をもたらしていました。
 2011年のウィリアム王子ご成婚晩餐会で振る舞われた事で、世界中から注目を浴び、ポル・ロジェの地位を確固たるものとしました。

 

②300年以上の歴史を持つシャトー・ド・フューザ
ルは、ボルドーのペサック・レオニャン地区に位置しドメーヌ・ド・シュヴァリエやマラルティク・ラグラヴィエール等とともにこの地域を代表するシャトーとして知られています。
 白ワインは格付けこそされていませんが、品質の高さからボルドーの白の中ではトップクラスとの評価を受けています。
 やや明るい色調のレモンイエローで、白桃、レモンピールなどの柑橘系の香りに、はちみつやパイナップル、クリーミーな樽の香りが複雑に絡み合い、非常に心地良い上質な酸と豊潤な果実味が巧みにバランスし、奥行きのある味わいを実現ていました。余韻は、バニラやローストしたナッツの様な香ばしいものでした。

 

③1855年のメドック格付けでは5級に格付けされ、
18世紀頃は今日よりも巨大な所有地を持っていました。しかし後にシャトー・ランシュ・バージュとシャトー・ランシュ・ムーサの2つのシャトーに分割・縮小され、その後次第に荒廃していきました。
 その後1919年に当時シャトー・デュアール・ミロンを所有していた、名門カステジャ家の手に渡り、1970年にエミール・カステージャの代になると大規模な修復が行われ、以降の高品質なワイン造りにより、往年の名声を取り戻しつつあります。
 外観は深みのあるガーネット色で、ブラックベリー、ブラックチェリー等の黒系果実に腐葉土、枯葉、なめし皮、きのこ、スパイスのニュアンスも加わり、柔らかい果実味と穏やかな酸、シルキーなタンニンから構成され、ポイヤックの中では稀に見る、繊細で女性的、エレガントなワインでした。

 

④シャトー・ラフィット・ロートシルトの所有するシャトー・デュアール・ミロンの畑は、ラフィット、ムートンの両方に隣接している、非常に恵まれた立地です。

メドック格付け4級ながら、ロバート・パーカー氏に「3級に昇格させてもよいかもしれない」と言わしめました。畑の場所が異なるため、ラフィットと全く同じ味わいというわけにはいきませんが、ラフィットと同じ醸造チームが手がけ、醸造作業についても全く同じ行程で、伝統に則った厳格な収穫管理、手摘み収穫、多種多様な作業を年間通じて手作業で行われ、熟成に使用する樽は一度ラフィットで使用されたものが使われています。
スタイルはまさにラフィットそのもので、バランスが取れていて、力強さの中にもエレガンスとフィネスが重視されているスタイルです。

 そのクオリティから、かつてはラフィットのセカンドワインとして扱われるされるほどでしたが、現在のラフィットのセカンドは、カリュアド・ド・ラフィットとなっています。
 漆黒に近い深い色調で、ブラックベリーとチョコレート、甘草、西洋杉、乾燥したハーブの香りに幾つかのスパイスが加わったような見事なアロマは、まさにポイヤックのワインの特徴と言えます。黒系の果実味と豊かな酸に、凝縮感とボリュームのあるタンニンが溶け込み、長く力強い余韻をもたらしていました。
 このヴィンテージは、90年代では最も髙い、パーカーポイント90点が与えられた、傑出した品質と評価されています。

 

⑤カリュアド・ド・ラフィットは「シャトー・ラフィット・ロートシルト」のセカンドワイン(セカンド・ラベルとも言われる)です。
 ボルドーのシャトーにおいてファーストワイン(シャトーのトップに位置するワイン)が造られますが、それにあたり厳しい基準に達しなかったぶどうをセカンドワインの原料として使用するのが一般的です。
また、別のケースとして発酵・熟成後に瓶にワインを詰める段階になり、生産者の厳しい選択により、ファーストワインとして認められる品質にまで達していなかったものも、セカンドとして扱われる事もあります。
セカンドワインの存在によりファーストワインの質、価値が高まるというのも、紛れもない事実です。
 ファーストのラフィットよりメルローの比率を高めており、ラフィットの特徴を残しつつも、よりしなやかなスタイルに仕上がっています。
 深みのある濃いルビーカラーであり、ブラックベリー、西洋スギ、鉛筆の芯、スミレを思わせるアロマ、芯の通ったミネラルと赤~黒系の果実味、滑らかな酸が溶け込み、濃縮度の高いタンニンがワ
インにボディと複雑味をもたらしていました。
 力強さと優雅さを併せ持ち、まさにラフィットの片鱗が垣間見えると言えます。

 

⑥シャトー・ラフィット・ロートシルトは、1855年のパリ万国博覧会で行われた「メドック公式格付け」において、第1級格付けの筆頭として最高評価を受け、現在に至るまで世界中のワインラヴァーの垂涎の的となっています。他の1級シャトーに比べ圧倒的に流通量が少なく、更に近年中国での人気も高まったことから、価格、希少価値ともに急上昇し、入手が非常に困難となってしまいました。
 かつてはセギュール家(カロン・セギュール)が所有していましたが、を1868年からロスチャイルド家が所有、同時にシャトー・ラフィットは「シャトー・ラフィット・ロートシルト」と改名さました。
 第二次世界大戦時には、メドック地区はドイツ軍に占領されるなど、苦難の時代が続きます。1945年に一族はシャトーを取り戻し、1950年代になり、エリー男爵の指揮の元でようやくシャトーの再生が始まり、本来のラフィットとしての姿を取り戻す事となります。
 ラフィットは外部から購入した樽は一切使用せず、自社製造の樽のみを使用するという徹底したこだわり見せます。
 82年は、ラフィット・ロートシルト自身も20世紀の最高傑作と語り、世界で最も著名とされるワイン評論家「ロバート・パーカー」も100点のスコアを付けています。
 35年の熟成を経ても衰えておらず、むしろ若々しい、凝縮感、しっかりとした厚み、骨格が感じられました。同時に非常に滑らかな舌触りで、まさにラフィットの真骨頂とも言われるエレガントさには、うっとりとさせられました。アフターの長い余韻は、たまらない「口福感」という表現がふさわしいものです。