首を動かす~首のすわりまで | 【 産まれる瞬間第1話 】 ♡みるくとエンジェル ♡               

首を動かす~首のすわりまで

●首もかなりしっして、音のするほうへ顔を向けるように

首が「はっきり」とすわってくるのは、だいたい4~5カ月からですから、まだ先になります。しかし、生まれたころに比べると、グラグラすることがだんだん少なくなって、個人差はありますが、2カ月に入ると、しばらくの間なら縦に抱いたままで姿勢を保てるようになる赤ちゃんも多くなってきます。また、仰向けに寝かせておいて名前を呼ぶと、声のするほうへ顔を向けるようになりますが、これも首がだんだんとしっかりしてきたからです。腹ばいにすると顔と肩を少し持ち上げて、左右を見ることもできるようになってきます。

★首すわりが完成する

赤ちゃんの運動機能は頭に近いところから始まり、首、腕、腰とだんだんに下がっていきます。また、体の中心から末端のほうに向かって進んでいきます。
 一番最初は、まず目でものを追う追視ができるようになります。次に首がすわり、もう少し下におりると、今度は手が前に出るようになります。それからさらに、腰まで自由になると寝返り、おすわりができるようになります。もっと下がって、足のひざまでくると高ばい、そして、つかまり立ちからあんよへと進んでいきます。頭に近いところから始まった運動機能の発達がこのように足まできたら、運動面に関しては一応、一人前になったと言えるわけです。


★首すわりとは、自由に頭を動かせるようになることです

 
まず、赤ちゃんの体の発達を見る最初のチェックポイントの、首すわり。4カ月の末には、90%の赤ちゃんは首すわりが完成しています。立て抱きにしても、もう首がグラグラすることもなく、しっかりと安定しているでしょう。あおむけに寝かせて手を持って引き起こしても、頭はちゃんとついて上がってきます。うつぶせにすれば、両手で肩を支えて、しっかりと頭を上げることもできます。こうなったら首すわりが完成したと言えます。
 首すわりは、赤ちゃんの体の発達を見る最初の大きなチェックポイントになっているため、いつ完成するか気にしているかたも多いようですが、しかし、この「首すわり」については、まだ誤解も多いのです。
 まず、゛首すわり″という言葉です。首すわりと言うと、首がまっすぐ支えられるようになることととらえられがちです。そのため「うちの子は2カ月から首がすわりました」などと言うお母さんもいます。しかし、これはお母さんの早合点。立て抱きにしたときに少しの間赤ちゃんの首がまっすぐになっていることはありますが、それだけで首がすわったとは言えません。
 医学的には、首がすわったと判断するのは、

1)腹ばいにすると頭を持ち上げる。
2)あおむけにして両手を持って引き起こすと首がついてくる。
3)たて抱きにして体を傾けたときに首をまっすぐに保てる。
などの条件を満たしたときです。

 英語では首すわりのことを「ヘッド・コントロール」と言います。つまり、自分の頭を支えられるだけでなく、どんな姿勢をとっても、自由に頭を動かせるようにならないと、ほんとうに首がすわったとは言えないのです。


★首すわりは5カ月いっぱいに完成すれば問題ない

新生児のときから、赤ちゃんは首すわりへ向けての準備をしています。  最初はうつぶせで首をわずかに左右に動かすようになります。次に、少しあごを上げられるようになります。さらに月齢が進むと、あごを上げたままの状態で、自由に首を動かして左右を見ることができるようになります。こうなって初めて首すわりが完成したと言えます。このように首が自由に動かせるようになるのが5カ月ぐらいです。
 保健所の健診などで「首のすわりがおそい」と言われて精密検査に来る赤ちゃんをおおぜいみていますが、その中でほんとうに問題があるのはごくわずか。数パーセントにすぎません。首すわりというのは、保健婦さんでさえも判定に困ってしまう、むずかしいものなのです。
 もし、3~4カ月健診あたりでまだ首がすわってないと言われても、厳密にいえば、5カ月いっぱいぐらいまでに完成すればなんら問題はありません。
 同じ月齢のほかの子ができているのに、うちの子はまだ、なんて心配するお母さんが多いようですが、発達はほかの赤ちゃんとの競争ではありません。無事にできるようになること、すなわち運動機能に問題がないことがたいせつなのです。
 この時期に発達が周りにいる他の赤ちゃんより遅れたからといって、これからなにもかも他人とりおくれるということはありません。お母さんはあまりあせらずに、安心して赤ちゃんの発達を見守ってください。