花王が商業印刷用インクで欧米2社買収、100億円弱で

産経新聞 6月20日(月)18時6分配信



 花王は20日、食品包装などの商業印刷機用のインクで、海外メーカー2社を買収すると発表した。米コリンズ・インクジェット(オハイオ州)を7月に買収、スペインでもチミグラフ・ホールディング(バルセロナ市)を来年4月までに傘下に収める。

 買収額は合計で100億円弱。花王は、3月に商業印刷用インク市場に参入したばかり。買収で世界展開を加速し、化学品事業の柱に育てる。

 コリンズ社は1990年設立で、従業員数は約90人。インク設計技術に優れているという。チミグラフ社は約180人で、豊富な品ぞろえなどが強み。合計の売上高は約100億円。

 買収により、日米欧三極での生産・販売態勢が整う。3月時点では2020年に100億円以上の売り上げを目指していたが、「25年に300億円を一つの目標と考えている」(根来昌一執行役員)と事実上、目標を上方修正した。

 花王の化学品事業の売上高は2885億円。全社売上高の17%を占める。





最終更新:6月20日(月)22時7分
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