平凡な女性の幸せを求めた女将軍たち…「大奥」第20話、最終回 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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season1から続くこと21話。壮大な歴史絵巻の大団円となりました。

season2は駆け足になってしまう回もありましたが、どの回も見ごたえありましたね。




家光(堀田真由)から始まった女将軍たちの、女性でありながら男として政治を行わねばならないがゆえの悲劇。




それは家茂(志田彩良)まで脈々と続き(家斉のような例外もありましたが…)、

男女逆転が生み出すさまざまな苦悩や葛藤がたっぷりと描かれました。





NHK  火曜22時

「大奥season2」第20話、最終回


脚本…森下佳子

演出…末永創(20)、大原拓(終)




まず20話は日本を欧米列強から守るためにも開国し、外国から学んで日本を強くしなければならないということを上洛した家茂は、孝明天皇(茂山逸平)に説き理解を得ました。




尊皇攘夷派にかつぎあげられていた孝明天皇はその非を知り、家茂に信頼を寄せます。




しかし、今と違って江戸と京を行き来するのは身体への負担が大きく、家茂は無理を身体に強いることになります。




孝明天皇に家茂が気に入られてるのを利用し、慶喜(大東駿介)は尊皇攘夷の長州を征伐して幕府の威光を取り戻そうとします。

このドラマの慶喜は徹底してイヤなヤツとして描かれましたね。




大東駿介が嬉々としてイヤ~な感じで演じていて、慶喜が憎々しい分、家茂の悲劇はより際立ちました。




長州征伐の大将として家茂は担ぎだされますが、幕府軍に味方する藩は少なく、頼りの薩摩も裏で長州とつながったようで、うまくいかない中、遂に家茂は倒れてしまいます。




家茂と和宮(岸井ゆきの)は親密な友情を抱きあっていましたが、世継ぎを産むわけにはいかず、激務のためか長らく家茂は月経も無くて、側室を迎えるわけにもいかず、分家から養子をもらいました。




最後に江戸を出る時に和宮は止めたのですが、家茂は将軍としての責務を優先し

戦いに向かい大坂で倒れ、志なかばで亡くなってしまったのです。




20話のクライマックスは、家茂が和宮と交換して着るために新調した装束と袿を抱きながらの和宮の号泣シーンでした。




「徳川とかこの国とか、そんなんどうでもようない?そんなの争うことが好きな腐れ男どもにやらせて、私らは綺麗なもん着て、お茶飲んでカステラ食べてたらそれでようない?」




この和宮の言葉はこのドラマが一貫して描いてきた大きなテーマを、具体的にあらわしたものでしたね。




家光も綱吉(仲里依紗)も吉宗(冨永愛)も、家定(愛希れいか)も家茂も、みな平凡な女性の幸せを求めていたのに、それができなかったのです。



和宮という第三者の視点からそれは鮮やかに浮かび上がりました。




そして、最終回。

長くなりましたので続きは次の記事にて。