ジョージ・ガーシュインが作曲した全3幕からなるオール黒人キャストのオペラです。
原作は1925年に発表されたデュボース・ヘイワードの小説「ポーギー」。
1935年にニューヨークのアルヴィン劇場(現在のニール・サイモン劇場)で初演されました。


舞台は第一次世界大戦後のアメリカ南部の黒人貧困地区、そこに暮らす足の不自由な青年ポーギーと、ギャング?の情婦ベスとの悲しい恋物語です。

全編にジャズとゴスペルの雰囲気が漂います。


有名なサマータイムは、冒頭に子守唄として歌われるほかに合計3度歌われますが、物語が進むにつれて舞台状況と歌詞に悲壮さが増していきます。


Summertime, and the livin' is easy.
Fish are junpin'
and the cotton is high.
Oh your duddy is rich ,
and your ma is good lookin'.
So hush, little baby,
don' yo' cry.

One of these mornin's
you goin' to rise singin'.
then you'll spread your wings,
and take the sky.
But till that mornin'
there the nothin' can harm you
with daddy and mammy standin' by.


サマータイム…
坊や、生きていくのはたやすいことなの、
こわい事なんてなんにもないよ、
ほうらお魚が跳ねてる、
綿の木も高く高く育ってる
お前の父さん大金持ちで、
母さんだって若くて綺麗、
よしよし、坊や、だから泣くんじゃないよ

ある朝お前は、立ち上がり歌うのよ
そしてその天使の翼を広げ、
大空に高く高く飛び立つのよ
その朝が来るまで
お前を傷つけるものなど何一つない
父さんと母さんがついてるから





オール黒人キャストで台詞もほとんど黒人特有のスラング、全編にジャズとゴスペルを使ったこのオペラは、正統派オペラに親しんだ人には異様に映り、逆にジャズやゴスペルのファンにとってはその主張のない旋律は白人の物真似と皮肉がられ、初演当時は余り評価されませんでした。

しかし現在ではガーシュインを代表する傑作とされており、私もいつか舞台を観たいと思っています。