日の光も電波も弱い、半地下住宅で暮らすキム一家。父のキム・ギテク(ソン・ガンホ)はこれまでに度々事業に失敗しており、計画性も仕事もないが楽天的。元ハンマー投げ選手の母チュンスク(チャン・ヘジン)は、そんな不甲斐ない夫に強く当たっている。息子のギウ(チェ・ウシク)は大学受験に落ち続け、娘のギジョン(パク・ソダム)は美大を目指すが上手くいかず、予備校に通うお金もない。しがない内職で日々を食いつないでいる貧しい彼らは、皆、普通の暮らしがしたいと願っていた。
ある日、ギウを訪ねて、受験を勝ち抜き今や名門大学生となった友人ミニョクがやってきて、留学する間、彼に代わって家庭教師をしないかと持ち掛ける。受験経験は豊富だが学歴のないギウが向かったのは、IT企業の社長パク・ドンイク(イ・ソンギュン)の自宅である、高台に佇むモダンな建築の大豪邸だった。偽造した大学在学証明書にさほど目を通す様子もなく、若く美しい妻ヨンギョ(チョ・ヨジョン)に娘ダへの部屋へと案内されるギウ。受験のプロのギウは少し授業をしただけで母と娘の心をすっかり掴んでしまう。帰り際、落ち着きのないパク家の末っ子ダソンは、紹介したい家庭教師がいると提案。後日、ギウは妹のギジョンを連れて豪邸を訪れ、ギジョンはダソンの美術家庭教師となる。どの家庭教師も1か月も続かなかったというダソンを恐るべき速さで手なずけ、二人はあっという間に一家の信用を得ていった。
そして、ギジョンは次にある仕掛けをし、運転手を追い出し、父親のキム・ギテクを代わりの運転手に、ある仕掛けをして家政婦を追い出し、母チュンスクを代わりの家政婦としてパク家に引き入れ、パク家を足掛かりに半地下住宅を抜け出す計画を、実行していく。だが、パク家にはギウたちの知らない秘密があった。 
今作で、ポン・ジュノ監督が、アカデミー賞受賞した衝撃作。 




WiFiもろくに入らない、日の光が弱く、劣悪な環境の半地下住宅に生きるキム一家が、ギウがパク家の家庭教師を務めることをきっかけに、パク家に入り込み半地下住宅から脱出しようとするために仕掛ける履歴書などの書類偽造など様々な詐欺行為。
キム一家が、知らなかったパク家の秘密、そして半地下住宅地を襲う洪水と血まみれなクライマックス、桃やモールス信号や地下室などの小道具や建物の構造が盛り上げるスリリングなサスペンス、格差から這い上がろうとしても体臭のように染みついて離れない氏素性の格差から逃れられない格差社会の宿業と境界線、韓国社会の格差の根深さが分かるサスペンス映画。