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6月16日(土)午後札幌市中央区南3条15丁目1−1ノルベサ1F MIRAI.ST cafe にて開催された、柳井正さんが創設の「柳井正財団」の奨学金を受給しながらアメリカの大学で学ばれている方3名と今夏から進学予定の方1名が企画されたセッションに私も出席して来ました。

 

BKCからは保護者の方2名と生徒3名が出席して下さり、奨学生の方々と交流することができました。他には私立高校の先生方とそれ以外の教室経営者と思われる方々もいらっしゃり、全体の説明会後のグループセッションでは私立高校生も数名いました。

 

最初の全体向けの説明では4名の方々の経歴と大学をそれぞれに紹介していただき、その後アメリカの大学進学の仕組みとそれに合わせてどのようなスケジュールで準備をされたのかを、各々が説明して下さりました。

 

パワーポイントを用いながらの説明で分かり易く、我々のためにしっかりと準備をして下さったのが大変有難かったです。

 

BKCの生徒からも「具体的な留学準備スケジュールの組み方が分かった」と好評でした。

 

今回のブログでは、主に米国への留学を考えている方々のお役に立ちそうな情報をいくつか書いてみたいと思います。

 

 

①米国トップ大学進学者の特徴

 

今回出席された4名のうち、男性2名は幼少期を海外で、女性2名は高校時代を海外の学校で過ごしています。全員の共通点は「米国大学進学前に海外の学校への通学経験がある」という点です。つまり、元々英語での算数(数学)や他教科の学習経験があるということになります。これは、米国大学進学の際にスコアの提出が要求されるACTSATの学習準備ができていたということだと思います。

 

もう一つの共通点は日本国内の「小中高一貫もしくは中高一貫校の受験経験がある」という点です。

 

特に中学受験経験者にとってはSAT Reasoningに頻出の多角形の内角・外角や平行線の性質を利用して解く角度や面積の問題はとても易しく感じると思います。出題内容が中学受験に似ているという点については学芸大附属出身の方も同意していらっしゃいました。

 

一方で、日本出身者にとって不利な面も出てきています。米国トップ大学進学の際に要求されるSAT Subject Math Level 1&2のうちのLevel2では「行列」も範囲になっています。現在、日本国内では数Ⅲから外されてしまい、理系学部の2次試験でも出題されることはほとんど無いかと思います。これは、コンピューターグラフィックで3Dの物体を回転させる際の演算処理には「複素平面」を用いるのが一般的になったことが影響しているようです。

 

 

 

②推薦書の準備方法

 

米国には就職や進学の際に「信頼のおける人物からの推薦を重視する」という推薦文化があります。

 

日本国内では一般的ではありませんが、UCLA卒業後に日本国内大学のアカウンティングスクール(会計大学院)に進学した講師と、日本国内の学校にアシスタントティーチャー(AT)を派遣する団体に登録申請をした外国人講師の推薦書を、私も書いた経験があります。

 

日本で「能力検定試験」が流行る理由は、この推薦文化が無いことが一因だと思います。

 

日本から米国大学に進学する際には、通学している学校の先生に書いてもらうのが一般的です。「長い期間にわたって自分との付き合いがあり、短所と長所の両方を知っていて、しかも成長する姿を見てきた人物」として最適だからです。家族もこれに該当しますが、進学に当たって利益が生じるために「信頼が欠け」ます。

 

上記の条件に該当する先生を選び、早めにお願いをする必要があります。英文で作成する必要もあるので、書いて頂いた後に英語を母国語とする先生に翻訳してもらわなければいけないケースも多いことでしょう。その分の時間も考慮に入れて出願の半年前には依頼をしておくべきだと思います。

 

今回、お話をさせて頂いた奨学生の方からは「長所と短所の両方を書いて頂いて、しかも短所の部分を好ましい部分として上手に書いて頂くと良い」というアドバイスも頂きました。

 

 

 

②GPAにおける有利・不利

 

GPA(Grade Point Average)は高校の各教科の成績評価点の平均です。日本でも推薦枠で大学進学する際に提出を要求されます。

 

その数値の変動パターンによって米国大学進学に有利・不利があるという話を聞くことができました。

 

3年間の合計成績が同じだとしても以下の3パターンで合格の確率が異なるそうです。

 

 

A 最も確率が低いのは、次第に下がっているパターン。

 

B 次に低いのは、上がり下がりしているパターン。

 

C 最も合格の確率が高いのは、上がり続けているパターンだそうです。

 

 

これについては、私も初耳でしたが、「なるほど」と思う部分があります。その点について次の項目で述べます。

 

