花王は20日、食品包装などの商業印刷機用のインクで、海外メーカー2社を買収すると発表した。米コリンズ・インクジェット(オハイオ州)を7月に買収、スペインでもチミグラフ・ホールディング(バルセロナ市)を来年4月までに傘下に収める。
買収額は合計で100億円弱。花王は、3月に商業印刷用インク市場に参入したばかり。買収で世界展開を加速し、化学品事業の柱に育てる。
コリンズ社は1990年設立で、従業員数は約90人。インク設計技術に優れているという。チミグラフ社は約180人で、豊富な品ぞろえなどが強み。合計の売上高は約100億円。
買収により、日米欧三極での生産・販売態勢が整う。3月時点では2020年に100億円以上の売り上げを目指していたが、「25年に300億円を一つの目標と考えている」(根来昌一執行役員)と事実上、目標を上方修正した。
花王の化学品事業の売上高は2885億円。全社売上高の17%を占める。