女性と仕事と育児と生き方と | ☆ New Photoholic Days ☆(旧・New York Days)

女性と仕事と育児と生き方と

現在絶賛育児休暇中。



仕事をしている時は、毎日目まぐるしく忙しくしていましたが、お休みを頂いていることで、色々考える余裕が出てきて


これまでの自分の在り方を振り返りつつ、今後仕事復帰したら、組織人としてどのような人間になろうかと、


何を芯に持ちながら仕事をしていこうかと考えを巡らせています。



※書き始めたら長文になったのでちょいちょい写真を挟みます。
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自分が一度夫の海外赴任に伴って、仕事を辞めざるを得ない状況になり


海外赴任中に、さて、子供をどうしようかと思ったし、子供を作ろうかとも思いましたが


仕事を辞め、専業主婦の状態で子供が出来ると、正社員として仕事に戻るのはほぼ不可能になってしまうのがネックでした。


(最初から時短勤務を条件にした正社員総合職なんて、まあほぼ採用されないですし

現行の日本社会において、時短勤務なしで仕事と育児の両立は極めて困難と言わざるを得ません。

ベビーシッターとか全然普及してないしね。

NYに住んでいた頃、同じフロアに住む夫婦が自分たちの部屋とは別に、隣の部屋をまるごとベビーシッター用に借りていました。

そんなダイナミックなやり方も日本でももっと出来ればいーのに)





自分は一度仕事を辞めたものの、また仕事復帰が出来て、自分なりに結果も出して、役職もついて


満を持しての産休・育休取得という形を実現できたものの、そうではないケースも散見されるのでは


つまり、仕事を辞めざるを得ない状況が発生し、その間に子供を授かり、時短勤務・正社員・総合職として仕事復帰したい気持ちはあるけど、

諦めざるを得ないケースも、多くあるのではないかと思いました。


最初に海外赴任になる年齢層として20代後半~30代前半という、まさに育児と仕事との兼ね合いに直面する年代が多いからです。



なので、私は仕事復帰してからこれまで、会社にパートナーの転勤に伴う休職制度を取り入れてもらうよう継続して働きかけてきました。


会社側としては、・ニーズが少ないこと ・いつ戻るか分からないこと がネックになるということです。確かにそれも理解できます。


しかし海外赴任自体最近は珍しくないので、ニーズ自体は増えてくると思うし、


パートナーの仕事や転勤に伴って、柔軟な働き方ができるというのは、新卒採用の際にも魅力的な制度の1つになるのではないかと思っています。





また、「休職制度」に対するニーズという面では、何もパートナーの転勤に伴うものだけではないと思うのです。


最近は不妊治療のために仕事を辞めざるを得ないケースも多くあるようです。


私の職場でも、治療のために仕事を辞めることを選択した人がいるということをちらほら耳にしました。


大手メーカーの一角では不妊治療の休職制度を既に取り入れている企業もあるとのことです。


今日のYahooニュースでもこのような記事がありました。

「30代女性の思い 「妊活か、仕事か」」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160805-00000008-withnews-soci


子供を授かった女性が、産休・育休を取得出来たり、妊娠中も体調によって時短勤務が認められたりしているにも関わらず、


その傍らで子供が欲しいと思いながら休職することも出来ず、時に遅くまで残業して仕事をせざるを得ない女性がいるという状況に対して


もっと一企業として出来ることがあるのではないかと思うのです。


子供が出来たらバックアップ体制が整っているのに

子供を欲しいと思っている人のバックアップ体制がないというのは、公平感を欠いているようにも思います。



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日本という国において、少子化・高齢化社会で労働力人口そのものが減少していく中


アメリカのように積極的に移民で労働力を補うような国でもないため

(昨今欧州各国では移民に対する反対運動が大きく社会問題にも繋がったりしていますし)


やはり女性の社会進出・役割向上が必須だと思うのです。



その中で、仕事能力が高く、自身もやりがいも感じていながら、その仕事をギブアップせざるを得ない女性が出続けているというのは

 

