フェイント
社内ストーカーのおじさん。
私の片付けに合わせて
業務終了するので
片付けた、と見せかけ
おじさんが帰るのを見届けてから
業務再開することにした。
今日はこれで待ち伏せ回避。
見破られるのも時間の問題だろうけど。
急かされる
男の待ち伏せは毎日
私が
当日処理書類を保管するため
引き出し式キャビネを施錠し
その鍵をキーBOXに戻した時の
「ガチャリ」
という音を聞きつけた途端
始まる。
それまで平然と作業していた男は
突然
お手洗い目指して全力で駆け出し
(おそらく用を足して)
1-2分で
静かな執務室内を
また全力疾走で戻ってくる。
私はこのわずかな時間に
PCをシャットダウンし
男より先にエレベーターに乗らなければ
エントランスで待ち伏せされてしまう。
一刻を争う事態だというのに
煩雑な社内システムが
何度も確認メッセージを表示して
簡単にはシャットダウンさせてくれない。
もしかしたら
ストーカー的な待ち伏せではなく
室外で話したい何かがあるのかもしれないし
私に有益な情報をくれる目的かもしれないし
ただただニッコリ笑って
「おつかれ」
と言うだけかもしれない。
でも、たまらなく怖い。
分別有るはずの大人の
室内全力疾走。
この怖さ、伝わりますか。