今回は2話分くらいかギュッと1話に詰め込まれたようで、あれよあれよという急展開でした。
キャストは好演しているのでもったいないな~と思ってしまいました。
医療編と幕末編で1クールずつやったら良かったのにと思わずにはいられません。
NHK 火曜22時
「大奥Season2」第16話
脚本…森下佳子
演出…木村隆文
阿部正弘(瀧内公美)と瀧山(古川雄大)、阿部と家定(愛希れいか)の関係がそれぞれ素敵でしたね。
阿部家は「どうする家康」には登場しませんでしたが、先祖の正勝が幼少の頃からいつでも家康の身代わりになるよう側近くに仕えたことで知られる家柄で、正弘も家定のために忠義深く尽くします。
家定は父親の家慶(高嶋政伸)から性的暴行を依然として受けており、それを免れるために正弘を呼び出し、何かしらを共にやって、それを回避しようとします。
事情を知らずに正弘は付き合っていましたが、ある日それを知ってしまいます。
何とか家定がもうそんな酷いめにあわないように、正弘は広大院(蓮佛美沙子)の協力を得て家定のための大奥を作ることにします。
大奥総取締として男たちを束ね、家定を守るのに適任と、芳町の遊郭で出会った瀧山を口説きに行きます。
自分みたいな仕事をしている者が…と尻込みする瀧山に、正弘は北町奉行の遠山の金さんを連れていき、刺青をしていても奉行やってる人もいるんだからと説得します。
年季が明けたら学問をして自分の翼で飛びたいと願っていた瀧山に場を与えた正弘、それに応える瀧山。
古川雄大が今回はさまざまな姿を見せましたが、家定を守ると号令したり、家慶に刀を抜こうとしたり、大奥総取締の姿が凛々しかったですね。
この人、ここ最近役者ぶりが格段に上がりましたね。
正弘役の瀧内公美も頼りなげに見えながら、家定を守り、老中になり、自分なりの政治を行うに至る成長ぶりを巧みに演じてました。
阿部正弘は井伊直弼に比べてあまりフィーチャーされてこなかった人物だけに興味深く見ました。
愛希れいかの家定も、性的暴行を受けてすさんだ感じから解放され、将軍として凛々しくなる変化を、こちらもしっかり演じてましたね。
薩摩から迎えた篤姫ならぬ胤篤(福士蒼汰)とどう向き合うか、次回以降が楽しみです。
もっと怪演を見たかった家慶役の高嶋政伸は、黒船来航でパニくって死んでしまうというあっけない最期でした。
治済はこの孫にこそ、毒を盛ってほしかったですね。隔世遺伝か、自分の娘に毒を盛っているのにゾッとしました。
今回の評価は…8