NHKラジオすっぴん「さわけんのぶっちゃけサイエンスクッキング」で紹介したローストビーフの作り方です。

ローストビーフ

◯ピンク色のローストビーフを作りたい!

ローストビーフとは牛肉をオーブンで焼いて薄く切った料理です。

お肉はピンク色で柔らかく、一緒にローストした野菜で作ったグレイビーソースをかけてジューシーに食べるのが王道です。


これを家庭で作るとなると色々な壁があります。

・お肉は何を選べばいいの?

・どう焼いたらピンク色になるの?

・どう切ったらいいの?

・ソースは難しそうだけど必要なの?

この辺りがクリアすべき難題なのではないでしょうか。


*お肉を選ぶ

ローストビーフに使う牛肉は柔らかい順にフィレ>ロース>赤身となっています。

赤身は主にもも肉でもも肉の中でも色々な部位に分かれますが、スーパーなどではもも肉としか書いていない事も多いです。

特に柔らかい「しんたま」などは書いてある事もあります。


お財布に余裕があればフィレかロースがオススメです。フィレやロースなら黒毛はもちろん、輸入牛でも柔らかいのは確定なので楽に美味しいに行き着きます。


ちょっと高いという場合は赤身です。

赤身の場合、黒毛和牛なら高いですが柔らかいです。


輸入牛の場合、ちょっと硬いので火を入れすぎないように注意しましょう。そして薄く切ります。これで美味しく食べられます。

オーストラリアもも肉

これは輸入牛のもも肉。完全赤身なので火の入れすぎ注意!今回のはオーストラリア。

それ以外に国産の黒毛和牛以外の牛肉もあります。

交雑牛>黒毛和種とホルスタインの掛け合わせで、黒毛ほど柔らかくないですが輸入牛より柔らかい感じです。値段は輸入より高く黒毛よりは安いです。

交雑牛もも肉

これが交雑牛。ちょっと高いけど脂が適度に差していてやわらかい!

国産牛(ホルスタイン)>もともと乳牛なので肉質は固め。でも価格は安目で輸入牛よりは少し高いです。

この辺りで自分にあったお肉を選ぶといいでしょう。


*ピンクに焼く

・牛肉は60℃を超えると完全に固まり、65°Cを超えると縮んで固くなります。

・牛肉は55°C~58°Cくらいでロゼになります。

・なので肉全体を55℃~58℃にできたら全部がピンクになるはずです。

そのためには高い温度を避けて低い温度でじっくりとお肉全体の温度を上げるのが理想的なのです。ここで登場するのが炊飯器の保温機能です。

保温機能は70℃くらいで温度を保とうとしますので、お肉に火を通すのには理想的なのです。


*オーブンでローストすると160°Cの熱い空気で焼きますので表面は焼き過ぎになります。 そして素早く中心温度を見極めて寝かす必要があります。 


でも炊飯器で低温調理にすると70°Cという低温で調理できるので、肉の温度が上がるのに時間はかかり、結果的に肉内部の状態を見極める時間の幅が広がるので失敗しづらいという利点もあります。 


*この方法で中心温度を55°Cくらいまで上げて、あとは表面を強火で短時間で香ばしく焼けば、安いお肉でも「火の通り過ぎた硬い皮の薄い比較的柔らかいローストビーフ」が家庭で作れるわけです。 


ソースは難しいので、わさびしょうゆやおろしポン酢で頂きましょう。

以上を踏まえてレシピです。


◯茹でて焼くローストビーフ

 牛モモ肉かたまり 500g

塩        小さじ1/2

熱湯       


焼肉のタレ    大さじ3

オリーブオイル  大さじ1


わさびしょうゆ


1、牛もも肉を水道水で洗って塩をし、ビニール袋に入れてぬるま湯を張ったボウルに15分間置く。 

2、炊飯器に熱湯を入れて保温にし、肉を入れて30分~45分調理する。(厚さ4cmなら40分程度)

3、肉を取り出して水気を拭き、焼肉のタレをまぶしてフライパンで強火で肉の表面だけ短時間で焼き色をつける。残ったタレも絡める。

4、切って盛りつけて完成! 


これであなたもローストビーフ名人ですね!

ちなみにローストビーフを冷たくして食べる場合(サンドイッチなど)にするなら温度高めに仕上げたほうが噛み切りやすくなりますよ。


キッチンまわり評論家/科学する料理研究家・さわけん