決めない社長 (1)

多くの日本企業での会議、特に経営会議が、「決めないための会議」になってしまっている5つの理由の内、最後の理由は、「決めない社長」です。

外資系企業では、どんな会議においても、その場の最上位者が決定します。
経営会議(リーダーシップチーム・ミーティング)であれば、社長が決定します。
決定しないリーダーは、リーダーとしての能力が問われる、ということになります。

決定するのに必要な情報があまりにも少ないというのであれば話は別ですが、それならそれで、「誰が、何を、いつまでに整理して報告/提案する」ということをはっきりと結論付けます。

そもそも、マネージャーレベルであろうが、会社レベルであろうが、意思決定するのに、100%の情報は必要ないのです。

100%の情報を集めるなどということは不可能ですし、そんなことをしている間に、どんどん時間が経ち、実行のタイミングを逸してしまいます。

私自身はいつも、”80% Go!” という方針で臨んでいます。
(日本企業にいるときには、それはできませんでしたが……。)

80%ぐらいの情報が集まり、成功率80%以上と確信できれば、実行を決断します。
提案資料の完成度も80%でOK。

人事制度の完成度も80%で問題ありません!
微に入り細に入り、細かいことまで決めておかなくても、運用の中でカバーできますし、どうすべきか、規程からは判断できないということであれば、最終的には人事部長が判断するだけです。
また、制度に何か不具合があることが見えてきたら、実施しながら修正していけばいいのです。

意思決定と実行のスピードが大切です。

保身や自己満足のような動機からくる社内での議論で時間を空費しているうちに、競合他社は先に進んでいるということを理解するべきです。