たぶん良いと思います。。。
密閉&密着ということは、もちろん・・・
バルブに関しては、バルブの当たり面(バルブフェイス)と、
バルブシートとの当たり面、
当たり位置、
当たり幅が重要になります。
とは言え、走行10万キロを超えたエンジンになりますと、
カーボン噛みによって、
バルブシートの当たり面が荒れてしまうモノです。
小さな凹みであれば、
バルブコンパウンドで修正することができますが、
走行距離に加え、何らかのトラブルを抱えていたエンジンは、
↓下の画像のような感じで、バルブまわりも・・・
↓ピストントップ(上部)にも・・・
カーボンが蓄積→爆発によって蓄積したカーボンが剥がれ、
バルブとバルブシートとの合わせ面に噛み込んでしまう。
噛み込んでしまうことにより、
バルブシートに凹みができ、
凹みによって密閉されなくなってしまいます。
これが“圧縮が漏れ”の原因の1つです。
基本的にこの部分には、
エンジンオイルが入る場所ではありませんので、
燃料と着火によってこのような状態になるわけです。
1つの目安としては・・・
プラグの状態をチェックするという方法があります。
燃料系や点火系、または電装系に問題のあるクルマは、
プラグが黒くなる傾向があります。
純正のコンピューターで制御しているクルマは、
エンジンが壊れないように、
意図的に燃料を濃くしたり、
意図的に点火時期を遅くしたり、
エンジンを守ろうとする、セーフモードに入ります。
ですから、プラグの着火部分は黒くなります。
また、マフラーの出口から黒煙が出るのも、
燃料が濃い状態になります。
燃料が薄いよりも、濃い方が壊れる確率は低くなりますが、
この状態を放置してますと、
必要以上にカーボンが蓄積し、
最終的には、圧縮漏れを起こやすくなってしまいます。
また、エンジンの腰下(シリンダーブロック)に於いては、
ピストンとシリンダーブロックの隙間にカーボンが入り込むことにより、
ピストンやシリンダーブロックにキズを入れてしまったり、
ピストンリングの上に蓄積することで、
ピストンリングの機能を妨げる原因にもなります。
ピストンリングは、シリンダーの内側から外側へ、
常に、シリンダーブロックと接地している板バネのようなモノです。
この板バネの機能が失われてしまえば、
密閉&密着が果たせなくなってしまいます。
故意にシリンダーを磨り減られてしまう場合もあります。
ですので、何らかのトラブルを抱えているクルマは、
まずはプラグをチェックして判断する。
プラグの状態を元に、不具合を見つけ出していく。
ということになります。
エンジンのオーバーホールを行うというのは、
蓄積したカーボンを取り除き、
密閉&密着を完璧に行うことを目的にしているわけです。
と言うことで、
シリンダーヘッドの密閉&密着も完璧になりました。
↓こちらはインテーク(吸入)側。
↓こちらはエキゾースト(排気)側。
と言うことで、最後の洗浄を行います。
おばちゃんのキャンプツーリング用バイクではありませんが、
↓シリンダーヘッドを水没させます。
ホント、私にとっては“可愛いもの”です。
面研を行って、歪みゼロの感触を肌で感じながら洗浄を行いました。
たぶん、これが最後の洗浄になると思います。
10年、10万キロ。
欲を言えば、15万キロ。
もうこのエンジンの圧縮が抜ける頃には、
きっと部品も無くなっているでしょうね??
10年後の2034年には、
世界はどうなっているのでしょう??
そんなことを思いつつ、
最後の洗浄を行いました。。。