ジェット機を買って一人で飛ぶこと ~ 男の最高峰の勲章 | ブルージェットの空からブログ|プライベートジェットの機長・航空会社社長ブログ

ジェット機を買って一人で飛ぶこと ~ 男の最高峰の勲章

ジェット機を自分の稼いだお金で買って、1人で飛ばす事は、男の最高峰の世界だと感じる。

僕は日本で3人の男を知っている。

プロパイロットの世界でも1人でジェット機を飛ばせるのは数えるほどしかいない、それほど難関である。

航空局の試験は2人で操縦する形式で行うが、アメリカと違い1人で飛べるという資格は確立されていなく

飛行機は1人で飛べる一定の装備をすれば1人で飛べるが、その手順は2人で操縦する時と違い忙しい。

連続離着陸をした後、「ひとりで行ってきて」その男は教官の僕の顔を見る。

僕はヘッドセットをとって、シートベルトを外し、操縦席を離れエンジンをかけたままドアを開けて機体を降りた。

出会ったのは15年前、計器飛行の教官として飛び立つ前、隣で飛行機を磨いていた。

10年前その男は、難関の計器飛行証明を取得したくて、100%合格をキープしていた僕の会社に訪れた。

1番印象深い一言がある「合格したら彼女と結婚する」 「じゃあ合格出来なかったら結婚やめるのですか?」

「やめますね!」 「関係ないじゃないですか」 「関係ありますよ」

10年の時が過ぎて目の前で、成功と難関を乗り越えた結果が、その言葉の意味を理解させた。

1人で飛びに行く姿を見て、彼の言い放った言葉の重みを感じた。

男が結果を出して上昇しないと、その女性を幸せになんか出来るはずもない。

お金だけではない成功と挑戦を見て妻は喜び、あれから生まれた子供には無言の最大の教育だろう。

澄んだ蒼い空に轟音が鳴り響く、この事実を残さなければいけないと感じた。

僕はずっと彼の帰りを外で空を見上げて待っていた。

「楽しかった」笑顔で握手した。飛行機を手に入れてから約1年半の訓練の日々が楽しい思い出に変わった。

飛行歴54年、にこにこ笑顔の元気な70歳が僕の前に現れた「教官、ジェット機買いましたので教えて下さい」

プライベートジェット機で後ろに乗るお客様と自分で操縦するお客様を分けて考えている。

全てのテストフライトが完了して、違うタイプのジェット機が完成した、もうひとつのドラマが始まっている。

どのように教えていって組み立てたらいいか彼の顔を見るたび頭痛がする。

ビジネス感覚ではとても出来ない。

 

bluejet