日本という社会にとっての大きな損失だと思うのです。


※単に女性も社会に出るべし、という義務感を助長するものではなく

例えば「内助の功」という言葉が昔からあるように主婦としてパートナーの仕事を支えるのも1つの社会貢献・経済活動だと思うのです。

SingleでもHouse WifeでもDINKSでもWorking Motherでも、もっと女性の選択の1つ1つが尊重される世の中になってほしいと思います。

問題なのは、「仕事をしたい」と思っている女性が、様々な理由で仕事と子供の両立を諦めざるを得ないという状況があり

その状況に対して社会全体として、また一企業としてフォローし、バックアップできるような制度がもっと必要なのではないかと思うのです。





 

行政は今は保育所の整備だけで精一杯で、その先のニーズにはまだ目を向けられないため

 

やはり企業が先行して独自に取り組んでいく必要があると思います。


(実際仕事と育児の両立を支援する制度は、一部の企業が行政よりもずっと先行しています)

(保育所の整備の遅れについては、大体なんで行政の失策(少子化という数の理論にしか目が向かず、共働き世帯とそのニーズの増加を捉えられなかった)に納税者が付き合わなくちゃならんのだ、まじで税金納めるのがバカバカしいんですけど、と思いますがそれはもう私たち世代に課された課題ということでお付き合いせにゃならんのです。)




しかし制度が整ってくると、今度はその制度の上にあぐらをかくような人も出てきますし

 

その制度を悪用、とまではいかないものの、行政の制度(各種補助金等々)と会社の制度(時短勤務・育休等))を

自分のメリットのためだけに「利用」しようとする人も出てきます。


実際自分も妊娠中に、そういう人を含めてのチームのマネジメントに心を砕かなければならない場面がありました。


(余談ですが)大学時代にマネジメントを専攻し、今やっと大学で学んだことを理論だけでなく実践で活かせる機会に恵まれたと実感しているのですが、やってみて思うのは基本「クビ」にはならない日本企業では、マネジメントにおいて最も時間を割き心を砕き苦労するのは、出来ない人・厄介な人・ぷち問題児をいかに使うか、ということのような気がします。



仕事と育児の両立をする女性に認められている各種制度に基づく権利のみ主張し

おいおい、あなたの年齢・ポジションに伴う「義務」はどこいった?という人も残念ながらいるのです。


そういう人を身近で目の当たりにするとますます、強い志を持ちながら、仕事と育児の両立を諦めざるを得ない苦渋の決断をする女性に対しても、もっと制度面でのフォローを整えたいと強く思うのです。



このような時代に仕事と育児を両立する道を選択した者として

次の世代が仕事と育児を両立し、今よりも社会で活躍できるような道しるべを作ることが

この時代にこの年齢で社会にいる私たち世代に課された課題であり、重要な役割の1つであるとも思います。



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私個人としては、一度退職し、仕事復帰をし、辞めていた時の海外生活を仕事に活かすことも出来、

そしてこれから仕事と育児の両立を図っていく経験をしていく・・・・

というように、これまで様々な経験を経てきたことになりますが


その中での苦労や葛藤とかも含めて、後輩の女性職員のいい相談相手になることができ


後輩が、女性としての生き方や働き方を模索する上で、役に立てたり寄り添えたりする場面があれば


組織人としての私にとって、それ以上に幸せなことはないと思います。





もちろん経験がなければ先輩として後輩の役に立てないわけではありません。


私の尊敬する会社の先輩の中には、SingleであってもWorking Motherの地位向上(昇進・昇格)を会社に訴えたり、チーム全体に時短勤務についての理解を訴えてきた女性がいます。


