今日ご紹介する絵本は「くまとやまねこ」

(湯本香樹実文 酒井駒子絵 河出書房出版社)。

 くまと仲良しだったことりが亡くなり、くまは、寂しくてしかたがありません。

どんな思いでも、「今」を生きることをつらくするだけで

ことりのいた過去にもどりたいとも思います。

 そんなくまをみて、森のどうぶつたちは、「わすれなくちゃ」といいます。

 だけど、そう言われても、忘れることはできません。

 くまはどうぶつたちから離れ、家にこもってしまうようになりました。

 

 そんなときにあらわれたやまねこ。

 やまねこは他のどうぶつたちと違い、

 くまに対して、「ずいぶん寂しい思いをしてるんだろうね」と言いました。

 

 大切な人を失うという喪失体験は心におおきな負担となることがあります。

 失った人との思い出は、今の時間を寂しくつらくするだけで

今を生きる気力を奪ってしまうことがあります。

そんな様子を見ると、「もう忘れな」などと言ってしまうことがあるでしょう。

だけど、この言葉は何の助けにもならないことを私たちはしっています。

 

寂しさというのは、忘れることで癒される感情ではありません。

安心できる関係があり、

どんな感情も否定されず、

ありのままに受け止めてもらえることがあると、

私たちは、寂しさ、悲しみ、悔しさといった感情を

安全にひきうけられるようになっていきます。

忘れることがなくても、

私たちは喪失体験とともに今を生きられるようになり、

思い出は故人との新しい関係を育てていってくれます。
 

グリーフセラピーというカウンセリングがあります。

大切な人の喪失後に、故人との新しい関係を育て、

自分の今を安心して生きていく過程に

BONDSのカウンセラーも同伴することができます。

p.s.3月5日からの交流分析理論に基づくラーニンググループ。

参加者募集しています。詳細はWebサイトをご覧ください。