アンティークドアのボンコテです。

 

先週から、店舗内のあちこちに点在していたトランクや木箱を整理して、写真に撮ったりサイズを測ったりしています。

 

 

とても古い木製のスーツケースや、軍モノの木箱などなど・・・

 

 

昔の人はこの中に大切な荷物を入れて旅をしたりしていたんだなぁと、遠い昔に思いをはせ、旅に出たくなります。

 

 

そんな中、こちらのケース

 

 

円筒形のと、四角いの、どちらも上が空いていて、何かを入れたり運んだりするものだと思われますが蓋はありません。

 

これ、実はSUROY LOOS Nord Franceというメーカー製のケースで、フランス北部にあった繊維工場で使われていたストックボックスなんです。

 

 

一見皮のように見える素材は、パルプや木綿繊維を溶かして圧縮して固めた、バルカンファイバーというもの。

軽くて丈夫なことから、昔のトランクにも革の代用品として使われていました。

 

1920年代〜1950年代にフランスで盛んだった繊維工場で、このケースは布製品や木綿、糸などのストックボックスとして使われていました。

工業製品なので、特におしゃれに作ろうとしたわけでもないのに、金具の付き具合や形がなんともおしゃれ。

「SUROYケース」とも呼ばれ、現在もコレクターの間でとても人気の高く希少なものです。

 

 

少し小ぶりな方のケースには、Société Indusrielle pour la Shappe / FILATURE DE TENAYというラベルが貼ってあります。

こちらは「SUROYケース」ではありませんが、同じく繊維工場で使われていたものです。

 

 

Shappeというのは蚕の繭のことなので、絹糸の工場で、同じく1900年代初頭〜半ばに使われていたものです。

 

その頃の工場の外観の写真がありました。

 

 

古い時代を感じさせてくれる、良い品物です。