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地球上に残り5頭、キタシロサイの絶滅を防げ 専門家が会議



AFP=時事 1月29日(木)21時58分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150129-00000048-jij_afp-env


地球上に残り5頭、キタシロサイの絶滅を防げ 専門家が会議




ケニア・オルペジェタ自然保護区のキタシロサイ(2015年1月27日撮影)。
【AFP=時事】絶滅寸前のキタシロサイを救う方策について話し合うため、ケニアで27日、自然保護活動家や研究者による会議が行われた。



 現在生き残っているキタシロサイは世界でわずか5頭──そのうち3頭がケニア中部のオルペジェタ自然保護区(Ol Pejeta Conservancy)の700エーカーの敷地内にいる。他の2頭はチェコと米国に1頭ずつだ。

 27日に会議が行われたオルペジェタ自然保護区の最高責任者、リチャード・ビーン(Richard Vigne)氏はAFPの取材に「課題は、われわれに残された短い時間の中で科学的に実行可能なものに取り組むことだ」と語った。

 キタシロサイは、中央アフリカ、チャド、コンゴ民主共和国の北東部、南スーダンなどにかつて生息していた。だが、長年の慢性的な衝突や無法状態により、これらの国々のキタシロサイの生息地は失われた。国際環境保護団体フォーナ・フローラ・インターナショナル(Fauna and Flora International、FFI)のアフリカ責任者、ロブ・ブレット(Rob Brett)氏は、これらの情勢不安定な地域では「保護活動が不可能な場合がある」と語る。

 密猟も大きな被害をもたらした。キタシロサイの角は伝統的に儀式用短剣の柄の材料として重宝され、最近ではアジアで治療薬としても使われてきた。

 サイの角は1キロ6万5000ドル(約770万円)以上で闇市場で売買されているが、これは金価格やコカインの卸値よりも高い。


 現在生きているキタシロサイは5頭とも高齢ないしは自然な繁殖が不可能な状態。人工的な繁殖方法が最後の希望だ。

 最善策は体外受精で「試験管サイ」をつくること。胚は近縁種のミナミシロサイの子宮に移植する。だが過去にチェコの動物園で行われたキタシロサイの人工授精は失敗に終わっており、代理出産の実施例は過去にない。

 精子と卵子を冷凍保存しておくことで、将来的にキタシロサイを復活させることができるかもしれない。だが現状の解決にはならないため、キタシロサイは少なくとも、しばらくの間姿を消すことになる。

 生き残っている5頭のうちの2頭はすでに平均寿命の40歳を過ぎている──この2頭には唯一の雄であるスーダン(Sudan)が含まれている。

「(キタシロサイは)地球上で最も絶滅の危機にひんしている大型動物だ」と、ビーン氏は語る。ビーン氏の背後では、24歳の雌のナジン(Najin)が泥のプールを転がり涼をとっていた。

「たぶん、われわれは種の絶滅を目撃するだろう。それが現実だ。彼ら(キタシロサイ)はここで死ぬんだ」と、ビーン氏は付け加えた。【翻訳編集】 AFPBB News