富山県滞在中、立山町白岩にある酒蔵、株式会社白岩へ。
IWA5、という銘柄を造っている日本酒蔵です。
以前からお伺いしたいと思っていましたが、念願叶い
お世話になっている営業の方にお連れいただきました。
こちらは、ドンペリニヨン5代目の醸造最高責任者だった
リシャール・ジョフロワ氏が、アッサンブラージュした日本酒が造られています。
リシャール氏は以前から日本を訪れ、日本文化に触れ、そこで感じたことを
シャンパーニュ造りにも活かしていたことから、日本への恩返しの意味もあり、
これからの人生は日本酒造りをとの強い想いが、多くの人達を動かしました。
天気の良い日は立山連峰を望める、田んぼが広がるこの地に立ち、
直感的にここに酒蔵を造ると決めたのだそう。
目の前の田んぼでは、五百万石が試験的に作られていましたよ。
蔵を案内してくれたのは、グラセマチユさん。
フランス人ですが、以前は富山県庁の職員だった
こともあり日本語、そして英語も堪能!
日々世界から来るVIPなどにも対応されています。
蔵の設計は、隈研吾氏。外観も凄いですが、
中に入ると…そこはまさにミュージアムのよう。
窓の外の景色が、そのまま絵画みたい。
ここで、リシャール氏がアッサンブラージュをしたり、
VIP向けの食事会を開いたりしているとのこと。
ただ佇んでいるだけで心が洗われそうな、そんな空間でした。
そして、お会いしたかった方との再会
藪田眞人杜氏、こちらに来る前は、剣菱で杜氏をされていた方。
藪田杜氏が、リシャール氏がリクエストする
アッサンブラージュの為のあらゆるタイプの日本酒を造っています。
丹波杜氏で、歯に衣着せぬバリバリの関西弁がたまりません
(蔵では、親しみを込めて、おやっさんと呼ばれています^^)
灘の酒造り保存会でも活動されていて、先日は
NHKの民謡魂という番組で、酒造り唄を披露されていましたよ。
リシャール氏の話も色々してくれましたが、
お互いに天才肌で、言いたい事が言い合える、
そんな仲だからこそ良い関係が築けており、
このIWA5が生まれているんだなと。
そして、このお酒をいただける時代に生きていられること、
なんて幸せで奇跡的な事なんだ、とじわじわ感動…。
このガラスの奥で酒造りが行われています。
壁は全面和紙で、よく見るとお米が漉きこまれてるんです。
蔵の奥の方の壁には、稲穂が漉きこまれてました。
写真はお見せできないのですが、ずらりと並ぶ
醪タンクは、イタリアから全て輸入したとのこと。
麹室や搾りの現場も見せていただきましたが、
床も壁もピカピカで掃除が行き届いていて。
また、この木の道具は全て手作り。
造りがお休みの時期には、藪田杜氏が蔵人達に
道具作りも伝えているとのこと、
ここには、日本が誇る剣菱イズムが踏襲されているなぁ…と
感動もひとしお。素晴らしい取り組みですね。
原料となる五百万石、山田錦はともに35%まで磨かれています。
(写真以外に、雄町も使用しています)
蔵内の普通の通路が…すごい
2階からの眺め、圧巻…
ここで、IWA5をビンテージ違いでテイスティングさせていただきました。
この空間でマチユさんの解説を聞きながら、贅沢な時間…。
ボトルはマーク・ニューソン氏によるデザインです。
デキャンタは、岩瀬に工房を持つ富山ガラス作家、安田泰三氏のもの。
(私もお猪口持ってます)
IWA5の特徴としては「複雑さと心地良いバランスで、
味わい豊かでありながら軽やか、一貫性と調和を
絶え間なく感じさせます。」ということですが、
本当に時間経過や温度変化とともに、様々な表情を見せてくれて…
じっくり、ゆっくり味わいたいお酒。
酒蔵を訪問し、蔵の環境含め圧倒的に突き抜けているコンセプト、
ブランディング、マーケティング。
何だか、異次元の空間に飛び込んだような感覚になりましたよ。
日本酒業界で唯一無二な存在として、
日本酒の付加価値向上のためにも、新風をふかせてほしい、
牽引していってもらいたい、そんな想いになりました。
海外からも注目されているIWA5、
これからの取り組みにも目が離せません。
オンラインから購入できるので、ご興味ある方は
ぜひ飲んてみてくださいね。
本当に、貴重な機会を有難うございました