 

 

 

④日本国内大学と米国大学の選別傾向の違い

 

一言で言い表すと「日本は完成度を見て、米国は伸び代を見る」ということになりそうです。

 

例を挙げると、日本の国公立大学進学で必要なセンター試験は、元々「ある得点を境としてそれに満たない生徒の2次における個別試験の受験を認めない足切り試験」としてスタートしたものでした。今は性質がかなり変わってしまいましたが、現在もそのような性質が残っています。もし実際に足切りを行なった場合には、その得点に満たない受験者は門前払いをくらいます。センター試験は、特に数学などはたったの60分で多くの問題を解き、しかも難関大学ではほぼ満点を取らねば受からない、作業の速さと正確性を要するテストです。

 

米国の場合には、進学情報サイトを見ると「各大学の合格に必要なGPAとSATもしくはACTの点数の目安」が出ています。

 

ここで重要なのはこれらは目安に過ぎないという点です。

 

目安を上回る点数を持っていても不合格の可能性がありますし、逆にその基準を満たさなくても受かる場合があります。

 

 

最近、東洋経済オンラインで以下のような記事を読みました。

 

ハーバード大学「アジア系差別」の深すぎる闇ー「人格点」がほかの人種より低いので不合格?

 

私の実感から言うとおそらく「アジア系差別がある」というのは誤解です。

 

 

アジア系の学生は米国の大学から見ると「伸び代」の期待値が低く感じられる学生が多いだけだと思います。

 

アジア系のうち特に「中国」「韓国」「日本」の3大東アジア国は、学生の雰囲気が似ており、大学側から見て魅力のある「ユニークな経験」と突き抜けた「積極性・行動力」が欠けている学生が多いのではないかと感じます。

 

私の身近な例から説明してみます。

 

昨年に米国内の3大学に出願した北海道インターナショナルスクールの生徒は、3校全てに合格しましたが、彼はかなりユニークです。夏休み中に友人とカヌーでアメリカ東海岸沿いに旅をするという冒険を経験しました。日本では批判を招きかねない積極性です。

 

もう一人の北海道インターナショナルスクールの生徒は、地元の公立中学校にも時折通学していますが、その感想を聞くと真っ先に「安全を大切にする」と答えていました。

 

韓国系で公立中学校に通っている生徒も塾にいますが、その保護者の方に「なぜ日本の学校に通わせようと思ったのか」を聞いてみたところ「安全だからだ」とおっしゃっていました。

 

今回、お話をさせて頂いた4名の柳井正財団の奨学生たちの積極性はかなりのものです。

 

ある方は高校時代に自ら大学の先生にお願いをし、大学での研究に参加させてもらったそうです。

 

柳井正財団の方がおっしゃっていましたが「彼らはみんな頑固だ」そうです。

 

これもとても思い当たる部分があります。

 

塾にも学業成績が良いかどうかは別として「この子は将来が楽しみだ」という生徒が存在します。

 

その特徴はやはり「頑固」です。

 

学業を義務とは思っていないので、納得しなければやりません。

 

しかし、その一方で「必要だ」と納得すると、我々の指示が無くても自分の判断でどんどん勉強を進めます。時として爆薬に火がついたかのような積極性を見せます。

 

しかし、他人の意見に対して聞く耳を持たないのとは違います。むしろ、人の話もよく聞きます。

 

結局、「多くの人の意見を聞き、情報を集め、自分で十分に考えて決断」しているので、もはや周りの人間が何を言おうが決定を覆す必要が無いのだと思います。

 

ただし、大学側が最大の評価を与えるのは積極性と行動力が社会貢献に結びついている場合です。

 

この部分についての「将来の伸び代」=「大学卒業後の活躍への期待」という点で、アジア系学生のアピール度は弱いように感じます。

 

柳井正財団の奨学生の方たちは「たとえGPAとACTやSATのスコアが、目安とされる数字よりも低くても、行きたい大学があれば出願してみて下さい」ともおっしゃっていました。

 

米国内にある合格者のスコア分析サイトによると、目安のスコアを多少下回っていても合格している者が数パーセントですが存在するからです。学外活動やエッセイの内容から、これまでの学業成績とは別に「将来性がある」という期待値が高い学生だと思われます。

 

つまり、米国の大学側が求める最高の学生は「社会貢献の意欲とアイデア・行動力があり、しかもそれを実現する能力もある」学生ということのようです。

 

上記の記事では「能力があるのに落とされた」という部分だけに焦点が当てられているために、ハーバード大学への誤解になっているような気がします。

 

 

 

 

 

Written by Desaki