ぼんやりと日常を過ごしていると
思わぬ方の訃報を見逃していることがあって、
今年の1.26にディーン・ブラウン師匠が天に召されていたことを
まあまあ最近になって汁。ちゃう知る。合掌。
思えばディーンはん、ギタリストとして知られるようになった際には、
バークリーの同期やったからかいちいち「マイク・スターンの後釜」みたいな感じで、
コブハムやタイガー大越やブレッカーバンドで後任者としてギターを弾きつつ、
マイクとの比較で「いまいち物足りない」と評価されていたように思う。
だがしかし。マイクのような圧倒的にスムーズなテクニックで
クリシェのフレーズをひたすら撒き散らすことなく、
ブルース魂とジャズスキルをほどよくブレンドしつつも
破綻を恐れずにゴリゴリと弾き切るディーンのプレイには、
俺はひじょーにシンパシーを感じていたのだった。
根性ギター、という点では彼を凌ぐギタリストはなんぼのもいないだらう、と。
そしてなんつっても「顔で弾くいている」と言われるあの表情。
やはりプロである限り、演奏中の見た目も重要であり、
その点ではディーンはトップに君臨する存在である。
何をおいても、まずはこれを観て欲しい。
こんときのボブ・ジェームスのモントルーでのライヴは
マジ神憑りなシーンの続出で何度見ても飽きないので
可能であれば全編をご覧いただきたい野田阪神。
そしてこちらは晩年の自宅でのソロ。
実に美しいトーンでしっとりと弾いているが、
このときすでに癌と闘病中であったことを想ふと、
泣けてくるではないか皆の衆。
ラストでスティーヴィー・ワンダーのフレーズを
カマすセンスもサイコーやしね。
いずれにせよまた一人、俺のアイドルが星になったことを哀しみつつ、
彼のスピリットをなんぞ受け継がなあかんなあ、と。
次のライヴでは、エレキで何か考えますよってにね。