JR山陽本線新山口駅(旧小郡駅)に2005年3月まで乗り入れていたJR九州の415系などの交直流電車。かつては同駅から267キロ先の熊本駅まで直通運転を行う列車も見られました。1991年3月頃を振り返りながら、現在と比べてみました。

 

 

1991年3月の小郡駅。右の九州から乗り入れてきた415系1500番台が熊本行き239M。当時は「タウンシャトル」のヘッドマークが付いていました。左は広島方面から到着した瀬戸内色の115系3000番台の普通列車。写真は昨年同色に戻った現在のN-04編成

 

 

 

 

1991年3月のダイヤ改正後の時刻表を見ると、九州各駅から小郡駅への直通列車は下り6本、上り7本ありました。中には佐賀駅から宇部線を経由して到着する列車もありました。


上写真の239Mは小郡駅を10時44分に出発。下関(11時50分着)、小倉(12時4分着)、博多(13時35分着)、久留米(14時54分着)などの各駅を経て、終点の熊本駅に16時34分に着く列車で、5時間50分かけて走っていたようです。

 

小郡駅から熊本駅までの直通列車は国鉄時代から設定がありました。私の手元の資料では正確には分かりませんが、95年か96年春のダイヤ改正時に消滅したようです。

 

 

1枚目写真と同じ415系1500番台Fo1517編成の近年の様子。右は疎開留置の415系鋼製車(Fo119編成)=門司港、2023年

 

 

同じく1枚目写真の115系3000番台N-04編成の今。両編成とも30年以上たっても依然現役で走っているのは感慨深いものがあります=下関駅、2024年

 

 

 

 

1991年の小郡—熊本直通列車239Mから33年後、2024年3月20日のダイヤで同じ時間帯の列車を見てみました。


すると、新山口駅を11時3分に出て3回乗り換え、熊本駅は16時45分着になりました。鹿児島本線内は区間快速で20駅ほど通過しましたが、乗り換えで時間をロスし、所要時間は91年の239Mより8分短い5時間42分でした。

 

ちなみに新幹線で向かうと、新山口駅10時34分発の「のぞみ」から博多駅で「さくら」に乗り継ぎ、熊本駅に12時6分に到着。所要1時間32分と圧倒的でした(比べるのは、やぼですが…)。

 

 

鹿児島本線を走る815系。福岡都市圏以南ではワンマンの2両編成が見られます=鳥栖駅、2024年

 

 

 

 

近年は全国的に地域密着ダイヤが浸透し、他社間で相互乗り入れをする都会を除くと広域運用は減っているようです。


1991年当時の山陽本線—九州各線の直通列車も、乗客は途中で何度も入れ替わっていたと思いますが、遠くの行き先を掲出した広域運用の列車は、見るだけでわくわくしたものでした。