久々の更新です:歯の凍結保存について | ”The Best or Nothing”

久々の更新です:歯の凍結保存について

9月29日に、神奈川矯正倶楽部(KOC)の例会があり
本年度は、
神奈川歯科大学の河田俊嗣教授の講演を拝聴致しました。

11/2の朝に「健康カプセル!ゲンキの時間」という
三宅裕司さんのTVでもとりあげられていたので
思い出して、ブログ更新しています。

河田先生は、歯の凍結保存の専門家です。

矯正歯科と歯の保存に何の関係があるかというと

矯正治療
→永久歯の抜歯を行うことが多い
→抜歯した歯を将来に備えて凍結保存しよう

ということです。

河田教授の話を聞くまでは、
正直なところ必要性をあまり感じておりませんでしたが、

考えを改めました。


河田教授の話を要約すると

1.特殊な凍結方法を用いているので、歯根膜細胞の変性が生じにくい
2.矯正治療で抜歯となった歯は、凍結に最適である(健全歯なので)
3.4本抜歯したうちの1本だけ保存すれば、将来に備える意味では十分
4.保存に最適な歯は下顎の小臼歯
5.保存した歯は歯の移植以外にも使うことが出来る(ようになる)
6.保存可能期間に制限はない

というものでした。

そして、

「歯を保存したいかどうかは、患者さん自身が決めることである」
「大切な歯を抜かせていただくので、有効に利用できるオプションは多い方が良い」

とのこと。
まさに、仰せの通りです。

余談ですが、
講演の時に、
私の北海道大学の大先輩である
村田 勝先生のお名前がでておりました。

村田先生は、
再生医療においては、
第3大臼歯(親不知)から
骨を再生する研究をされていたと記憶していますが、

私にとっては、
「円の切れ目」
の先生です。

日本酒を徳利で注ぐときには、
徳利にある切れ目から注ぐのが一般的ですが、
これは、
見方によっては、円の切れ目に見えます

円の切れ目=縁の切れ目

となるので、
別れの時を除いては
ここでお酒をついではいけない


北海道大学の礼節を入学1年目の時に
御教授いただきました。

これは今も守っています。


さて、
歯の凍結保存の手順は、

1.凍結保存が可能かどうかの血液検査を行う
2.凍結保存する為の方法で、歯を抜歯する
3.専用の容器に保管し、郵送

となります。



費用は、
20年間の保管管理費用として
13万円程度(血液検査、抜歯費用は含まず)
とのことです。(期間の延長は都度別費用)


遅ればせながら、
当院も、凍結保存提携医療機関となりました。
興味がある方は、どうぞ、お問い合わせ下さい。


ですが、
自分の
基本スタンスである、

「矯正治療によってより良い状態を獲得し、それをできるだけ恒久的に維持する」

に替わり(変わり)はありません。

抜歯の有無、保存の有無に関わらず、
自分のやれることをしっかりとやっていきます。