そもそもそういう人たちに「Singleであっても」とか「子供が居なくても」とかそういう枕詞はむしろ不要で


SingleだとかDINKSだとかWorking Motherだとか、そういうことの前に「一組織人」である。ということなのだと思います。

そうやって、私も今の会社で尊敬すべき先輩の働き方や考え方・価値観に触れることができ、自分の心に残る言葉を聞くことができ


「こういう先輩のようになりたい」「見習いたい」という思うことができ、それは自分を向上させる原動力となってきたので


自分も後輩の誰かにとって、ほんの少しでも原動力の1つになれるような組織人としての立ち振る舞いができればいいなと思います。



そしてきっと今後仕事復帰したら、仕事と育児の両立で、また慌ただしい日々に突入していくと思うのですが


どんなに忙しく、大変であったとしても、「職場」においてはWorking Motherである前に「一組織人」であることを肝に銘じて、仕事に臨みたいと思います。


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そして、育休が明けて職場復帰したら、パートナーの転勤や不妊治療等、


女性特有の事情に与する汎用性のある休職制度を設けられるよう自らの職場に働きかけつつ


仕事と育児の両立の仕方を自分なりに模索し、後輩の女性職員に時に寄り添い、いい影響となるような組織人になれたらと思います。


制度については、一度4年間という長い間仕事から離れていたにも関わらず、復帰後にまた仕事で結果を出してきた自分だからこそ、会社に働きかけられる部分もあるのではないかと思っています。

(実際海外出張や日々の海外との仕事上の遣り取り、交渉においては、仕事を離れ海外生活をしていた経験が大きく活きています)



また、この休職制度は何も女性の事情に与するために限ったものではなく

(これはまだあまり実例もないのでニーズも耳にしたことはないのですが)例えば、大学に復学したり海外留学をするための休職制度としても利用できるといいと思うのです。

 

日本ではあまり就職した後で(会社の留学制度とは別に)海外や大学でもう一度学び直し、仕事復帰するというケースが見られませんが

 

もっと他の諸外国のように就職後に再び大学や海外でで学び直し、それもキャリアに反映できるいう制度がもっとあってもいいと思うのです。





もし、離職し海外生活をしていた時に子供ができていたら、ということを改めて考えると


恐らく私は、自分の1個人としての人生に対して、自分の思うような生き方が実現できないことに対して「仕方がない」を連発し

「子供のために」ではなく「子供のせいで」と思うようになってしまったかもしれません。


そして自己実現とか自分を表現する術を、夫の仕事だとか子供の学校だとか成績だとか「自分自身で実現した以外の事」に依存するような、オソロシク「こうはなりたくない自分」になってしまったかもしれません。


(そんな話を私をよく知る友人にすると、ミズキのことだからどんな状況になっても自分が生きたいと思える生き方をどうにかこうにかもぎ取ってくるんじゃないの。と叱咤されましたが、やはり日本の現状では前述のとおり“どうにかこうにかもぎ取ってくる”のが、なかなか難しいのだと思います。)



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先の都知事選で、初の女性都知事が選出され


リオ・オリンピックの閉会式では、東京のトップとして女性が壇上に立ち、旗を受け取り


世界に、東京も遅ればせながら女性の社会進出が進んでいることをアピールできる絶好の機会となります

(実際既にある米紙ではこのことが取り上げられたようです。)



もし自分が仕事をしたいと思いつつも諦めざるを得ないままであったり、自分の思うような形で仕事が出来ていなかったら


このように「女性の社会進出」や「仕事と育児の両立」が大きなうねりとなり


猛スピードで進んでいく世の中で生きていくのは、すごく辛くやり切れない思いでいっぱいになると思うのです。




だからこそ、今改めて仕事を諦めなくてよかったと心から思いますし


それ故に、諦めざるを得なくなってしまった女性をバックアップしたり、


そもそも諦めざるを得ない状況を回避できるような制度作りに貢献したいと思うのです。







私の娘が成人し、いつか社会に出ていく時には、


きっともっと女性が生きたいと思える生き方・働き方を実現し、Single, DINKS, Working Mother, House Wife・・・そのそれぞれが尊重され


世の中の仕組みも理解も、もっとぐっと進んだものになっていると思います。


その時に、私たちの世代がその道しるべを作ったんだよと、胸を張って娘に話ができるようになれたらと思います。


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それを原動力の1つにすればきっとこれからも、もっともっと頑張れるように思います。