「青い青い空」 監督・太田隆文 新作映画 今日の試写室 | 永田よしのりの映画と唄と言霊と  映画批評と紹介記事など 
2011-02-05 01:19:12

 「青い青い空」 監督・太田隆文 新作映画 今日の試写室

テーマ:試写室から

永田よしのりの


             C 2010「青い青い空」製作委員会


「青い青い空」


3月5日公開
128分
監督 太田隆文
出演 相葉香凛、草刈麻有、橋本わかな、平沢いずみ、田辺愛美、波岡一喜ほか


 浜松を舞台にして、書道部という活動を通して自分自身に目覚めていく少女たちの姿を描く。
 一口1000円という個人協賛金集めから始まった、地域振興映画製作プロジェクト。すでに撮影場所だった浜松では二万人超の観客動員を記録している。
 大資本でどうでもいい、後に何も残らない映画を作るばかりではなく、こうした観終わった後に心に何か残る作品が作られることは、とても大事なことだと思う。
 監督の太田隆文は06年に「ストロベリーフィールズ」という小品を撮影して以来の作品となるが、時間と資本さえ許せば、もっと映画を撮ってもらいたい、と密かに僕が思っている監督だ。
 なぜなら、監督の作品には〃大事なもの〃がしっかりと詰まっているからだ。
 書道の心の中にある〃うまく書くことではなく、自分の思いが詰まった文字を描くこと〃というものが、まさに太田監督の映画にはあるように、僕は思う。
 浜松で暮らす五人の女子高校生たち。それぞれに抱えるものはあるものの、何をどうしていいのかが分からない彼女たち。そんな彼女たちの前に現れた臨時教師が示してくれた書道というもの。彼女たちは書道大会出場を目指して練習を重ねていく。 
 〃書道〃をテーマにした映画は昨年も何本かあったが、どの作品もパターンにはまった青春エンタテインメントの域は出なかったように思う。
 もちろん観てそれなりに楽しめはするのだが、それだけだった。
 だが、本作は書道を通して(実は書道というものは、主人公の少女たちの成長に必要なピースとして使用されているもので、書道パフォーマンスを前面に出したものではない)、女子高校生たちの抱える様々な問題や思いを体言していく。
 僕が個人的にとても好きなのは、そんな彼女たちのハッキリと前に進むのだ、という意志を示す、書道大会の演目終了後にそれぞれが自分の名前をハッキリと観客らに告げるシーンだ。
 いろんなことを消化して、自分自身を自覚する少女たちの〃自立〃とも言える姿がそこにはある。
 それがこの映画の主題でもある〃伝えること〃につながっていくのだと、僕は思うのだ。
 来年の新人賞候補たちはこの映画に出演した五人の女の娘たちだ。彼女たちの名前を覚えておいて損はない。
 そして、そんな彼女たちを〃映画〃という画面に焼き付けた太田隆文という監督の名前も。

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