新開発目標で交渉本格化=極度の貧困、30年までに撲滅を―国連



時事通信 2月9日(月)14時25分配信


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150209-00000054-jij-int




 【ニューヨーク時事】貧困や飢餓の撲滅、完全雇用の実現など、2016年から30年までの国際社会の共通開発目標となる「ポスト2015年開発目標」を決めるための政府間交渉が、このほど国連本部で本格化し、13年に始まった策定プロセスは最終段階に入った。
 ポスト開発目標は、今年末を期限とする15年間を対象にした「ミレニアム開発目標」を継続・発展させる形で策定される。1日1.25ドル未満で暮らす極度の貧困を30年までになくすことや、25年までにあらゆる形の児童労働をなくすことなどが達成目標の候補に挙がっている。国連総会に合わせて9月にニューヨークで開かれる首脳会議で採択される運びだ。
 潘基文事務総長は国連が創設70周年の節目を迎えた今年、ポスト開発目標の策定を最大の課題の一つと位置付け、「自らのレガシー(遺産)にしたい考え」(外交筋)ともいわれる。
 ミレニアム開発目標は貧困撲滅や女性の地位向上など八つの分野で計21の達成目標がうたわれた。このうち、極度の貧困人口の割合を1990年比で半減させるなど一部が既に実現。一方、飢餓人口の半減や幼児死亡率の低下といった目標は年内達成が困難視されている。
 ポスト開発目標はミレニアム目標を引き継ぎつつ、「持続可能な開発」の視点を重視。再生可能エネルギー利用の大幅増や、良質で回復力のあるインフラ開発など従来になかった達成目標が盛り込まれる方向だ。