すっかり時間がたっちゃったけど、やっぱり記事にしとこうシリーズです、笑。



アーノルド・ポモドーロ ― The possible movement
Arnoldo Pomodoro - Il movimento possibile
c/o Cortesi Gallery, Palazzo Morigi, Milano

ふふふ、実は6月末に行った展覧会なので、今更感満載。でも、大好きなアーティストだし、とても興味があった会場だったので、その感覚は無視して、書いておきます。

ポモドーロさんは、日本にも作品があるし、おそらく展覧会も開催されているような、現代美術の著名なアーティストさん。バチカンのお庭にも、その代表的な作品といってよいメタルの巨大な球形作品が置いてあるから、見たことのある人も多いと思います。
私が知ったのは、イタリアに来てからですが、結構前のこと、90年代終わりごろに見た展覧会以来だと思います。一目で好きになっちゃいました。その後、ミラノにポモドーロ財団の美術館もできたりして、常に気になっている存在としては、キーファーさん的な存在です。


La colonna del viaggiatore 1960/61 (The column of turist)
Bronze 275x40x45cm

1926年モルチャーノ・ディ・ロマーニャというロマーニャ地方の町で生まれ、幼少期はぺーざろで、そして1954年からはミラノに暮らして創作活動をしています。
50年代にその独創的な立体作品が注目を集めます。そして60年代には、主にブロンズを使って、さらに独創性を追求していきます。
1966年に、直径3メートルもの巨大な球形の作品を、モントリオール万博に出品し、注目を集めますが、その作品は、現在ローマの国会前に置かれています。
実際、ミラノにも、球形の作品が、オープンエアで展示されているので、名前を知らなくても、実はポモドーロさんの作品を目にしたことがある人は多いはず。
そういう作品が、世界中にオープンエアで見ることができるみたい。


Piramide 1987(Piramid)
Bronze h.70cm

今回は、小さな会場なので、習作的なサイズの作品の展示だったけど、やっぱり好きだ~。
メーキング的なビデオも見ることができて、そうやって作ってたのか!というのが、大変興味深かった。

最終作品は、球形だったり、上のようなピラミッドだったり、それがぱっくりと割れていて、複雑な幾何学的な造形が見えるって状態で、なんていうのか、もうそれはそのまま、そうだったんでしょう、というのかな。あるものが、そうあるのでしょう、っていう風にしか受け取れなくて、正直、どうやって作るんだろうなんてことを考えたことがなかった。
ブロンズだから、要は型取りして、球形だったら半球の殻の中に、複雑な幾何学造形物を納めて、それを合わせる、みたいな作り方。


Sfera con perforazione 1966-199 (Sphere with perforation)
Bronze
100cm

だから、すごく数学的に計算して作ってるんだろうよね。金属は、毛糸のように伸ばしてごまかしたりできないしな、笑。


同上

とにかくかっこいい。

展覧会の案内には、以下が記されていました。

「本展示は、彫刻家の仕事の中でも、比較的知られていない面を発見するための展示を通して、我々の時代におけるもっとも重要なアーティストの並外れたキャリアにおける魅力的な発見を提供するもの。
硬い幾何学要素を形作るブロンズの作品、同時に、ポモドーロの絶え間ない研究の実現を体現する、異なる形やマテリアルの作品も、小さいサイズのものから展示されている。例えば、宝飾品のプロジェクトから実現までや、建築や壮大な土地開発までだ。」

確かに、規模はこじんまりしていたけど、へぇ、そういうこともやってるんだ、という発見が面白かった。


イヤリングだと思うけど、こんなの下げたら、重くて頭痛がしそう…笑。


こっちのペンダントは、マジ欲しいと思いました、笑。マテリアルは、金メッキかなぁ。ほしい…。

土地開発系、これはびっくり。


Progetto per il nuovo cimitero di Urbino - Veduta prospettica, 1973 (The project for the new cemetary of Urbino)
Colored pencils on paper

ウルビーノという町の新しい墓地のプロジェクトで、諸事情から実現しなかったらしいけど、これ、イメージとして、エトルリアとかの古代の墓地で、すっごくかっこいい。

モデリングが下。



墓地だけど、かっこよすぎてドキドキしちゃうみたいな、とても祝祭的な墓地になってことでしょうねぇ。


Lunghe tracce concentriche 1986
Bronze
8x94x103cm

どれもこれも好みで、家に置けそうなサイズ感からも、どれもこれも「欲しい」と思うものばかり。ってことは、趣味的に合う人が、お金持ちだったら購入するってことだから、こりゃ売れるわけだわ。
普段、今の生活レベルに不満はないけど、こーゆーときだけは、お金持ちがうらやましいと心底思いますわ、笑。

ということで、大満足の展覧会でした。

ところでこの会場、名称からも想像つくかもだけど、なかなかアクセスに勇気がいるギャラリーでした。



市内の中心地ではあるものの、レジデンスゾーンで、Morigi宮と立派な看板が出ているけれども、結構住宅っぽい。外扉全開だから、とりあえず、ベルを鳴らすなどの第一関門はないけれど、入るとすぐに門番さんの部屋があり、監視感半端なし。



中庭に、後付けで増築されたのかな?という雰囲気の建物があり、そこがギャラリーになっていましたが、ぴっちりと閉まった扉を開けるのも、結構勇気総動員でした、笑。でも案ずるより産むがやすし、ギャラリーの方、めちゃくちゃ感じよかったです。
ただ、帰りに、このギャラリーの扉から、外への導線をちょっと外れたら(本体の、おそらくアパートとなっているスペースへの入り口辺りの壁が面白そうに見えたので、ちょっと近付いた)、門番さんの視線が刺さったような気がしまして、笑、慌てて、導線に戻ったら、門番のおばさん、受付スペースの入り口に仁王立ちでこっちを監視しておりましたとさ~。くわばらくわばら。

それにしても、こういう財団とかギャラリーとか、無料で色々やってくれるの、有難いよね。こういうスペースのイベントは、都度確認していかなくては。

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