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前回までの記事はこちら。今回はその続きです。

 

 

 

そもそもこの2つの質問は、ニュアンスが異なっています。

 

「数学って何の役に立つの?」は、数学が社会の中でどのように応用されているのかを尋ねている場合もありますし、その子自身の人生において役立つかどうかを尋ねている場合もあります。

 

「数学って将来、何の役に立つの?」は、その子自身の人生設計に役立つのか、を尋ねています。つまり、社会の中での応用面には関心がない雰囲気が漂っています。

 

 

インターナショナルスクールの子達からの1つ目のような質問が少ないのは、数学が実用的であることに疑問を持っていないからだと思います。学校で使用している教科書は、各章の1ページ目に大きな写真やイラストが入り、これから学ぶ内容が何に利用されているのかを説明しています。

 

 

例えば、座標平面上の線対象点対象な図形であれば、GPSのイラスト。

 

 

 

ベクトルならば、国際線の航空機を目的地に飛ばすために必要な情報は何かを生徒に質問し、

 

 

 

ピタゴラスの定理では、開校記念日に構内にある高さが異なる2つの建物の最上部をつなぐ横断幕を吊るすには、その長さをいくつにすればよいかとの質問、

 

 

 

集合では、セットミール(定食)のおかずの組み合わせに関する設問、

 

 

 

 

式の展開と因数分解では、形状とサイズが異なる窓ガラスの組み合わせと、それぞれの面積の大小についての設問、

 

 

 

 

行列では、コンピューターグラフィックスへの応用の紹介、

 

 

 

‥‥等々です。

 

 

ただし、だから全員が数学を好きというわけでもないのが面白いところです。自身がそれらの数学で職を得るかどうかは別問題。

 

 

そして、日本の一般校の子達からは2つ目のような質問が多いのは、実用面への興味よりも自身の数学に対する苦労が報われるのかという心配が優っているためのような気がします。自身の学んでいる数学が社会でどのように役立っているかが分からないことへの不安もあると思います。

 

 

  現実世界を扱う計算は、数を丸めるのが当たり前

 

前々回に書いたように、数学でcalculator(計算機)を積極的に使う事のメリットは、現実世界の実測や設計の分野では整った数字は現れないということを体感できることです。

 

インターナショナルスクールの子達が学校で扱っている二次方程式の問題では、解の公式を用いた際に√  内の値が5〜6桁になった事があります。根号を外しても綺麗な整数値にならないのは確実で、かといってそのままの表記ではどのぐらいの値になっているかの実感が湧きません。

 

設問は日本でも見られるような極々普通の問題でした。牧場経営者が敷地内に四角く区分けされた部分を作り、それぞれの区域の辺の長さや面積に関する問題です。

 

 

 

しかし、上記のような表記のままではさっぱり広さが分からないので計算機を使って小数点以下まで出してみる事になります。

 

すると、予想通り小数点以下が循環しない小数なので分数に変えることもできません。

 

「じゃあ、適当なところで、round(四捨五入)するか」となります。

 

このような計算を日常的に行なっているのが、インターの数学です。

 

現実世界で実際に、牧場の敷地の長さを測って計算すれば、これと同じようなことをする事になる可能性が高いです。

 

 

計算機を使う理由については、次回以降でも触れてみたいと思います。

 

 

 

Written by Desaki